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2017/05/31

2017.5.31 神戸大学全学共通教育ベストティーチャー賞表彰式

勤務先の全学共通教育ベストティーチャー賞授賞式に出席しました。通算4回目の受賞となります。



こうした賞をいただくことは,自身の授業を振り返る良いきっかけになります。支持してくれた学生諸君に感謝。

2017.5.31 研究メモ English Communication検定教科書(2017改訂)題材調査 

日本人学生のL2英語の語彙力・語彙使用と教材インプットの関係を調べるプロジェクトの基礎調査用のメモです。今後,「ジャンル」データのコーディングの枠組みを開発する予定です。

Landmark(竹内理他,新興出版社)
1 血液型
2 カレーの世界化
3 制服
4 ゴリラと人間
5 メイル表記(gr8)
6 バイオディーゼル燃料
7 屋久島エコツアー
8 通訳者(ナガイマリコ氏)
9 宇宙エレベーター
10 トルコと日本の友情

FLEX(高島英幸他,増進堂)
1 クマモン
2 脳をハック ゾーン
3 宇宙での太陽光発電
4 マララ
5 世界遺産富士山
6 ドナルドキーンの日本愛
7 バーチャルウォーター,食品ロス
8 ウェアラブルHAL
9 生物模倣工学
10 ダライラマ

Main Stream(高島英幸他,増進堂)
1 世界言語英語
2 イギリス発祥スポーツ
3 日本の包装文化
4 サンゴ礁
5 マザーテレサ
6 ダビンチ
7 発話と脳(川嶋隆太氏)
8 日米社会行動比較 土産,発言,依存
9 遺伝子組み換え食品
10 手塚治虫氏の地球環境関係エッセイ

Cosmos(大浦暁生他,三友社)
1 友達
2 映画「サウンドオブミュージック」
3 セロ弾きゴーシュ
4 ミミズの働き
5 黒人メジャーリーガー
6 映画「フリーダムライターズ」
7 ヘレンケラー
8 戦死した画家志望の若者
9 杉原千畝
10 ドイツ人科学者からフクシマの子どもへの手紙 ---ここまで5/31ーーー

Vivid(築道和明他,第一学習社)
1 オリンピック(過去の東京オリンピック,古代オリ)
2 名前(苗字を持つ意味,語源)
3 日本のストリートファッション
4 運動で発電
5 笑いの効用(笑いヨガ)
6 アンジェラアキの夢の実現
7 フードマイル
8 塩害によるスフィンクス像の損傷
9 東北地震で亡くなったALTタイラーさんと記念文庫

Polestar(松坂ヒロシ他,数研出版)
1 文化遺産としての和食
2 ペットボトルの歴史と問題
3 石川直樹・冒険家
4 星の名所:NZテカポ
5 Amazing Graceの歴史
6 ダイアモンド産業の暗部
7 関東学院大学での溶けないアイスクリーム開発
8 俳句
9 Stephen Sutton(ガン罹患の青年,やりたいことをブログで公表し実践)
10 Joe O'Donnell (戦後日本を撮ったカメラマン)  ---ここまで6/2ーーー

New Frag(高島英幸他,増進堂)
1 日本人スポーツ選手と英語
2 世界一周の冒険家(ジュールベルヌetc)
3 脳の働き(川島教授の語る音読の効用)
4 クールジャパン
5 アイスクリームの歴史
6 画家Durerと友人のエピソード(友人の犠牲で画家に)
7 沖縄のサンゴ礁を守る金城氏の運動
8 クニシゲトモミ氏の英漢字(漢字をアルファベット&絵にも読めるように筆で描く)
9 火星移住計画
10 手塚治虫と平和

Genius(村野井仁他,大修館書店)
1 百人の村
2 風呂敷から考える日本文化
3 マララ演説
4 ボルネオ島の環境危機
5 小児がんでなくなった少女アレックスを記念するレモネードデイズ
6 睡眠の効用
7 女子柔道を広めたアメリカ人
8 日本と水の輸入
9 コーヒーと労働環境
10 ポーランドのユダヤ人を救った女性Irena Sendler

New One World(伊東治己他,教育出版)
1 世界の絶景,旅行者,旅行者の態度
2 日本独自のパン文化
3 猫の生態
4 世界に広がる日本アニメ
5 ユニークなイベント(ゴミ拾い駅伝,裏アカデミー賞,イグノーベル賞)
6 チャリティソングWe're the world
7 身近な科学(酸素,スギ,花粉,電子レンジ)
8 第9と日本人(鳴門,捕虜収容所)
9 オリンピックの歴史と精神
10 グローバル化の光と影             ーーー6/7ーーー


2017/05/28

2017.5.28 国立国語研究所学習者コーパス研究会


分担者として加わらせていただいているプロジェクトの研究会に参加しました。

【学習者コーパス研究会(5月)】


 ●開催日:5月28日(日)
 ●時 間:10:00~12:00
 ●場 所: 国語研 (3階 セミナー室)
 ●発表者:
  10:00~11:30
   砂川有里子先生(筑波大学)黒沢晶子先生(山形大学
    「中国語を母語とする中級学習者の発話に見られる日本漢語の使用状況」
  11:30~12:00
   I-JAS第二次データの公開について(迫田先生・砂川先生)
    *I-JASの第二次データを5月に公開いたします。
     公開したデータについての詳細をご案内いたします。
     また、検索の注意点などもお伝えいたします。

