2020/8/21 終了しました。
午前の部・午後の部あわせて,延べ160名のご参加がありました。多数のご参会に感謝申し上げます。
オープニング(1)
オープニング(2)(ICNALEの各モジュール開発と過去のLCSAWテーマ)
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神戸大石川研究室では,科学研究費補助金の支援を受け,第5回のLCSAW(Learner Corpus Studies in Asia and the World)を開催いたします。
英語や日本語のL2学習者による産出の評価,および,学習者コーパス研究における評価データの扱いについてご関心のある皆様の聴講参加を受け付けております。
聴講申し込みサイトより必要事項をご送信ください。先着順での受け付けとなります。
記
第5回学習者コーパス国際シンポジム LCSAW 5 (2020)
〇日時:2020年8月21日(金)午前9時50分~午後5時ごろ
〇形態:Zoom上で実施
〇主催:神戸大学石川慎一郎研究室(※科研費20H01282の支援による)
〇テーマ:「L2学習者の作文・発話をどう評価すべきか:学習者コーパス研究における評価データ収集の意義と課題」
〇開催趣旨:近年,各種の学習者コーパスがリリースされ,学習者コーパス研究(LCR)が広く実施されるようになってきましたが,研究の進展につれ,コーパスに含まれる作文や発話に対する直接的な評価データを求める声も強まっています。もっとも,学習者のL2産出物の評価については,何をモデルとすべきか,どのようなルーブリックを作るべきか,holisticとanalyticをどう位置づけるべきか,だれを評価者とすべきか,評価者をどうトレーニングすべきか,評価者の判断のブレにどう対処すべきか,アウトプットを見るべきか,あるいは,産出の背後にある意欲・態度・関心を見るべきか,人手評価と自動評価の関係をどう考えるべきか,学習者の習熟度・産出物の質・産出物の言語特性の3者の関係をどうモデル化すべきか,など,多くの論点が残されています。本シンポジウムでは,英語や日本語などのL2産出の評価に関わる研究者が各自の研究成果を紹介し,今後,この問題を考える上での見取り図を提供することを目指します。
〇発表言語:日本語,英語
〇論文集:発表論文集を刊行予定(2020年12月予定)
〇発表数:発表13本(招待8,公募4,主催者1),研究討議4本
〇聴講参加申込:参加費は無料。
聴講申し込みサイトより登録。定員まで先着順で受け付け,ご参加いただける方には開催日の1週間前までに接続URLをお送りします。
〇問い合わせ:石川 iskwshin@gmail.com
注
1)発表順・発表題目・概要は当日までに変更の可能性があります。
2)招待発表(●)は20分,公募発表(〇)は15分です。
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LCSAW 5 (2020) プログラム(7/21版)
0955~ 開会のことば 石川慎一郎
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第1部:L2英語ライティングの評価
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1000-1020
●小島 ますみ(岐阜市立女子短期大学准教授)
「L2ライティング力の予測変数:これまでどのような研究が行われてきたか」
第二言語(L2)ライティング研究者達は、学習者のライティング評価を予測するために、これまで様々な変数に着目してきた。それらの変数には、テクストの言語的特徴を始め、学習者のL2言語知識、適性や動機付けなどの個人差を含む。本発表では、これまでどのようなL2ライティング評価予測変数が着目されてきたかについて、経年的かつ量的に概観するとともに、今後どのような研究が必要かについて提言を行う。なお、本発表はライティング力と相関する要因を扱ったメタ分析の研究成果の一部である。
1020-1040
●川口 勇作(愛知学院大学講師)
「英作文評価と英語ライティングプロセス研究」
L2ライティング研究では、書き手のライティングプロセスと英作文の評価・書き手の熟達度との間に関連があるといわれている。英作文における評価とプロセスの関わりについて、現在取り組んでいる研究課題や、英語ライティングプロセスコーパス構築の試みなどを紹介しながら、学習者コーパス研究への貢献という観点を交えて議論する。
1040-1100
●小林 雄一郎(日本大学講師)
「L2ライティングにおけるL1の影響ーメタ談話の観点から」
アジア圏英語学習者のライティングにおけるメタ談話標識の使用傾向・発達傾向を比較し、L2の談話的側面の評価について考察する。
(休憩)
1110-1125
〇畔元(あぜもと) 里沙子(九州大学D)
「ICNALEにおける日本人英語学習者のコロケーション産出:母語の影響の観点から」
ICNALEにおける同一トピックでの日本人英語学習者と英語母語話者のコロケーション産出を比較し学習者の母語の影響についての考察を述べる
1125-1140
〇Jan Wira Gotama Putra(東京工業大学D)
「Annotating Argumentative Structure in EFL essays with TIARA
Writing good argumentative texts is one of the goals in education. It requires reasoning and effective framing of our opinions. But these skills do not come naturally, and thus need to be taught. This talk outlines our effort to automatize the analysis of argumentative structure in EFL essays (through the ICNALE corpus), which is useful for education. We introduce TIARA annotation tool that is developed for such tasks.
