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2017/01/24

2017.1.24 兵庫県尼崎市武庫東中学校道徳授業研修会講演

尼崎の中学校に招かれ,同校の道徳教育を視察し,アクティブラーニング(AL)の観点から講演を行いました。

道徳教育では,自分・相手・社会・自然の4つの観点が重視されており,これらに対して,価値理解,内省,多元思考,熟考という4段階の認知プロセスが想定されます。講義ではこれらを整理した16マスのグリッドを示し,授業のデザインや評価のマトリックスとすることを提案しました。
また,生徒の身近なリアルを大切にしつつ,価値の衝突を体験させる重要性について言及し,NHKの開発している道徳TV教材(http://www.nhk.or.jp/doutoku/kokorobu/)のトピックを一例として紹介しました。こうしたモラルジレンマは,道徳だけでなく,「考える力」を養う幅広い科目指導で応用できるでしょう。

講演スライドより









2017/01/17

2017.1.17 国立国語研究所新大規模ウェブコーパスワークショップ@神戸

下記の催しを実施しました。当日は20名近い参加者があり,盛況でした。

「国立国語研究所新大規模ウェブコーパスワークショップ@神戸大」

日程:1月17日(火)1430~1700
会場:神戸大学国際文化学部D511(CALL教室) 順路 (※同じ建物の1つ下のフロアです)
主催:神戸大学石川慎一郎研究室
協力:国立国語研究所
講師:浅原正幸先生(国語研究所)
要申し込み(12/22日より一般受付開始。先着順10名程度)
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申し込みサイト
https://goo.gl/j5xAJm
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参加条件:国語研究所「中納言」のアカウントを事前に取得しておいてください(無料・要手続き)
https://chunagon.ninjal.ac.jp/useraccount/register

プログラム(細部は変更する可能性があります)
1430~1500 オープニングトーク
「日本語コーパス研究の最前線:BCCWJ,NINJAL-WJC,I-JAS」(石川慎一郎)
1500~1700 講演+ワークショップ
「国語研日本語ウェブコーパスの概要」(浅原正幸先生)
「国語研日本語ウェブコーパス検索系:梵天(Bonten)」(同上)

浅原正幸先生 略歴
奈良先端科学技術大学院大学修了。博士(工学)。国立国会図書館,奈良先端科学技術大学院大学を経て,現在国立国語研究所コーパス開発センター准教授。関連論文として,Universal
Dependencies for Japanese(Proceedings of LREC)ほか多数。

★コーパスのサーバー側の負荷のため,実際にその場で検索していただけないことがあります。あらかじめご了解ください。
★国語研究所日本語ウェブコーパスの情報はこちら
★同上検索システム「梵天」の情報はこちら






2016/12/24

2016.12.24 日本語コーパスはごろも研究会シンポジウム出席

表記の会に出席しました。

2016年日本女子大学主催 『はごろも』研究会共催公開シンポジウム
「日本語教育において必要な文法研究とは何か」、「文法研究をどのように日本語教育に活かせるか?」
【テーマ1】日本語教育において必要な文法研究とは何か   
・発題者1(庵功雄・一橋大学国際教育センター教授)
【テーマ2】文法研究をどのように日本語教育に活かせるか?-『日本語記述文法1~7』を例に-
・発題者2(前田直子:学習院大学文学部教授) 30分 発表スライド
  含:事前に参加者から寄せられた意見の披露とそれに対する発題者のコメント

「はごろも」は日本女子大の堀恵子先生が作っておられる文法項目の用例データベースです。日本語教育に有用性の高い資料です。たとえば,「~と思う」という文法項目の場合,以下のように情報が出力されます。


旧日本語能力試験の語彙レベル,また,各種文法書等の記述,用例などが一括表示されるので,教師が個々の文法項目を指導する際に非常に有用です。また,使いやすく見て美しいオンラインのインタフェースも開発の参考になります。
http://jreadability.net/hagoromo






2016/12/16

2016.12.16 兵庫県立西宮北高校「小学校英語出前授業」視察と講話


本年度数回にわたって関わっている西宮北高校の生徒さんの英語活動を視察し,講評を行いました。高校生は数週間にわたって準備を重ねた上で,近隣の小学校を訪問し,小学生を相手にbやpの発音のコツをうまく指導していました。

流行の歌から始め,クリスマスソングにつなぐ展開など,子供のニーズをよく考えた良い指導であったと思います。こうした体験を通して,小学生はもちろん,高校生の側にも学ぶことが多かったのではないかと思います。


※紙を使って,破裂音の息の強さを確認させる指導の様子(匿名化処理済)

2016/12/14

2016.12.14 国語研日本語ウェブコーパス検索系講習会参加


表記の講習会に参加し,国語研究所で開発中の10億語コーパスの新しい検索技術について学びました。


日時:2016/12/14 (水) 9:30-11:30
場所:大阪:梅田:イオンコンパス大阪駅前会議室 Room D
講師:浅原正幸先生(国立国語研究所)

参考
国語研日本語ウェブコーパス http://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/nwjc/

1)ウェブを母集団とする
2)100 億語規模
3)「稀言語現象の言語学的、心理学的および情報処理的視点からの研究」用
4)「言語研究のための用例収集、日本語使用実態の定量的な把握」などの用途を想定

検索結果例 http://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/nwjc/bonten-results.html

所感
大納言・中納言・梵天などの種別があるという「四十松」に着想を得て命名された新しい検索系は,係受けをビジュアルに示すという点で,統語研究などに有益であると感じました。また,わかりやすアウトプットがあれば(たとえば,単語Xを指定すれば,受けの側のYの頻度リストを自動生成する等),さらに利便性が高まると感じました。ただ,新コーパスについては,サイズが圧倒的に大きいことや,editingが入っていないデータも多いだけに,言語教育研究への応用の是非については,伸長に考えていきたいと感じた次第です。

2016/12/03

2016.12.3 国立国語研究所学習者コーパスワークショップ講演

下記の会で講演を行いました。

2016/12/3
国立国語研究所第1回学習者コーパスワークショップ-学習者コーパス(I-JAS)を利用するために-

講演 石川慎一郎先生(神戸大学・教授) 「世界の英語学習者コーパス研究の潮流:HowからWhyへ」


2016/12/01

2016.12.01 津名高校インスパイア―事業講話

兵庫県立津名高校は,英語プレゼンテーションを核にした英語教育を展開しておられます。県教委のインスパイア―事業の一環として,同校を訪問し,生徒さんに指導を行いました。夏に引き続いて2回目です。

6つのグループが発表してくれましたが,前回の指導をよく覚えてくれていて,冒頭で問を投げかけるなど,ずいぶん進歩した様子が確認できました。

残るはロジックの問題で,高校生だけでなく,ふだん指導している大学生・大学院生にとっても,ここが最大のハードルです。

話したいことが多すぎると,情報間のロジックのつながりが見えにくくなり,結果として伝わりにくい話になってしまいます。
ありきたりではありますが,

1)問題をクリアに絞る
2)解決策をクリアに示す
3)主張をクリアに示す

この3点がきちんとできていることが重要だという思いを改めて持ちました。

順に
講義風景,舞子から大橋を望む,津名港