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2021/07/20

2021.7.20 兵庫県立長田高校人文数理探究類型最終発表会

表記に出席し,講話を行いました。



8つの提言というのは生徒さんの発表を聞いていて感じたことです。

1 言うべきことは全部言う   Say all of what you should say
★実験の前提,実験のやり方,質問紙調査なら具体的な質問文などを省略せず詳しく報告する。発表だけでやったことの全体像がきちんと伝わるようにする。

2 問題をクリアに示す   Clarify the problem
★解決すべき問題・課題を明確に示し,その解決への道筋を明確に示す。

3 客観的に議論できる問いを   Have good RQs
★客観的なデータに基づいて反論が可能な(Karl Popper)問いをたて,それを議論する。

4 AimとRQを前面に   More focus on Aim & RQ
★実験が先ではなく,Aim/RQを先に立て,その手段として実験を位置づける

5 「狭く深い」実験を   Depth rather than width
★たくさんのことを浅く調べるのではなく,絞り込まれた1つの観点を徹底的に詳しく調べる。

6 調査対象の選定根拠を  Show reasons for your choice
★なぜそれに注目したのか,なぜそれを観点としたのか,その根拠を示す。

7 分割して議論する  Analyze only one parameter at one time
★対象を塊で議論せず,構成要素に分解してからリサーチデザインを組む。

8 指標を疑う   Doubt on your indices
★使用している指標が真に測りたいものを測っているのか,内省的・批判的に考える。(たとえば,blinks---瞬目/まばたき数は,指標として何を計っているのか究極的には不明)

こうやって書き出してみると,毎週やっている大学院のゼミ指導(修士・博士)とまったく同じ内容であることに気づきます。高校生探究であれ,博士論文であれ,研究には一定の普遍的な道筋や作法があるのだと言えるでしょう。