下記に参加しました。
2019年度 TOEIC® セミナー
学生の将来を後押しする大学の取り組み
~ 社会のニーズから考えるTOEIC Programの活用 ~
主催 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
後援 米国大使館、大阪商工会議所、公益社団法人 関西経済連合会、グローバル人材活用運営協議会
プログラム内容
13:50 基調講演 日本電産株式会社
「日本電産グループが求めるグローバル人材とは」
人事部長 平田 智子 氏
「TOEIC L&Rの可能性と限界を探る」
文学部長(外国語学部長就任予定者) 伊藤 彰浩 氏
「リベラルアーツカレッジにおける共通英語教育改革」
共通英語教育研究センター センター長 川越 栄子 氏
「情報理工学部における英語教育プログラム」
情報理工学部 教授 杉野 直樹 氏
3つの大学とも,工夫された英語教育を実施しておられ,大いに触発されました。また,どの大学も,TOEIC一辺倒にならないよう,外部試験を「賢く」使っておられることが印象的でした。
神戸大学 大学教育推進機構/大学院国際文化学研究科外国語教育論講座/数理・データサイエンスセンター 石川慎一郎研究室の活動報告サイトです。 研究室トップページ http://language.sakura.ne.jp/s/
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2019/09/10
2019/09/04
2019.9.4 兵庫県立宝塚高等学校特別講義
宝塚高校で,特別講義を行いました。
講義は英語で行い,プレゼンテーションの根底にある<問題を探す><問題を発見する><解決策を作る>という知的な営みをどのように展開していけばよいのかについて解説しました。
宝塚の生徒さんは,こうしたことを考えるのは初めてということでしたが,どの生徒さんも大変意欲的で,今後の成長が楽しみです。
講義は英語で行い,プレゼンテーションの根底にある<問題を探す><問題を発見する><解決策を作る>という知的な営みをどのように展開していけばよいのかについて解説しました。
宝塚の生徒さんは,こうしたことを考えるのは初めてということでしたが,どの生徒さんも大変意欲的で,今後の成長が楽しみです。
2019/09/03
2019.9.3 神戸大附属小学校英語カリキュラム会議
同校で実施されたカリキュラム開発会議に出席しました。
現在,附小に限らず,いくつかの小学校で,外国語活動の支援事業を行っていますが,新指導要領の下で小学校英語を推進する校内体制をどう作るかは,どの学校にとっても悩ましい課題です。
一般論ですが,仮に専科を置いた場合,次の3つの体制が考えられます。
(A)3~6年生すべて専科が担当
〇 系統的指導がしやすく,英語の知識や能力の高い教員の指導を受けやすくなる
× すべてを1人でやることになりがちで,他教科で行われているような授業案の相互検討や教科会議でのカリキュラム改善などがなされにくい
(B)中学年は専科が,高学年は担任が担当
〇 教科書がなく教えにくい中学年を専科教員が,教科書・指導書があって(相対的に)教えやすい高学年を担任が担当することで学校全体の指導負担を下げる
× 高学年児童が専門知識を持った専科教員の指導・評価を受けられなくなる
(C)中学年は担任が,高学年は専科が担当
〇 高学年児童が専門知識を持った専科教員の指導・評価を受けやすくなる
× 教科書がなく教えにくい中学年を担任が担当することで,担任の負担が拡大する
このあたり,どの体制にも長所・短所があり,学校の実態や子供の実態を見据えた議論を進めていく必要がありそうです。
現在,附小に限らず,いくつかの小学校で,外国語活動の支援事業を行っていますが,新指導要領の下で小学校英語を推進する校内体制をどう作るかは,どの学校にとっても悩ましい課題です。
一般論ですが,仮に専科を置いた場合,次の3つの体制が考えられます。
(A)3~6年生すべて専科が担当
〇 系統的指導がしやすく,英語の知識や能力の高い教員の指導を受けやすくなる
× すべてを1人でやることになりがちで,他教科で行われているような授業案の相互検討や教科会議でのカリキュラム改善などがなされにくい
(B)中学年は専科が,高学年は担任が担当
〇 教科書がなく教えにくい中学年を専科教員が,教科書・指導書があって(相対的に)教えやすい高学年を担任が担当することで学校全体の指導負担を下げる
× 高学年児童が専門知識を持った専科教員の指導・評価を受けられなくなる
(C)中学年は担任が,高学年は専科が担当
〇 高学年児童が専門知識を持った専科教員の指導・評価を受けやすくなる
× 教科書がなく教えにくい中学年を担任が担当することで,担任の負担が拡大する
このあたり,どの体制にも長所・短所があり,学校の実態や子供の実態を見据えた議論を進めていく必要がありそうです。
2019/08/30
2019.8.28-30 JACET 58th International Conference (Nagoya)で研究発表
上記に参加し,2つのシンポジウムで発表を行いました。
8/28 公募シンポジウム
The JACET Wordlist: The Next Step
Shin'ichiro ISHIKAWA (Kobe U.)
