神戸大の教養教育院では、年度ごとに、担当部会を決めて、開講授業の1つを全学に公開し、評価委員の先生などが聴講して、後で検討会を行う、という仕組みがあります。
わたしは、かつて英語部会で授業を出したことがありますが、今年度は、データサイエンス部会教員としてデータを出しました。
神戸大学 大学教育推進機構/大学院国際文化学研究科外国語教育論講座/数理・データサイエンスセンター 石川慎一郎研究室の活動報告サイトです。 研究室トップページ http://language.sakura.ne.jp/s/
神戸大の教養教育院では、年度ごとに、担当部会を決めて、開講授業の1つを全学に公開し、評価委員の先生などが聴講して、後で検討会を行う、という仕組みがあります。
わたしは、かつて英語部会で授業を出したことがありますが、今年度は、データサイエンス部会教員としてデータを出しました。
昨年12月より準備を進めていた新しいコーパスが完成し、リリースを行いました。
小中高大生700名が、2つの絵描写課題を行って書いた作文を集めたものです。子供の作文コーパスで公開されているものはほとんどなく、その意味で、面白い研究資源になるのではないかと考えます。
L1の子どもの日本語(書き言葉)の発達研究のほか、迫田久美子氏が構築された日本語学習者コーパスI-JASと併用することで、L2との対照研究資料にも使用可能です。登録後、ダウンロードして分析したり、オンラインで検索することも可能です。ご興味があれば、こちらからどうぞ。
附属を抱える大学の教員として、いつかはやりたい研究でした。参加してくれた児童・生徒・学生の皆さんに感謝です!
伊丹高校の「サイエンス×探究」を指導されている理系の先生方(数・理)の講習会に参加し、研究指導についての講話をおこないました。
いささか単純化した議論ですが、
(A)高校生にすべて自由に任せる、結果的に、サイエンスとしては危ういものができあがる
(B)教師が介入し、細かく指導する。サイエンスとして妥当なものができあがる
という2つの方向があった場合、どちらを選ぶかは時に悩ましい判断です。私見では、高校の探究はリサーチのプロセスを一通りお試しで体験して、将来の本格的なサイエンス研究を行う「素地」を養うことが主眼なので、もしAとBが対立するなら、Bが優先されるべきと考えていますが、この点については正解はなく、学校の方針、地域の意向、先生方個人のお考え、生徒の意向、など、多くの要因で総合判断するしかないでしょう。
伊丹の生徒さんはいつも優秀なので、今年度もよい研究を仕上げてくれることを願っています。
表記のコース別説明会に出席しました(online)。
私のところには、コーパス志望の学生さんがお見えになりました。
一般論として、コーパス研究ではじめて研究をしてみようと思う場合は、ともかくも見様見真似でいいので、小さいコーパスで小さいテーマを調べてまとめてみる、ことが大事なような気がします。
そのことで、コーパスへの自身の向き、不向きもわかりますし、コーパス研究が見かけとは違って実際には地味で辛気臭いこともわかってきます。
昔に比べると、大学院レベルでもOCなどの催しが増えてきたことは総論としては良いことのように思います。学生にとってもいろいろな大学院のOCに参加し、先生方と意見交換していくなかで、ある種のfitness のようなものを感じ取れる機会になりますので。大学院は、「大学」を選ぶよりも、指導教員を選ぶという部分がありますので。。。
表記で集中講義を担当しました。
授業では、受講生の方が専門で使っておられるデータ(YNUコーパス)を使い、一緒に実習を行いました。私にとっても新たな発見があり、楽しい授業となりました。
依頼メール(学生が、教授に対して、研究で必要だから本を貸してくれるよう頼むメールを書く)において、母語話者学生データを基準とした場合の中韓学生の過少使用(母語話者なら言うのに学習者が言わない/言えない語)
(中国語母語学生)
・自分のやっている仕事をレポートと言わず、論文という
・いただければ、よろしければ、などを使わない
・学年(~年)を言わない
(韓国語母語学生)
・突然ですが。。。 と言わない
・学年(~年)を言わない
・いただければ、などを使わない
共通点と相違点があるのが面白いですね。
関大は、数年前に、駅前から大学を結ぶエスカレータを整備したのですが、これまでは、迷いそうで使用を避けていました。今年は思い切って使ってみましたが、なかなかに快適です。
こういうのって、キャンパス内の標高差が大きい神戸大なんかでもあると便利でしょうね。。。まあ、予算がないのでおよそ実現可能性はないですが。
附属小学校の先生方の研究プロジェクトを伺い、研究助言を行いました。
子どものやりとり、議論、会話etcの研究について考えるべきポイント
・会話には目的がある(親睦、意見シェア、一方的説得、共同でのアイデア創発など)
・目的ごとに、会話の「成功」の形は違い、評価も異なるべき
・会話の参与者は、話し手と聞き手に区別されるが、実際には両者はターンごとに入れ替わっている
・「良い話し手」はイメージしやすいが(主張を簡潔にわかりやすく伝えつつ、emotionalな要素を少し振り替えてうまく相手を説得するなど)、「良い聞き手」の定義は困難
・相手に気持ちよく話させる vs 時に耳に痛いことも伝えて相手の思考を高次に引き上げる -which is a good listner?
表記に参加しました。自分自身の理解がたりなかった競合モデルについて学びなおす良い機会となりました。
Wikipediaの「競合モデル」の解説
自分メモ
キーターム:合図(cue)、合図の比較、認知メカニズム、創発主義
石川の雑駁なまとめ(正確でないかも、です)
・言語理解には、何らかの言語的な手掛かりが必要
・手掛かりは、動作主の有生性、語順、格の標識など
・これらの各々の重要性は言語によって違う
・新しい言語を学ぶとは、L1で身に着けた手掛かりの取捨選択ルール(?)を、L2用にチューンナップする営み
・その際に鍵になるのがL2のインプットとの接触
・汎言語的な認知メカニズムを措定している+オンサイトのインプット重視、という点で、生得説と環境学習説のハイブリッド的性質を持つ