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2017/02/25

2017.2.25 JACET関西支部ESP研究会講演

表記で講演を行いました。

ESP関西 2016年度第5回研究会

日時: 2017年2月25日(土) 14:00-17:00
場所: 場所: キャンパスプラザ京都 6階 第1講習室 

The5th Meeting of JACET Kansai Chapter ESP SIG
Date: February 25th, 2017  14:00-17:00
Venue: Lecture Room 1,  6th floor, Campus Plaza Kyoto

内容:
14:00-14:05 開会の挨拶
Opening remarks

14:05-15:05
講演: 石川慎一郎先生(神戸大学 教授)
Lecture : Prof.Dr.Shinichiro Ishikawa

タイトル: ESPと語彙:言語資源からの語彙選定の方法を考える
概要:   
ESP研究では,特定分野の言語資源をコーパスとして収集した上で,何らかの基準で語彙を抽出し,「ESP語彙表」を作成することが広く行われている。
しかし,言語資源をどのような形で収集し,どのような基準に基づいて語彙を選定すべきか,という点については,必ずしも方法論的な共通理解がなされていない。
そこで,本発表では,英語・日本語に関係する内外の主要な語彙選定プロジェクトを紹介しつつ,ESP語彙表開発のための妥当性の高い語彙選定手法について議論したい。

当日は日本語の工学語彙選定の歴史について話し,あわせて,英語の場合とは異なる独特なデータソースについて議論しました。



2017/02/24

2017.2.24 ゼミ送別会&同窓会

恒例のゼミ修了生の送別会兼同窓会です。毎年様々な会場を選んでいますが,今年は,久しぶりに大学の近くの邸宅レストランを使いました。2人の同窓生も参加され,楽しいひと時を過ごしました。

日時:2017/2/24
会場:ガーデンパレス蘇州園








2017/02/21

2017.2.21 兵庫県立伊丹高校SGH講演会

SGH指定校である兵庫県立伊丹高校で,教員対象に,下記の講演を行いました。

「アクティブラーニングと思考力開発:SGH実践の加速に向けて」

当日は,授業の中でALを実践しておられる国語・社会・物理の先生のご報告を伺った後,ALとキーコンピテンシーの関係,また,ALを実践する上で重要となる価値観のゆさぶり等についてお話しました。講演会終了後は,SGH担当の先生と,今後のSGHプロジェクトの企画・遂行について意見交換を行いました。

講演資料より


ALはともすれば表層の活動に目を奪われがちですが,何をやるか,ではなくて,それによって学習者がどうなったか,が真に問われるところかと思われます。


2017/02/10

2017.2.10 兵庫県立西宮北高校インスパイア―授業

 本年度は,教育委員会のインスパイア―授業として,西宮北高校を4度訪問しました。今回は年度の最終回ということで,学校設定科目「国際事情」を選択している生徒さんたちが行った英語プレゼンを聞いてコメントをしました。

オンライン「北高だより」No.129より
http://www.hyogo-c.ed.jp/~nishikita-hs/kitako-dayori/2016/2017_2.pdf



 プレゼンのテーマは,「私の学校の問題と改善案」。これは,私が指導に関係している様々な高校で,いつも生徒の皆さんにお願いしているテーマです。大きすぎるテーマだと,高校生としてリアルな提案を磨く余地が小さくなり,結果として単なる英語力自慢で終わってしまいます。一方,自分の学校の問題だと,高校生目線での具体的な提案ができます。問題発見力と問題解決力が同時に鍛えられるという点で,高校生の初めてのプレゼンには最適のテーマだと言えるでしょう。

 今回,生徒さんは皆さん力作を発表してくれました。たとえば,購買部がないので,PTA等と協力して簡易な店を設置する提案,トイレが寒いのでスクリーンを設置する提案,バスが混むので徒歩通学を促すキャンペーンを行うという提案。。。 こうしたアイデアを形に落とし込み,実現可能性やそれに伴うコスト等を総合的に考えていく力,それが「キーコンピテンシー」につながるのでは,と考えています。