Naoki SUGIMORI (Ritsumeikan U.)
Toshihiko UEMURA (U. of Nagasaki, Siebold)
8/28 公募シンポジウム
The JACET Wordlist: The Next Step
Shin'ichiro ISHIKAWA (Kobe U.)
Naoki SUGIMORI (Ritsumeikan U.)
Toshihiko UEMURA (U. of Nagasaki, Siebold)
石川は,昨年執筆した2本の論文をベースとして,JACET8000の改訂の歴史や,JACETのこだわってきた「日本人学習者のための語彙」の実相,また,今後の改訂の方向性について報告を行いました。
JACET語彙表の歴史(発表スライドより)
JACET8000シンポ風景
JACET語彙表は,初版から数えて40年近い歴史を持っています。石川はV4からの参画ですが,初めてこの仕事をやるようになってすでに20年近くになります。村田先生・金田先生・望月先生らから受け継いできたこの仕事を次の世代の方に受け渡す必要性を強く感じています。
8/29 中部支部企画シンポジム(招聘)
Deep Learning vs. Deep Active Learning: New Approaches to English Education in a Changing Society
はじめに,豊橋技術科学大学の井佐原均先生が,Deep Learningを中心とする最近の自動翻訳の現状などを報告されました。石川は,その後を受け,人間の語学教師がやれること/やるべきこととして,deep active learningを中核とした大学の英語授業デザインについてお話しました。
2019/08/26
2019.8.21-26 関西大学集中講義
関西大学外国語教育研究科(博士後期)で「コーパス言語学」の集中講義をおこないました。関大は,日本の外国語教育研究のメッカであり,学生さんもみな優秀で,楽しく講義させていただきました。
学生のみなさん,4日間お疲れ様でした。各位の研究の発展を祈ります!
関大正門前のモニュメント
学生のみなさん,4日間お疲れ様でした。各位の研究の発展を祈ります!
2019/08/17
2019.8.17-18 全国英語教育学会弘前研究大会で研究発表
全国英語教育学会で研究発表を行いました。
2019/08/17(土)午後3:15-3:40 Room 404
Shin ISHIKAWA
"Japanese learners’ grammar control in L2 English writing and two modes of speaking ―A comparison with learners in Taiwan, Thailand, and Indonesia―"
本発表では,ICNALEのインタビューデータと作文データを用い,文法エラー数が各国学習者間でどう変化するのかを実証的に調査しました。
最近,メディア等では,「コミュニカティブ英語指導」の負の影響で,日本人学生の文法力が落ちているのではないか,といったことがしばしば指摘されています。そこで,タスク内容・英語習熟度を統制した上で,日本人学生の発話・作文をアジア圏の他国の学生の発話・作文と比較しました。その結果,日本人の文法誤用数は,他と比べ,とくに多いとは言えない(発話では比較した国の中では最も少ない)ことが計量的に示されました。
今回の研究では,誤用数の推定の道具として,文法チェッカであるGrammarlyを使用しました。分析に先立ち,ICNALEの(人間による)校閲済みデータを用いてGrammarlyの妥当性検証を行ったのですが,管見の限り,こうした検証研究は少ないようですので,今後,この部分は独立させて別の論文にまとめる予定です。
2019/08/17(土)午後3:15-3:40 Room 404
Shin ISHIKAWA
"Japanese learners’ grammar control in L2 English writing and two modes of speaking ―A comparison with learners in Taiwan, Thailand, and Indonesia―"
本発表では,ICNALEのインタビューデータと作文データを用い,文法エラー数が各国学習者間でどう変化するのかを実証的に調査しました。
最近,メディア等では,「コミュニカティブ英語指導」の負の影響で,日本人学生の文法力が落ちているのではないか,といったことがしばしば指摘されています。そこで,タスク内容・英語習熟度を統制した上で,日本人学生の発話・作文をアジア圏の他国の学生の発話・作文と比較しました。その結果,日本人の文法誤用数は,他と比べ,とくに多いとは言えない(発話では比較した国の中では最も少ない)ことが計量的に示されました。
