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2024/06/13

2024.6.13 出版準備会議

海外のジャーナルで日本語学習者コーパスの特集号を出す企画があり、その打ち合わせ会議(オンライン)に参加しました。 


このテーマですから、日本語学習者コーパスI-JAS(迫田2020)がやはり中核となります。I-JASは非常によくできたコーパスで、さまざまな研究上の可能性がありますが、なかでも、同一のプロンプトを用いて縦断データを集めたB-JASや、同じく同一のイラストプロンプトを用いて日本人の子どもの産出を集めたJASWRIC等が構築され、その可能性はさらに広がりを見せています。

私見ですが、米国のBrownコーパスのサンプリングフレームをモデルとして、LOB、Frown、FLOB、CLOB、CROWN・・・などが異なる開発者によって作られた(今で言うとオープンソース開発?)というのは、私にはこれからのコーパス構築の理想に見えます。I-JASを核としてそうした動きが始まっていることはうれしいことです。

2024/06/11

2024.6.11 国立国語研究所第273回NINJALサロンで研究発表

国立国語研究所第273回 NINJALサロン

「日本語学術論文の即時オープンアクセス実現に向けて」

開催期日 2024年6月11日 (火) 15:10~16:10

開催場所 オンライン (Web会議サービスの「Zoom」を使用)

発表者 横山 詔一 (国立国語研究所 名誉教授)、石川 慎一郎 (神戸大学 教授)、井田 浩之 (城西大学 助教)、相澤 正夫 (国立国語研究所 名誉教授) 


石川は所用のため、事前録画のビデオ参加となりました。

発表ビデオより


2024.6.11 神戸大学附属中等教育学校研究手法講演会

計量的手法の講演に呼ばれることは多いのですが、今回はまさかの質的研究法の講演の依頼です。私自身は質的研究者ではないのですが、かつて、混合研究法などに参加したこともあるので、高校生の方にもわかりやすいよう、質的研究の概要をお話しました。また、質・量いずれかに偏るのではなく両者を取り入れた混合研究法の相対的利点にも触れました。うまく意図が使わっているといいのですが。。。


講演スライドより



かなり誇張していますが、生徒さん、ほっておくと、安易な「質的研究」(という名のアンケートとインタビュー)に行ってしまうので、ちょっと厳しめに、警鐘も含めてお話した次第です。


3-6年生(中3~高3)の文系の方が聞いてくださいました(※画像処理済み)


附属中等教育学校ウェブサイトよりイベントの報告







 

2024/06/08

2024.6.8 日英言語文化学会理事会・大会に参加(オンライン)

表記に参加しました。

日英言語文化学会2024年度大会

日時:2024 年 6 月 8 日(土)13:00-17:00
場所:成蹊大学(3 号館 3-501 教室)およびオンライン(Zoom)のハイブリッド

主な内容

基調講演:「生成AI時代に英語教育が果たすべき役割-異文化理解に生成AIは役立つのか?」
講師:金丸 敏幸(京都大学准教授)

ミニ講演:「さまざまなテキストで生成AI・オンライン翻訳サイトの翻訳力を考える」
講師:小川 貴宏(成蹊大学教授・本学会会長)

名誉会長講演:「日英のことばと文化(1)ー雨と傘について」
講師:奥津 文夫(和洋女子大学名誉教授・本学会名誉会長)


この学会に参加する楽しみの一つは「奥津節」を味わえることです。今回も期待にたがわず、6月の梅雨を切り口として、日英の言語表現のさまざまな面白さをご教示いただきました。

なお、今後大量の研究者が定年を迎えていく中、そうした方々の研究や思想を継承していくための安定的な学術交流の場の構築が不可欠になるでしょう。その場合のプラットフォームとして、「学会」という形がよいのか、あるいはそれ以外の形態が可能なのか(サロンのような?)、いろいろと考えさせられます。

2024/06/04

2024.6.4 早稲田大学原田教授授業でゲストスピーカー講演

早稲田大学法学部の原田康成先生の英語学の講義のゲストスピーカーとして講話を行いました。

講演スライドより

原田先生には、様々な学会でお世話になっており、海外学会でばったりお目にかかったことも何度かあります。早稲田の若い学生さんに、当研究室の研究を紹介する貴重な機会を与えていただき、感謝しております。



