表記に参加し,講話を行いました。
中学校では2019年度から「特別の教科」としての「道徳」(道徳科)がスタートしました。
一般に,「教科」には,(1)免許,(2)教科書,(3)評価の3点セットが伴います。今回,道徳は(2)と(3)をクリアしたわけですが,(a)道徳免許というものは(現状では)ない,(b)道徳は教科内だけでなくすべての教科・課外活動を通じて総合的に教えるべきものである,(c)中学校においても担任が指導する,といった点で他の教科とは異なる特殊な位置づけにあるため,もって,「特別の教科」という位置づけが与えられました。
新しい道徳のあるべき姿を考える場合,今回の道徳教育の改革がいじめ問題への対策として始まったことは,覚えておかなければなりません。
私見では,カギは「自分事としてとらえる」点にあると思います。
その際重要になるのが多面的な意見の葛藤の中から自分の意見を選び取るという体験です。
たとえば,道徳の教材や教師から「いじめはダメ」という価値観を押し付けられた生徒が,そうした見解をオウム返しにして「いじめはしない」と感想文に書いたとしても,その意見は真の意味で自分事になっていない可能性があります。
むしろ,「いじめ」に関するさまざまな立場・意見に触れ,ひとりひとりの生徒が真剣に悩み,教師や友人や家族と対話を重ねることで,自分の意見を練り上げ,最終的に「いじめはしない」という意見を<自らの覚悟で選び取る>ことこそが,意識の変容につながり,ひいては,行動の変容につながるのだろうと思います。
私の理解では,新しい道徳が最終的に目指すところは,意見を選ぶ機会と権利を生徒に与え,あわせて,選ぶことの責任を負わせるというところにあるのではないかと。これは民主主義の本来の姿です。
この意味で,「考え,対話する道徳」の新しい展開は,高等教育を含めた日本の教育の改革に大きなインパクトを持ちます。
神戸大学 大学教育推進機構/大学院国際文化学研究科外国語教育論講座/数理・データサイエンスセンター 石川慎一郎研究室の活動報告サイトです。 研究室トップページ http://language.sakura.ne.jp/s/
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2019/09/19
2019/09/17
2019.9.17 神戸大学附属中等教育学校SGH評価委員会出席
表記に出席しました。
この数年,いくつかのSGH(スーパーグローバルハイスクール)の運営に関わってきましたが,中でも,神戸大附属中等の取り組みは非常に意欲的で大きな成果をあげたものの1つであると言えます。
しかし,同校のSGHも最終年度を迎え,今後,財政支援がなくなる中で,これまでの成果をどう残し,来年度以降の教育の実践につなげていくかは大きな課題です。これからの中等のさらなる取り組みの発展に期待したいと思います。
この数年,いくつかのSGH(スーパーグローバルハイスクール)の運営に関わってきましたが,中でも,神戸大附属中等の取り組みは非常に意欲的で大きな成果をあげたものの1つであると言えます。
しかし,同校のSGHも最終年度を迎え,今後,財政支援がなくなる中で,これまでの成果をどう残し,来年度以降の教育の実践につなげていくかは大きな課題です。これからの中等のさらなる取り組みの発展に期待したいと思います。
2019/09/16
2019.9.16 学習者コーパス研究会@広島大学東京田町キャンパス
下記に参加しました。
(1) 学習者コーパス研究会(9月例会)
日時:9月16日(月)10:30~12:30
場所:東京工大CIC(キャンパスイノベーションセンター)内
広島大学東京オフィス 408号室
研究発表
「日本語学習者の能動態と受動態の使用傾向にみられる母語による違い-中国語とドイツ語での語りの比較から-」
奥野由紀子(首都大学東京人文科学研究科)
「日本語学習者のストーリー描写における名詞修飾の使用実態―母語の類型論的特徴に着目して―」
徐乃馨 (首都大学東京人文科学研究科大学院生)
(2) 学習者コーパスハンドブック編集会議
日時:9月16日(月)13:00~16:30
場所:東京工大CIC(キャンパスイノベーションセンター)内
広島大学東京オフィス 408号室
(1) 学習者コーパス研究会(9月例会)
日時:9月16日(月)10:30~12:30
場所:東京工大CIC(キャンパスイノベーションセンター)内
広島大学東京オフィス 408号室
研究発表
「日本語学習者の能動態と受動態の使用傾向にみられる母語による違い-中国語とドイツ語での語りの比較から-」
奥野由紀子(首都大学東京人文科学研究科)
「日本語学習者のストーリー描写における名詞修飾の使用実態―母語の類型論的特徴に着目して―」
徐乃馨 (首都大学東京人文科学研究科大学院生)
(2) 学習者コーパスハンドブック編集会議
日時:9月16日(月)13:00~16:30
場所:東京工大CIC(キャンパスイノベーションセンター)内
広島大学東京オフィス 408号室