 当日の講話のスライドより。




2017/02/04

2017.2.4 国立国語研究所迫田科研会議

国立国語研究所の迫田久美子教授が代表を務める日本語学習者コーパスI-JASにかかる科研会議に出席しました。

 今後のデータ公開に係る様々な問題点の解決に関して,集中した討議が行われました。


学習者コーパスとしてI-JASを見た場合,特筆すべき利点は,発話者(学習者)と,発話テキストそのものに対して,豊富な付加データが与えられているところです。上記は中国人日本語学習者の発話の中の「思う」の用例の一部です。これらを詳しく調べることで,従来,質的に論じることが多かったL2の習得の問題,また,母語干渉の問題などを科学的に議論していくことができると期待されます。


2017/02/03

2017.2.3 神戸大学附属中等教育学校SG2年次報告会シンポウム発表

表記にシンポジストとして参加しました。


シンポジムの概要
●テーマ 「地球の諸問題と国際貢献」
●司会 本校副校長 勝山 元照
●パネリスト
  ICA関西次長 田和 正裕氏(本校SGH運営指導委員)
  神戸大学大学教授 石川 慎一郎氏(本校SGHアドバイザー)
  本校グローバル教育推進室副室長 瀧本 家康
  本校生徒 (3名・略)
  
石川の講評より(議事録に加筆修正して公開。2017.3.20)
◆神戸大附属SGHのすぐれた点
 いろいろな学校のSGHにかかわらせてもらっているが,それらと比較して神戸大附属の取り組みには良いところが4つある。
 1つ目は,新設校として,学校づくりとSGHがほぼ同時に起こったということ。両者がうまく連動して全校を巻き込んでSGHを推進できている。
 2つ目は,全校的取り組みであること。SGHに選定されている学校の中には,全校の中のある1クラスだけとか,特別なクラスだけが事業の対象となっているところもあるが,この学校は全員が対象となっていて,全員がSGHに関わっている。必然的に,教員も全員がSGH担当ということになる。生徒・教師含めて全員出動態勢で取り組んでいることはとてもよいことである。
 3つ目は,中高を横断した展開になっていること。本来,SGHは高等学校対象の事業であるが,ここは中等教育学校なので,中学1年生から高校3年生までの6年間で,SGHの学びの趣旨を身に付けることができる。
 4つ目は,学校理念と整合していること。この学校のSGHは付け焼刃的に取り組まれているものではない。学校のそもそも創設理念が「グローバルキャリア人の育成」であるため,SGHだからといって,無理をしているわけではない。この学校はSGHにならなくとも,きっと同じ活動をしていたはずで,きわめて地に足のついた取り組みとなっている。