中国語話者による日本語作文中の漢語を取り出し,その言い間違えを分類することで,L1干渉を計量的に明らかにするという趣旨のご研究で,大変興味深く伺いました。g/k,t/dのフリップなどがしばしばみられ,有気・無気,有声・無声問題が影響している可能性も示唆されます。


なお,立川の駅を降りて少し北に行くと,イケアの南に広大な空き地があります(今は立飛ホールディングズの所有地)。ここは,以前より草が生い茂っていたのですが,なんと本日見るとあちこちに山羊が・・・


近現代的な都市のど真ん中にいきなり山羊・・・かなりシュールな光景です。

参考
https://tachikawa.keizai.biz/headline/1929/

2017/05/27

2017.5.27 外国語教育メディア学会中部支部第89回大会

外国語教育メディア学会中部支部第89回大会
日時:2017年5月27日(土)
会場:名城大学ナゴヤドーム前キャンパス西館

表記の大会に参加し,下記の4本の発表を聴講しました。

◎縦断的英語学習者コーパス構築の試み【研究発表】
杉浦 正利・阿部 大輔・西村 嘉人 (名古屋大学)

◎特別支援教育における基本英単語の調査:記憶と音韻獲得の状況【研究発表】
鈴木 薫 (名古屋学芸大学)

◎工学英語論文頻出語彙の学習効果と語彙方略の使用【研究発表】
石川 有香 (名古屋工業大学)

◎工業高校での4技能の指導と「授業は英語で」【実践報告】
近藤 泰城 (三重県立桑名工業高等学校)


どれも興味深い内容でしたが,中でも,杉浦グループの発表は,大学でのライティング指導とデータ収集を連動させたきわめて意欲的なプロジェクトで,学習者のL2作文能力の「縦断的」発達を議論する上で貴重なデータが得られつつあることを実感しました。

2017/05/26

2017.5.26 神戸大学附属中等教育学校講話

同校の4年生(高校1年生),約200名を対象に,同校が進めるKobe Pro(卒業研究プロジェクト)の支援として,研究テーマの作り方について講話をおこないました。

講話では,卒業研究の意味,トピックとテーマの違い,テーマと将来の研究分野との関係性について触れました。

下記は,手近なトピックとして「寿司」を取り上げ,それを,人文・社会・生命・自然科学の観点で切っていくと,どんなテーマがありうるか,紹介したスライドの一部です。



背伸びしていかにも難しそうなテーマを探すよりも,研究というマインドで周囲を見わたせば,研究の種はあちこちに転がっているんだというメッセージが,受講された方にうまく伝わっていたらうれしいのですが。。

2017/05/21

2017.5.21 研究メモ:応用言語学論文構成についての覚書

ジャーナルのテンプレートを作る仕事をしている関係で,英語教育系の論文の代表的な章立て構成を把握したく,簡易な調査をしましたので,記録に留めておきます。型通りの構成だけだろうと思っていましたが,かなりバラエティがあることがわかりました。

◎調査対象誌:全国英語教育学会ARELE 28 (2017)

日本の英語教育学分野のトップジャーナルの1つです。19本の論文が掲載されています。いわゆるIMRAD(Introduction/ Method/ Results/ Discussion)型を含め,大別して5種の章構成パタンが見られました。

【IMRAD型】
Introduction/ Method/ Results/ Discussion
★最もシンプルなパタン。
★ConclusionをDiscussionに統合

Introduction/ Method/ Results/ Discussion/ Conclusion (同構成3本あり)
★Conclusionを独立セクションに。
★最多・標準。

Introduction/ Method/ Results and Discussion/ Conclusion
★RとDを1つにまとめる

Background/ Method/ Results / Discussion/ Conclusion
★IntroductionをBackgroundに改称する

Introduction/ Background/ Method/ Results/ Discussion/ Concluding Remarks
★IntroductionからBackgroundを独立させる



【「先行研究」と「RQ」をそれぞれ独立セクション化】
Introduction/ Previous Studies/ Research Questions/ Method/ Results and Discussion/ Conclusion

Introduction/ Literature Review/ Objective of the Study/ Method/ Results/ Discussion/ Conclusion
★RQは「本研究の目的」章に

Introduction/ Literature Review/ Research Questions/ Method/ Results and Discussion/ General Discussion

Introduction / Current Study/ Method/ Results and Discussion/ Conclusion
★RQと狙いをCurrent Studyとして示す



【「本研究」的なセクションを立ててそこにRQやMethodをまとめる】
Background/ Study/ Results/ Discussion/ Conclusion
★Studyにまとめる

Introduction/ Review of Related Studies/ The Present Study/ Results/ Discussion/ Conclusion
★先行研究は独立セクション化
★The Present Studyにまとめる