1140-1220
研究討議1 「L2英語ライティングの評価をめぐって」
小島・川口・小林・畔元・Putraの各氏 (進行:石川)
1220-1310
昼休憩/意見交換会1(自由参加)
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第2部 L2英語スピーキングの評価
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1310-1330
●横内 裕一郎(弘前大学助教)
「CAF指標を用いたルーブリックの 構成概念妥当性(外的側面)の検証」
本発表では、ルーブリックの概念について説明を行い、さらに、実際のデータを用いてCAFの指標を使った構成概念妥当性の外的側面の検証を行う。その上でEBB scaleによる評価とCAFの関係性に見えてきた傾向を紹介する。
1330-1350
●猫田 英伸(島根大学准教授)
「高等学校での「話すこと(発表)」の指導の効果測定」
高校2年生を対象として1学期をかけて話すことの指導を行い、無作為抽出生徒30名の3時点(事前、事中、事後)での録音音声を、量、質の両面から評価、分析した。
1350-1405
研究討議2 「L2英語スピーキングの評価をめぐって」
横内・猫田の両氏 (進行:石川)
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第3部 L2日本語ライティングの評価
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1410-1430
●伊集院 郁子(東京外国語大学教授)
「作文コーパスの構築から評価研究へ:作文評価の普遍性と多様性を探る」
現在、コーパスから抽出した日本語意見文に対する評価データを収集し、評価を左右する要因を多角的に分析したうえで、意見文評価ルーブリックを作成し、レベル別サンプルとともに公開することを目指している。本発表ではその研究成果の一部を紹介する。
1430-1445
〇安達 万里江(関西学院大学講師)
「L2日本語作文の内容に関する評価研究 ―ルーブリック改訂前後の評定・評価理由の比較―」
本研究は,日本語学習者コーパス「I‐JAS」の作文3編を用い,日本語教員11名によるルーブリック改訂前後の内容に関する評定・評価理由データを比較する。
1445-1500
〇鄧 琪(神戸大D)
「学習段階の変化が日本語学習者の外来語使用に及ぼす影響:「日语学习者书面语语料库」を用いた縦断調査」
本研究は「日语学习者书面语语料库(日本語学習者書き言葉コーパス)」を用いて,量と内容という2つの観点から,中国語を母語とする日本語学習者の作文における外来語使用状況の段階的変化の解明を目指す。
1500-1520
研究討議3 「L2日本語ライティングの評価をめぐって」
伊集院・安達・鄧の各氏 (進行:石川)
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第4部 L2産出評価研究の展望
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1530-1550
●近藤 悠介(早稲田大学准教授)
「学習者言語の評価に関する問題」
学習者のパフォーマンス評価に関して、発表者がこれまで直面したいくつかの問題について話します。
1550-1610
●李 在鎬(り じぇほ)(早稲田大学教授)
「計算モデルは,人の評価にどこまで近づけられるか」
コーパス解析によって得られた計算モデルで言語能力を予測する研究例を紹介する。具体的には,作文に含まれるテキスト特徴量から言語テストの得点を予測する研究,教師の評価を予測する研究を紹介する。
1610-1630
●石川 慎一郎(神戸大学教授)
「習熟度+産出+産出評価=?:学習者コーパス研究の新展開」
最近の学習者コーパスには,学習者の習熟度データを含むものが増えてきた。習熟度と産出のデータがあれば両者の関係をモデル化することができる。しかし,いわゆる「良い作文」や「良い発話」の構成要素を明らかにするには,これらに加え,産出に対する直接評価のデータが不可欠である。もっとも,L2産出の評価については,(a)何をモデルとすべきか,(b)誰を評価者とすべきか,(c)どの観点で評価すべきか,(d)評価のぶれをどう扱うべきか,といった古くて新しい問題が山積みである。本発表では,これらを整理しつつ,学習者の産出に対する直接評価データを体系的に収集するICNALE Global Rating Archive(GRA)プロジェクトの構想を示す。
1630-1650
研究討議4 「L2産出評価研究の展望をめぐって」
近藤・李の両氏 (進行:石川)
1650 閉会
1700-1730 意見交換会2(自由参加)