2019/09/14
2019.9.14 JACET東アジア英語教育研究会200回記念例会参加@西南学院大学
下記に参加しました。
東アジア英語教育研究会第200回記念大会
日時:2019年9月14日(土)14:00-17:35
会場:西南学院大学3号館403教室
プログラム (Program)
1.開会式 (Opening Ceremony)(15分)14:00-14:15
総合司会:志水 俊広(九州大学)
開会挨拶:原 隆幸(鹿児島大学)
挨拶及び祝辞:
1) 研究会代表:木下 正義(元福岡国際大学)
2) JACET会長:寺内 一(高千穂大学)祝辞代読
3) JACET 九州・沖縄支部長:石井 和仁(福岡大学)
4) 前JACET副会長:山内 ひさ子(元長崎県立大学シーボルト校)
休憩 (Break)(5分)14:15-14:20
2.特別講演 (Featured Lecture)(20分)14:20-14:40
「東アジア英語教育研究会の過去、現在及び将来」
東アジア英語教育研究会代表 木下 正義先生
3.Symposium 15:00-17:30
Title: Current Situation in ELES in Japan, Korea, and Taiwan: Teacher Training
and Future Prospects
Coordinator: Akihiko Higuchi (Miyazaki International College)
Invited speakers:
Mae-Ran Park(Pukyong National University, Republic of Korea)
Jenny Chen(National Taipei University of Education, Taiwan)
Noriko Kawakami (Kagoshima Immaculate Heart University, Japan)
韓国と台湾における小学校英語をめぐる政策的変化や,現場の対応についての報告は非常に勉強になるものでした。日本を含め,どの国においても,英語教育は時の政治に大きく影響されます。
東アジア英語教育研究会第200回記念大会
日時:2019年9月14日(土)14:00-17:35
会場:西南学院大学3号館403教室
プログラム (Program)
1.開会式 (Opening Ceremony)(15分)14:00-14:15
総合司会:志水 俊広(九州大学)
開会挨拶:原 隆幸(鹿児島大学)
挨拶及び祝辞:
1) 研究会代表:木下 正義(元福岡国際大学)
2) JACET会長:寺内 一(高千穂大学)祝辞代読
3) JACET 九州・沖縄支部長:石井 和仁(福岡大学)
4) 前JACET副会長:山内 ひさ子(元長崎県立大学シーボルト校)
休憩 (Break)(5分)14:15-14:20
2.特別講演 (Featured Lecture)(20分)14:20-14:40
「東アジア英語教育研究会の過去、現在及び将来」
東アジア英語教育研究会代表 木下 正義先生
3.Symposium 15:00-17:30
Title: Current Situation in ELES in Japan, Korea, and Taiwan: Teacher Training
and Future Prospects
Coordinator: Akihiko Higuchi (Miyazaki International College)
Invited speakers:
Mae-Ran Park(Pukyong National University, Republic of Korea)
Jenny Chen(National Taipei University of Education, Taiwan)
Noriko Kawakami (Kagoshima Immaculate Heart University, Japan)
韓国と台湾における小学校英語をめぐる政策的変化や,現場の対応についての報告は非常に勉強になるものでした。日本を含め,どの国においても,英語教育は時の政治に大きく影響されます。
2019/09/10
2019.9.10 TOEICセミナー@大阪グランフロント
下記に参加しました。
2019年度 TOEIC® セミナー
学生の将来を後押しする大学の取り組み
~ 社会のニーズから考えるTOEIC Programの活用 ~
主催 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
後援 米国大使館、大阪商工会議所、公益社団法人 関西経済連合会、グローバル人材活用運営協議会
プログラム内容
13:50 基調講演 日本電産株式会社
「日本電産グループが求めるグローバル人材とは」
人事部長 平田 智子 氏
「TOEIC L&Rの可能性と限界を探る」
文学部長(外国語学部長就任予定者) 伊藤 彰浩 氏