Introduction/ Research Background/ Experiment/ Results and Discussion/ Conclusion
★先行研究は独立セクション化
★Experimentにまとめる

Introduction/ Background/ The Present Study/ Results and Discussion/ Conclusion
★先行研究は独立セクション化
★The Present Studyにまとめる



【自身の研究・実験の推移ステップごとに章を進める】
Background/ The Preliminary Study/ The Main Study/ Discussion/ Conclusion and Pedagogical Significance
★予備実験→本実験

Introduction/ Variable in the present study and research questions/ Main Experiment/ Control Experiment/ Discussion/ Conclusion
★本実験→統制実験



【論文のテーマ背景を独立した章で紹介する】
Introduction/ テーマに関わる概念の解説章/ Suggestions/ Concluding Remarks

Introduction/ Overview of (論文テーマ)/ Backgrounds/ Method/ Results and Discussion/ Conclusion


(感想)
意外とバラエティがあり,テンプレートの中で章構成まで明示的に示すのは難しいという印象でした。個人的には,Introduction/ Literature Review/ Research Design (Aim, RQ, Method)/ Results and Discussion/ Conclusion型で書くことが多いのですが,今回の調査,個人的にも有益でした。


2017/05/20

2017.5.20 JACET東アジア英語教育研究会出席


表記に出席しました。発表は以下の2本。
ともに興味深い内容でした。


第175回東アジア英語教育研究会

 日時:5月20日(土)15:30-17:35(発表?15:30-16:30、発表?16:35-17:35)
 場所:西南学院大学1号館702教室

 発表1:「韓国発自立型学習タブレット教材SMARTreeの大量インプット&アウトプットによる4技能学習法」
吉澤 眞理(株式会社Pep)、林 千晶(福岡女学院大学)
〔要旨〕
 英語力を向上させるためには良質の英語を大量にインプットし、アウトプットすることが重要だと、多くの英語講師は認識している。しかし、実際は紙・CD媒体などの教材でのレッスンでは、教室外での英語学習時間を延ばすことや、同じレッスンを繰り返し学習させることは難しい。本発表では、2014年度より韓国で 開発された「SMARTree」を採用し、小学校1年生~6年生(約60名)を指導してきた私塾「ブライトフューチャー(神奈川県平塚市)」の成果と「SMARTree」の概要踏まえ、大量インプットとアウトプットを実現した教授法について、実際の教材及び教室での様子(動画・画像)を用いて発表する。また、今後、デジタル教材の採用を考えている/興味がある参加者の興味に応じた話題を提供したいと考えている。

発表2:「教科としての小学校英語教育は大丈夫か?-韓国の小学校英語教育と比 較して-」
木下 正義(元福岡国際大学)
〔要旨〕
次期学習指導要領教諭調査で小学校英語8割「自信ない」教科化の反対も6割に(西日本新聞(朝刊)2017.3.28)。調査は昨夏、全国の公立小中学校と公立・市立高校の教諭約15,300人の調査結果である。Active Learningも小学校31%、中学校18%・高校13%と浸透していない。教諭の生活では平均睡眠時間が小学校教諭で5時間47分と短く、休日出勤も「ほぼ毎週」は中学校74.5%、高校52.4%で、多忙な実態が改めて浮き彫りになった。小学校で英語が教科になればその弊害は大きい。日本より20年前に小学校英語が教科として始まった韓国と日本と比較し、昨年二度、韓国英語教育視察に出かけて、韓国の小学校英語授業参観と参観後の担当教諭との討論会、プサン教育庁教育政策課及び
韓国教育課程評価院(KICE)で韓国の小学校英語教育の実態と展望及びICT活用に関して調査をした。2月にウルサン市の私塾(English Mou Mou)で小学生のタブレット使用した学習・授業参観などを通しての実態を報告したい。

2017/05/15

2017.5.15 兵庫県立宝塚高校特別講義

ディベートを使って発信力を高める同校の教育プログラム支援のため,2年生の生徒さんを対象として講話を行った後,担当の先生2名と今後のカリキュラムの改善について意見交換を行いました。

こちらの学校では,大阪のカジノ誘致の賛否をテーマに,まずは日本語で,主張を作る練習をしておられます。

講話では,代表的な立論のパタンと,相手側の主張を崩す際の論理的な仕掛けについて,お話しました。



プレゼンに比べ,ディベートは論理のぶつかりあいが魅力ですが,そもそも対決を好まない日本の高校生の場合,うまく盛り上げていくには指導者の工夫も必要になってくるでしょう。生徒の皆さんの今後の成長が楽しみです。

2017/05/12

2017.5.12 私立西大和学園中学校・高等学校SGH打ち合わせ

京都駅前にて,西大和中高の先生とお目にかかり,同校のSGH(Super Global High School)プログラムの現状と今後について意見交換を行いました。

西大和には昨年度より関わらせていただいていますが,生徒の皆さんの研究活動のレベルは高く,今後,その活動がさらに実質的に深まっていくことが期待されます。本年度も定期的に同校を訪問し,SGHについての指導助言を行う予定になっています。