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2026/04/30

2026.4.30 兵庫県立兵庫高校講演会

兵庫県立兵庫高校で2年生の皆さんに探究の講演を行いました。実父と義父の母校でもあり、自分にとっても母校に来たような気がします。

スライドより:水平方向ではなく垂直方向で拡張を目指したい


同校では、研究テーマの壁打ちにAIの導入を考えておられるとのこと、面白い取り組みで、成果が楽しみです。

高校生がアイデアだしにAIを使う場合、

(A)~について案を出してください

とすることが多いのですが、高校探究の場合、そうなると、生徒さんは、「わ、すごい、そのまま採用!」となりがちなので、

(B)~について3案を出し、それぞれ長所・短所を3点ずつあげてください

のような指示とし、どれを取るかは、生徒さんの合議で決める、その合議の過程を記録に残す(場合によって学校に提出する)、といったプロセスが重要かなと思います。AI活用では全部委任にするのではなく「人間の最終判断(とそれに伴う責任)」を意識することが不可欠です。

私自身は、高校探究を、生成AI等によって未来の仕事が脅かされる中での基盤的知性の開発の場ととらえているのですが、その探究の活動自体にAIを入れていくというのは、チャレンジングですが避けて通れないプロセスになってくるように思われます。

 

2026/04/26

2026.4.26 大学英語教育学会特別委員会

表記に参加しました。

私が関与している特別委員会は、学術交流の 拡大を目指すものですが、日本の学会は、今後、海外・国内の両面で連携をさらに強化していく(「大同団結」に向かっていく)必要があるのではないかと思われます。

財務省が「2040年までに私立大学250校を削減すべき」という立場を示して話題になっていますが、学会関係者は、同じことが学会にもあてはまる、という意識を持つ必要があるでしょう。少子化の中で研究者の人口も相当な勢いで減っており、加えて若手研究者の海外学会志向の高まりもあって、小~中規模の専門学会には苦難の時代となりそうです。

多くの学会が将来構想委員会的なものを設置していますが、将来というのは5年先、ぐらいを指すことが多いようです。30年先ぐらいにどうなっていたいか、どうなっているか、そういうことを考えるマネジメントも必要だろうと感じます(これは大学も同じですが)。

2026/04/25

2026.4.25 計量国語学会理事会

表記に参加しました。

計量国語学会では、昨年度の財務体制の見直しを経て、新しい試みが芽吹きつつあります。論文賞、理事会内部の委員会制、合評会などなど。また、次年度をめざして、研究会制度の導入の議論も進んでいます。

少子化の時代、学会はどこも大変ですが、運営をスリム化し、それによって学術活動の中身を充実化しようとしているところは強いのではないかな、と感じています。逆に、運営面が肥大化し、会員のエフォートの大半が組織維持に消費され、肝心の学術活動の中身が細っているという場合は危ないのでは・・・という気もします。


おしらせ

計量国語学会第70 回大会(対面開催)

2026年9月12日(土) に日本大学文理学部で開催します。

 

2026/04/24

2026.4.24 外国語教育コンテンツ論コース第1回集団指導でゼミ生が発表

M1にとってはデビュー戦でしたが、各自、よく頑張ってくれました。


D3 飯島真之 高等学校英語教科書コーパスの構築とスタンス使用の予備調査

これまで既存の現代英語コーパスや学習者コーパスにおける英語スタンス表現に関する考察を実施してきたが、学習教材においても調査の余地がある。そこで、事前段階として、発表者が勤務校で使用している高等学校英語教科書をコーパス化し、その過程を報告する。

D3 廉沢奇 コーパス調査に基づく現代日本語におけるオノマトペの用法解明と日本語教育への応用

日本語のオノマトペが、実際のテキストにおいてどのように翻訳され、どのように対応づけられているのかを明らかにすることは、言語学的に興味深い課題である。本発表では、過去10年の直木賞受賞作を対象に、日本語原文と中国語訳によるパラレルコーパスを構築する計画と、その進捗について報告する。

M2 Fu Gang 母語話者コーパスにおける対比型連結副詞の使用傾向

COCAとBNSという両コーパスを用いて、12種の対比型連結副詞の使用頻度、英米の差や使用場面などの使用傾向を調査した発表です。


M1 原 里咲子 日本語日常会話コーパスに見る日本語終助詞「ね」の使用実態の解明-日本語指導の指針を探る-

日本語終助詞の「ね」は同感・共感・確認などの機能を有するが、日本語学習者にとってその習得は容易ではない。そこで本研究では、「ね」の効果的な指導法を探る前提として、日本語日常会話コーパスにおける「ね」の出現状況に関する基礎調査を実施する。

M1 李宏宇 現代日本語の書き言葉・話し言葉における「は」と「が」の使用実態に関する基礎調査ー中国人学習者に対する効果的な指導法を探るー

助詞を持たない中国語を母語とする日本語学習者にとって、日本語の助詞は習得が困難な学習項目の一つである。本発表では、このうち、とくに使い分けの指針があいまいな係助詞の「は」と格助詞の「が」に注目し、書き言葉コーパス(BCCWJ)と話し言葉コーパス(CEJC)を用いて両語の使用頻度・使用環境の差を調査する。