2024/06/03

2024.6.3 文化審議会第87回国語分科会に出席

2024年度より文化審議会委員を拝命しています(第24期委員名簿はこちら)。本日は、国語分科会の第1回会議に出席いたしました(オンライン)。

議事
(1)文化審議会国語分科会長の選出について
(2)文化審議会国語分科会運営規則等について
(3)今後の主な審議事項について 


国語分科会には、外来語小委員会と言語資源小委員会があり、石川は後者に所属することとなりました。会議の詳細や会議資料はこちらで公開されております。

2024/06/01

2024/6/29 【予告】神戸大・北京外大日本語研究フォーラム2024

石川研究室では、下記のイベントを行います。参加希望者は、事前登録の上、ご参加ください。先生方はもちろん、院生・学部生の皆さんの聴講も歓迎します。

◎プログラム https://language.sakura.ne.jp/icnale/lcsaw/kb2024.pdf 

◎事前登録(参加費無料、先着順)https://forms.office.com/r/QEVBBeWt2d 


ごあいさつ

 神戸大学石川研究室では、北京外国語大学日本学研究センターのご協力のもと、表記の研究会をオンラインで開催いたします。当日は、北京外国語大学大学院および神戸大学大学院で日本語学や日本語教育学を専攻している 10 名の大学院生が研究発表(中間発表を含む)を行います。多くはコーパスを用いた研究です。また、北京外国語大学の陳冬姝先生によるご講演も予定しています。
 ご多用中とは存じますが、ご関心のある皆様のご参観をお待ちしています。なお、この企画は、JSPS 科学研究費(23H00641)の援助を受けています。

 
                  ― 記 ―

日時: 2024 年 6 月 29 日(土) 1020~1600
媒体: Zoom
参加方法: 参加費無料。参加希望者は事前登録必要。先着順。
主催:神戸大学国際文化学研究科 石川慎一郎研究室
共催:北京外国語大学日本学研究センター 費暁東研究室・陳冬姝研究室
共催(後援):神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート Promis
問い合わせ先:神戸大学石川慎一郎研究室 神戸市灘区鶴甲 1-2-1 iskwshin@gmail.com


神戸大「うりぼう」vs 北京(動物園?)のパンダくんの対決@石川研究室内


〇発表&講演リスト(※概要はプログラムでご確認ください)

陳墨林(北京外国語大院M) 職場における活用語命令形の使用傾向-CEJC を用いて

陳迪(神戸大院D)「継続する支援」「継続の必要性」「継続的(な)成長」―漢語動名詞の連体節内使用時の後接要素の種類の選択要因を探る―

楊子琛(北京外国語大院M) 「XはXでP」から「XばX(た)でP」へ ―日本語におけるトートロジーに関する一考察―

魏婧云(神戸大院M) 中国語母語の日本語学習者による「A(っ)Bり」型オノマトペの使用実態―日本語母語話者との比較から―

楊言飛(北京外国語大院M)  中国語と日本語における婚姻のメタファーの対照研究

牟虹妮(神戸大院M) 中国語母語の日本語学習者による「と+動詞」の使用実態―JNS /CLJ差に注目してー

林暁雯(北京外国語大院M) 敬語研究の現状と今後の課題の日中比較——計量テキストの分析による一考察

陳俊彬(北京外国語大院/神戸大院M) 話し言葉における中国人日本語学習者によるアスペクト標識「ている」の使用実態 -I-JASとB-JASの統合分析の視点から-

陳妙清(北京外国語大院M) 中国高校における日本語派遣教師のアイデンティティ構築のマルチケーススタディ

廉沢奇(神戸大院D) 日本語オノマトベの形態パタンと具現形は何種類存在するのか?-BCCWJおよびCEJCデータを用いた網羅的分析-

講演1 石川慎一郎(神戸大教授)日本語学習者コーパスに基づく第2言語習得研究の可能性と留意点

講演2 陳冬姝先生(北京外国語大講師) 日本語の外交ディスコースの協調性と対立性