このブログを検索

2021/07/13

2021.7.13 兵庫県立兵庫高等学校課題研究発表会を聴講・講話

兵庫高校では,教育課程の変更を先取りし,全生徒さん対象に,課題研究を行っておられます(数名のグループでSDGs+地元の問題を絡めたテーマを設定し,考究する)。
今日は,3年生の最後の成果発表となるポスター発表会を聴講し,講話を行いました。



どれも力作で楽しく拝聴しましたが,多くの報告を聞いていてふと1つのことを考えたので,講話の最後に触れました。

講話スライドのまとめより

各グループは,地元の問題を取り上げ,それぞれ面白い視点で分析しておられたのですが,肝心の解決部分は市役所や政府に任せるというものが目立ちました。最近の生徒さんの多くは「圧倒的に大きな政府」を国家観の理想としておられるようです。
 ポスター発表の場では,個々の生徒さんとフランクにやりとりをする機会もあったのですが,いろいろ突っ込んで聞いてみても,「たとえ税金があがっても,自分たちの生活の各局面(子育て,福祉,教育などなど)を政府にしっかり統制してほしい」という意見が大勢でした。
 これは高校生だけではなく,いまの若者の平均的な知的態度と言えるかもしれません。神戸大のわたしの一般教養の授業では,毎週,時事問題への賛否のエッセイを書かせているのですが,その回答から読み取れる大学生の知的態度もこれとほぼ完全に一致します。「若者は基本的に反体制で反権力」という図式は過去のものとなりました。コロナ禍で,政府の状況管理の巧拙が感染状況にクリアに影響することを日々見聞きする中,ある種の時代の空気感を感じなくもありません。