このブログを検索

2017/06/30

2017.6.30 大学院外国語教育コンテンツ論コース 第2回集団指導

ゼミ生のうち,D1張晶鑫さん,M2中西淳君が発表しました。

張晶鑫(D1)「オノマトペサ変動詞の活用の多様性―一般動詞との比較から―」
概要:オノマトペサ変動詞は活用の点において制約が多く、その動詞性は必ずしも高くな
いように思われる。本研究は日本語教育の観点から、一般動詞と比較しながらオノマトペ
サ変動詞の全体の持つ活用傾向と、個々の重要オノマトペサ変動詞がもつ特有の活用パタ
ンを明らかにし、オノマトペサ変動詞の記述の精緻化を目指す。


中西淳(M2)「日本人英語学習者の前置詞使用傾向―主要品詞の使用割合に注目して―」
概要:日本人英語学習者の前置詞使用パタンを特定するため、品詞全体に占める使用割合
に注目して調査した。



2017.6.30 兵庫県尼崎市立小田北中学校教員研修会

表記において,数学科の授業を聴講し,アクティブラーニング導入に向けた講話を行いました。

当日の授業は「佐々立て」という和算を素材にし,答えを出す方法を班ごとに生徒に考えさせるというもので,さまざまな解法を比較し,その良し悪しを議論し,数学的な方程式の意義の理解につなげるよう工夫が凝らされていました。

昨年度より,尼崎市教委との関係が始まり,本年度は市内4つの中学校で年間を通して継続的に関わり,各校のAL支援のお手伝いをする予定です。

※同校HPの紹介文より

2017/06/27

2017.6.27 兵庫県立津名高等学校インスパイア―事業特別講演

ここ数年継続して関わっている淡路島の津名高校で,生徒さんによる地域問題解決プレゼンを聴講し,指導講演を行いました。講演では,

1)解決を見つける前に,適切な問題をうまく選び,それを徹底的に分析すること(※問題解決に先立つ問題発見と問題分析の重要性)
2)問題を自分のリアルとつなげること(※「ごっこ」にならないこと)
3)提案そのものの価値を極限まで引き上げること

などについて助言させていただきました。高校生の若い力というのはすばらしいもので,次回以降の「大化け」が楽しみです。

津名高校のブログより



2017/06/21

2017.6.21 学内ピアレビューでの授業公開

神戸大学国際教養教育院「平成29年度前期ピアレビュー(授業参観)」

表記において共通教育英語科目(English Communication)の授業公開を行い,学内の評価・FD委員会の先生方の視察を受けました。あわせて,6/19(月)および本日の2つの授業を研究室主催の授業公開とし,本学附属中等教育学校の先生方,および,大学院国際文化学研究科で石川が担当している応用言語学クラスの受講生に公開しました。

本時の授業は以下の流れで行いました。


見学者が大勢入りましたが,学生諸君は,いつも通り,落ち着いて,良い学びをしてくれたように思います。


2017/06/18

2017.6.18 大学英語教育学会社員総会・理事会参加

旺文社会議室(@神楽坂)で開催された表記の会に参加しました。

はじめに,社員総会があり,次期事業年度の人事が承認されました。石川は,支部選出理事として,JACET賞運営委員会業務を分掌することとなりました。

初仕事は8月の国際大会での各賞授与となります。JACETでは,長年国際交流の仕事をしてきましたが,新しい仕事についても早く覚えてこなせるようになりたいと思います。

2017/06/17

2017.6.17 大学英語教育学会関西支部大会参加


表記に参加し,以下の発表・講演を聴講しました。

(研究発表)
仁科 恭徳/ NISHINA, Yasunori(神戸学院大学/ Kobe Gakuin University)
ビルボード・コーパスを用いた現代ポップ・ソングの特徴に関して
A Corpus-linguistic View on Pop Songs Based on Billboard Corpus

中西 淳/ NAKANISHI, Atsushi(神戸大学大学院生/ Graduate Student, Kobe University)
縦断的学習者コーパスにみる英語主要品詞の出現パタンの変化
Changes in the Frequency Pattern of Major Parts of Speech Found in Longitudinal Learners Corpus

林 智昭/ HAYASHI, Tomoaki(近畿大学/ Kindai University)
発音から文法へ:言語教育における体系性
From Pronunciation to Grammar: Systematicity in Language Education

(講演)
佐々木 みゆき/ SASAKI, Miyuki(名古屋市立大学/ Nagoya City University)
第二言語ライティング研究最前線:長期的観察に見られるパタンと個人差
Recent Trends in Second Language Writing Research: Systematicity and Individuality in Two Developmental Studies

 ゼミ生でもある中西さんの発表は,よく準備されたもので,無事,JACETデビューを終えることができたのではと思います。
 佐々木先生のご講演では,先生の最新の研究の概要が紹介され,大変刺激的でした。先生は,小魚の群れが,中には数匹違う方向に向かうものがあるものの,全体としては同じ方向に進んでいく様子を示したビデオを上演され,学習者の群としての振る舞いと個の振る舞いの関係を同時にモデル化する必要性を提言されました。当研究室のICNALEプロジェクトもまさに同様の方向性を狙ったものであったことに,ご講演を通して,改めて気づかされました。

2017/06/15

2017.6.15 麗澤大学学習者コーパス研究会参加

表記の研究会に参加しました。

Reitaku University Linguistic Research Center (LinC) Workshop
"Theory and Practice in Learner Corpora Studies"

Date: 15:00-16:30, June 15. 2017
Venue: Seminar Room 1a (2nd Floor, Lifelong Education Plaza Building (生涯教育プラザ棟), Reitaku University)

Program:
Andrew N. Struc (Associate Professor, Reitaku University) "Learner Corpus Studies Investigating Crosslinguistic Transfer of Loanwords"

Dr. Jarmo H. Jantunen (Professor, University of Jyväskylä, Finland) "ICLFI Corpus and Annotation of Morphologically Rich Learner Language"

Shoju Chiba (Professor, Reitaku University) "Developing a Learner Corpus of Japanese Learners of Finnish: a Prospectus"

Struc先生は,麗澤大学で構築している日本人学生の英作文コーパス(descriptive+argumentative。一部,同一学生の経年データを含む)を用い,外来語となっている英単語の使用状況を調べた結果,スペルミス(*conbinience)や用法ミス(*go to shopping)が多かったというご報告でした。

Jantunen先生は,フィンランド語学習者による様々なテキストタイプの作文を集めたICLFIを分析し,キーワード,キータグなどを調べ,とくに習熟度マーカーとなるものを探した結果を報告されました。初級者は名詞や動詞基本形の多用によって,上級者は所有格や受動態の使用によって特徴づけられるという結果は英語学習者の場合とも同等で教務深くうかがいました。また,キーワードを,1)トピック関連キーワード,2)ジャンル関連キーワード,3)学習者作文キーワードに区分する立場を示しておられましたが,これは参考になる枠組みです。

Chiba先生は日本人のフィンランド語学習者作文(50本程度)を集め,4段階の言語学的なタグ(morphological/ syntactic/ pragmatic/ semantic)を付与するプロジェクトについて報告されました。small but richは,学習者コーパスが目指すべき1つの方向であり,大変興味深く伺った次第です。


石川研究室で構築中のICNALEとの関係で言うと,エラータグのフレームワークの立て方,スペルミスのコーディング,言語学的な解析情報付与などの点で参考になる部分が多い研究会でした。