M1 古本杏奈 現代英語の多様なジャンルにおける動詞の位置づけに関する基礎調査-高等学校における効果的な英語動詞指導の在り方を探る-

高校における英語語彙指導においては、様々な構文の核となる動詞を適切に扱うことが重要となるが、動詞の位置づけがジャンル間でどのように変化するかについてはいまだはっきりしていない。そこで本研究では、指導要領が強調する「場面別」に対応できる英語力の涵養の方針に沿い、大規模コーパスを用いたジャンル別の動詞頻度調査を実施する


M研 蘇開勇 中国人学習者の有対自他動詞の使用実態の解明 ー横断・縦断コーパスの二元調査ー

横断的・縦断的コーパスを用いた二元的なアプローチにとって、中国語母語話者の日本語学習者による有対自他動詞の使用実態を探索してみる。 

2026/04/23

2026.4.23 兵庫県立長田高等学校探究講演会

表記で講演を行いました。

長田高校講堂


これまで、本格的な探究活動を開始する2年生の春に講演を行っていたのですが、今回からは入学したばかりの1年生の春に講演を入れることになりました。高校から始まった謎の科目、教科書もテストも正解もない、「探究」の意義と面白さを高校生のみなさんがつかんでくださったならうれしいです。

大昔、わたしがこの学校に入ったばかりの4月、同じ講堂で(改築されたので建物は違う)、生徒会の説明会があり、3年生の会長が、「新入生諸君、校内模擬試験の導入に反抗せよ、支配にあらがえ!」のような激烈なアジテーションを飛ばされ、私を含む1年生は、「なんかやばいところに来ちゃったな~、でも中学とはぜんぜん違うなあ~」という興奮がありました。40年たった今もなぜかそのシーンだけ覚えています。

かつての大先輩ほどアジテーターの才能はないのですが、「研究って、なんかおもろそう!」とおもってくださった後輩が1人でもいたなら、そしてこの280人の中から次世代の研究者(できれば言語学者 ^_^)がたくさん出てくれれば、こんなにうれしいことはありません。
 

2026/04/21

2026.4.21 大阪府立東高等学校探究講演会

表記におうがいしました。ここは英語科を設置しておられる高校で、英語での講演になります。

生徒さんは、地域の課題も意識しながら、テーマ探しをされておいでです。



講演スライドより

たとえば、コンポストをテーマにするのであれば、少し調べてみると、燻炭とピートモスの理想の混合比率について異なる記載があることに気づきます。このように見解にずれがあれば、そこが面白い研究の入り口となります。

10000人全員意見がそろっているものを研究にするのはけっこうむつかしいですが、意見が分かれているならそこに「何か」があるはずで、そこから研究が始まります。

このように考えてくると、研究マインドの基本は、差異に対する感受性、と言えるかもしれません。エコーチェンバー型社会で、差異と遭遇することが減っている時代、自分も含めて、小さな差異を敏感に感じ取れるセンスをしっかり磨きたいなと思います。

 

2026/04/15

2026.4.15 兵庫県立尼崎北高等学校探究講演会

仕事がら、いろいろな高校に出かけますが、尼崎北には初めてお伺いしました。

高校生のフレッシュな感覚をベースに、尼北から、 おもしろい探究がたくさん出てくることを期待しています。


同校ウェブサイトより
https://www2.hyogo-c.ed.jp/weblog2/amakita-hs/grade77-20260416/


2026/04/14

2026.4.14 兵庫県立豊岡高校講演会

表記で、2年生の方全員に、講演を行いました。


 熱心に聞いていただきました。豊高生のみなさんの探究の充実が大いに期待されます。

自宅から豊岡までの電車からは、春の美しい山の姿を楽しめました。



木々の種類ごとに異なる緑のグラデーションが美しいです。豊岡の校長先生から、こういう春の山を指して、俳句では「山笑う」と言うのだと教わりました。これを知ってしまうと、春の山を見るたびに笑っているようにしか見えなくなるのが面白いところです。



2026/04/01

2026.4.1 新年度がスタートしました

研究室から見えるキャンパスの桜。18歳の時に教養キャンパスで見た桜と(たぶん)同じ。

 


代悲白頭翁(劉廷芝)
洛陽城東桃李花/飛來飛去落誰家/洛陽女兒惜顔色/行逢落花長歎息/今年花落顔色改/明年花開復誰在/已見松柏摧爲薪/更聞桑田變成海/古人無復洛城東/今人還對落花風/年年歳歳花相似/歳歳年年人不同/寄言全盛紅顔子/應憐半死白頭翁/此翁白頭眞可憐/伊昔紅顔美少年/公子王孫芳樹下/淸歌妙舞落花前/光祿池臺開錦繡/將軍樓閣畫神仙/一朝臥病無相識/三春行樂在誰邊/宛轉蛾眉能幾時/須臾鶴髪亂如絲/但看古來歌舞地/惟有黄昏鳥雀悲


自由翻案訳(神大新入生のみなさんへVer.)