「リベラルアーツカレッジにおける共通英語教育改革」
共通英語教育研究センター センター長 川越 栄子 氏
「情報理工学部における英語教育プログラム」
情報理工学部 教授 杉野 直樹 氏
3つの大学とも,工夫された英語教育を実施しておられ,大いに触発されました。また,どの大学も,TOEIC一辺倒にならないよう,外部試験を「賢く」使っておられることが印象的でした。
2019年度 TOEIC® セミナー
学生の将来を後押しする大学の取り組み
~ 社会のニーズから考えるTOEIC Programの活用 ~
主催 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
後援 米国大使館、大阪商工会議所、公益社団法人 関西経済連合会、グローバル人材活用運営協議会
プログラム内容
13:50 基調講演 日本電産株式会社
「日本電産グループが求めるグローバル人材とは」
人事部長 平田 智子 氏
「TOEIC L&Rの可能性と限界を探る」
文学部長(外国語学部長就任予定者) 伊藤 彰浩 氏
「リベラルアーツカレッジにおける共通英語教育改革」
共通英語教育研究センター センター長 川越 栄子 氏
「情報理工学部における英語教育プログラム」
情報理工学部 教授 杉野 直樹 氏
3つの大学とも,工夫された英語教育を実施しておられ,大いに触発されました。また,どの大学も,TOEIC一辺倒にならないよう,外部試験を「賢く」使っておられることが印象的でした。
2019/09/04
2019.9.4 兵庫県立宝塚高等学校特別講義
宝塚高校で,特別講義を行いました。
講義は英語で行い,プレゼンテーションの根底にある<問題を探す><問題を発見する><解決策を作る>という知的な営みをどのように展開していけばよいのかについて解説しました。
宝塚の生徒さんは,こうしたことを考えるのは初めてということでしたが,どの生徒さんも大変意欲的で,今後の成長が楽しみです。
講義は英語で行い,プレゼンテーションの根底にある<問題を探す><問題を発見する><解決策を作る>という知的な営みをどのように展開していけばよいのかについて解説しました。
宝塚の生徒さんは,こうしたことを考えるのは初めてということでしたが,どの生徒さんも大変意欲的で,今後の成長が楽しみです。
2019/09/03
2019.9.3 神戸大附属小学校英語カリキュラム会議
同校で実施されたカリキュラム開発会議に出席しました。
現在,附小に限らず,いくつかの小学校で,外国語活動の支援事業を行っていますが,新指導要領の下で小学校英語を推進する校内体制をどう作るかは,どの学校にとっても悩ましい課題です。
一般論ですが,仮に専科を置いた場合,次の3つの体制が考えられます。
(A)3~6年生すべて専科が担当
〇 系統的指導がしやすく,英語の知識や能力の高い教員の指導を受けやすくなる
× すべてを1人でやることになりがちで,他教科で行われているような授業案の相互検討や教科会議でのカリキュラム改善などがなされにくい
(B)中学年は専科が,高学年は担任が担当
〇 教科書がなく教えにくい中学年を専科教員が,教科書・指導書があって(相対的に)教えやすい高学年を担任が担当することで学校全体の指導負担を下げる
× 高学年児童が専門知識を持った専科教員の指導・評価を受けられなくなる
(C)中学年は担任が,高学年は専科が担当
〇 高学年児童が専門知識を持った専科教員の指導・評価を受けやすくなる
× 教科書がなく教えにくい中学年を担任が担当することで,担任の負担が拡大する
このあたり,どの体制にも長所・短所があり,学校の実態や子供の実態を見据えた議論を進めていく必要がありそうです。
現在,附小に限らず,いくつかの小学校で,外国語活動の支援事業を行っていますが,新指導要領の下で小学校英語を推進する校内体制をどう作るかは,どの学校にとっても悩ましい課題です。
一般論ですが,仮に専科を置いた場合,次の3つの体制が考えられます。
(A)3~6年生すべて専科が担当
〇 系統的指導がしやすく,英語の知識や能力の高い教員の指導を受けやすくなる
× すべてを1人でやることになりがちで,他教科で行われているような授業案の相互検討や教科会議でのカリキュラム改善などがなされにくい
(B)中学年は専科が,高学年は担任が担当
〇 教科書がなく教えにくい中学年を専科教員が,教科書・指導書があって(相対的に)教えやすい高学年を担任が担当することで学校全体の指導負担を下げる
× 高学年児童が専門知識を持った専科教員の指導・評価を受けられなくなる
(C)中学年は担任が,高学年は専科が担当
〇 高学年児童が専門知識を持った専科教員の指導・評価を受けやすくなる
× 教科書がなく教えにくい中学年を担任が担当することで,担任の負担が拡大する
このあたり,どの体制にも長所・短所があり,学校の実態や子供の実態を見据えた議論を進めていく必要がありそうです。
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