今回の研究では,誤用数の推定の道具として,文法チェッカであるGrammarlyを使用しました。分析に先立ち,ICNALEの(人間による)校閲済みデータを用いてGrammarlyの妥当性検証を行ったのですが,管見の限り,こうした検証研究は少ないようですので,今後,この部分は独立させて別の論文にまとめる予定です。
2019/08/11
2019.8.9 GloCALL 2019 で研究発表 (University of Da Nang, Vietnam)
アジア圏のCALL,コーパス系研究者が集まるGloCALLで研究発表を行いました。
石川発表
Shin'ichiro ISHIKAWA
"Asian Learners’ L2 Oral Production In Monologues and Dialogues"
今回の発表では,開発中のICNALE Spoken Dialogueの特性を生かした研究の在り方を具体的に提言するという点も考慮に入れていました。この点に関して,Robinson (2005)のcognition hypothesisが本研究の良いきっかけとなりました。
Robinsonは発話タスクについては,双方向性(モノローグではなくダイアローグ)や,認知的な複雑性(単純なタスクではなく負荷の高い複雑なタスク)によって学習者の発話のCAF(複雑性・正確性・流暢性)が変化するという仮説を提唱しています。
(1) Task's complexity --> attention on language ---> CAF of outputs
If task’s complexity (i.e. num of elements, deixis, reasoning) increases,
C (syntax & lexis)(+), A(+), F(-)
(2) Task's interactiveness --> joint attention on language ---> CAF of outputs
If task becomes more interactive,
C(-) [due to interruption, asking for clarification, repetition], A(+), F (+)
石川発表
Shin'ichiro ISHIKAWA
"Asian Learners’ L2 Oral Production In Monologues and Dialogues"
今回の発表では,開発中のICNALE Spoken Dialogueの特性を生かした研究の在り方を具体的に提言するという点も考慮に入れていました。この点に関して,Robinson (2005)のcognition hypothesisが本研究の良いきっかけとなりました。
Robinsonは発話タスクについては,双方向性(モノローグではなくダイアローグ)や,認知的な複雑性(単純なタスクではなく負荷の高い複雑なタスク)によって学習者の発話のCAF(複雑性・正確性・流暢性)が変化するという仮説を提唱しています。
(1) Task's complexity --> attention on language ---> CAF of outputs
If task’s complexity (i.e. num of elements, deixis, reasoning) increases,
C (syntax & lexis)(+), A(+), F(-)
(2) Task's interactiveness --> joint attention on language ---> CAF of outputs
If task becomes more interactive,
C(-) [due to interruption, asking for clarification, repetition], A(+), F (+)
また,Robinsonの検証研究も行われています。今回の発表では,こうしたSLA系の研究の流れを踏まえ,ICNALE Spoken Dialogueの各タスクを
Conversation(Dialogue/ Simple)
Role-play (Dialogue/ Simple)
Picture Description (Monologue/ Simple)
の3つに分割し,Robinsonの仮説の妥当性を再検証しました。
下記は得られた結果の一部です。
今後,ICNALEも,こうした理論的枠組みをふまえた研究に利用されるコーパスになってほしいと希望しています。
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