六甲に今年も桜が咲いた。花は咲いて、やがて散っていく。若者は「年はとりたくないね~」などと宣うが、まさにおっしゃる通り。来年はこの世にいない人だって多い。今は青々と茂っている樹木だって来年は切り倒されて粗大ごみで処分され、畑だって地球温暖化に伴う海面上昇で海になるかもしれない。春先になると桜が咲くのは今も昔も同じだが、昔の桜を見ていた人は、あたりまえだが、もうこの世にはいない。春が来ればいつもいつも花は咲くが、それを見る人はそのつど変わっていく。18歳、青春真っ盛りの神大新入生諸君、入学おめでとう。教室で教授を見て「おじ(い?)ちゃんだな~」とお思いかもしれないが、わたしだって、ほんの40年前は君らと同じ紅顔の神大新入生だったんだよ。新歓コンパで意識を失って先輩に介抱され(笑)、貴公子のような若さ溢れる友人たちといろいろ遊びもした。でも若き日なんてあっという間。六甲の少し先にある新開地を考えてみよう。かつては浅草と並ぶ日本最大の歓楽街で、東洋一の「神戸タワー」がそびえていたのだけれど、今では、夕方になると、静かにカラスが鳴いている。

※昔、高校の漢文の授業で読んだときはえらく辛気臭い詩だなあと思いましたが、今読んでみると、なんだか染み入りすぎて怖い気がします。あと数回、研究室から桜と新入生を見るたびに、この詩を思い出しそうな予感がします。




 

2026/01/23

2026.1.23 外国語教育論講座コロキアムⅡでゼミ生が発表

D2→D3への進級試験にあたる「コロキアムⅡ」で、ゼミ生2名が報告を行いました。


飯島真之さん

「コーパス言語学の手法を援用した現代英語のスタンス表出実態の解明と英語教育への応用:日本人英語学習者に向けた教材開発への示唆」



廉沢奇さん

「コーパス調査に基づく現代日本語におけるオノマトペの用法解明と日本語教育への応用」



 

2026/01/19

2026.1.19 兵庫県立尼崎稲園高等学校探究中間発表会講話

表記で生徒さんの発表を聴講し、コメントを行いました。

同校のHP。「セイカイよりセカイ」、いいですねえ。

探究や研究の肝は、聞き手の論理的な説得だと思います。たとえば、何らかの校則があるとして、アンケートで生徒の8割が変えてほしいと思っていることを示すだけでは、校則改正提案はなかなか大人には響かないでしょう。

なぜその校則があるのか、どんな理由と経緯があるのか、生徒だけでなく教師や保護者の意向はどうなのか、実際に廃止している他校の例はあるのか、廃止したことでどのようなメリット・デメリットがあったのか、メリットは十分に大きいのか、すべての生徒がそれで満足しているのか、デメリットを最小化する方法はあるのか、などなど、さまざまな証拠や事実を積み木のように1つ1つ積み上げていくプロセスが探究なのだろうと思います。

多くの高校を拝見して感じることですが、高校生の探究がなかなか深まらない背景には、Google Formの影響もありそうです。簡単にデータが取れてしまうので、ついつい、「とりあえずまず取ってしまおう」となりがちです。しかし、アンケートというのは実はとてもむつかしく、何をどのように聞くのか、その設問セットで真に知りたいことを聞けているのか、本調査に入る前に予備調査をすることも大事でしょう。

稲園探究は3月に向けてさらにパワーアップしていくとのことで、楽しみです!


 

2026/01/14

2026.1.14 文科省登録日本語教員養成機関・実践研修機関実査

表記の実地検査に本学が選ばれ、審査員と文科省の担当官が来学されました。

 

視察授業の教室

実査を受け入れる準備を行う中で、過去の資料の発掘や整理が進み、本学にとってもこれまでを振り返るありがたい機会となりました。

当日の説明資料


2026/01/10

2026.1.10 計量国語学会理事会に出席

表記の理事会(オンライン)に出席しました。

学会の執行部をどのように動かしていくかについては様々なやり方があります。計量国語学会の場合、新たな試みとして、理事会の中に業務委員会方式を導入してもうすぐ1年になりますが、これまでのどころ、うまく活動の活性化につながっているようです。

もっとも、学会のみならず、大学運営や部局運営も同じだと思うのですが、業務を切ることには、メリットがあると同時にデメリットもあり、この塩梅が難しいところだなと思います。

研究科で言えば、神戸大は、昔は自然系で一つ、人文系で一つだったのが、その後、専門ごとに小さく切り分けるようになって今に至っています。ただ、最近、他の有力大学では、細分化されすぎた諸研究科をふたたび大きく一つにまとめる方向に動いているところが多いようです。

この話は、組織の運営において、切るべきかまとめるべきか、結局正解はないのだということを示していそうです。


2026/01/07

2026.1.7 神戸大日本語教師養成サブコースランチョンセミナーに出席

表記に出席しました。詳細はこちら

当日はコミュニカ学院の内田校長先生の講話の後、ゼミ生の廉沢奇さんが11月に受験・合格された登録日本語教員応用試験 について報告してくれました。

セミナーで報告するD2廉沢奇さん