◆神戸大附属SGHの今後の課題
 次に,課題について考えてみたい。まず,なぜSGHのようなプログラムができたのかということであるが,その背景には,日本の今までの成功モデルが通用しにくくなり,国際競争力が低下していることへの危機感がある。だからこそ,税金を使って,次の世代の人を育てようという趣旨で,このプロジェクトが始まったのだと思う。
 ここで,SGHに期待されるのは2つの能力の育成である。1つ目は,時代を変える「豊かな発想力」,そして2つ目は「骨太の行動力」である。SGHの目的は,こうした2つの力を備えた人材を輩出する点にある。この2つの観点から,今度は,あえていくぶん批判的に,この学校のSGHプログラムを見ていきたいと思う。
 まず1点目,「豊かな発想力」についてである。これは,「イノベーション」につながる力である。イノベーションとは,既存の枠組みの中でより上手にやるとか,精度を上げるとか,改善を図るとかいったことではなく,これまでとは違うまったく新しい枠組みを一から作ることを意味する。例えば,日本人はスマホに付属するカメラの精度を上げることは得意だが,スマホそのものを思いつくことはできなかった。SGHの狙いは,巨大な新規マーケットを生み出すスマホのようなプラットフォームを新規に着想し,実現できる人材の育成である。この点に関して,今日聞かせてもらった生徒さんたちの発表は総じて優秀なものだったが,少し意地悪な見方をすると,その中に私たちの度肝を抜くような発想力を示す発表はいくつあっただろうか。ここの生徒さんたちは,Kobeプロという高度な卒業研究をされており,先生方の指導もあって,その進め方や論証は手堅く立派である。だが,テーマやタイトルの点でイノベーションを強く感じさせるもの,我々大人の予想を裏切り,思わず唸らせるようなものがいくつあったかということになるといささか心許ない。小学生の夏休みの宿題の定番である自由研究にはいろいろな手引書が出版されており,おすすめテーマなども詳しく解説されている。そうしたものをうまく活用してアレンジすれば,それらしい研究を仕上げることは実はそれほど難しいことではない。だが,附属の生徒さんには,そうした「器用な」だけの研究を抜け出して,我々大人が唸るような大胆な発想力を示すテーマを考えてほしい。そこのところがもっと見えてくるといいなと思う。大事なことはアイディアであり発想である。こちらの生徒さんは復興庁へ行って提言をされてきたと聞く。それはとても素晴らしいことで,実際,マスコミの取材もあって記事になった。だが,私に言わせれば,提言したことが大事なのではなく,何を提言したのかが大事なのである。生徒の発表を聞いた復興庁の職員が,本気で「このアイディアを政策に反映させたい」と感じて初めて,真に「豊かな発想力」が磨かれたと言うべきであろう。
 次に,2点目の「骨太の行動力」についてである。これは,附属で言うグローバル・アクション・プログラムの「アクション」に相当する。ここで重要なのはそれが真に「骨太」なものになっているかどうかである。言い換えれば,先生にやらされているのだけなのか,それとも生徒がやりたいと思って自分からやっているのか,ということである。この点に関して,英語教育では‘Can-do’という言葉がある。これは,英語力を,テストの点数ではなく,実際に英語を使って何ができるかという形で示そうとするものである。例えば,「英語で手紙が書ける」「英語で予定が調整できる」といったような形で英語力を示す。Can-doの理念は,何を知っているか(know)ではなく,何ができるか(Can do)を重視する点にあるのだが,私に言わせれば,実は,Can doだけではまだ足りない。Can doとDoは違うからである。現代の日本の若者の多くは,やれと言われればできる(can do)けど, 自分からはやらない(don’t do)。つまり,Can doは身についていても,それがDoに移行しないのである。附属では,先生がたが非常に熱心で,グローバル・アクション・プログラムの枠組みの中で,多様なアクションをいつでもどこでも体験できる環境が整えられている。そして,それに参加すれば,GAPマイレージポイントというものが与えられる。こうしたすばらしい環境の中で,少しきつい言い方かもしれないが,生徒たちには,逆に,甘えや依存の気持ちが生じていないだろうか。学校の中で先生に言われればやる,ポイントをもらえるならやる,というのではなくて,私が本当に見たいのは,学校の外でも,先生が見ていなくても,ポイントがなくても,ここの生徒が自発的にアクションを起こしている姿である。アクションが,仮に,学校のSGH活動の中だけで,ポイントの中だけで完結しているのだとすれば,それはプログラムが期待する「骨太の行動力」とは似て非なる姿であろう。今SGHの2年目であるが,今後3年目,4年目,5年目に入り,Can doを超えるDoがよりはっきり見えてくることを強く期待したい。時代を変える豊かな発想力と骨太の行動力,これら両面が目に見える形で附属の生徒に出てきたとすれば,その時初めて,附属のSGHはうまくいったといえるのではないかと思う。

◆課題の超克へ
 以上で述べた課題を超克する方向性は,すでに,附属の生徒の姿の中に立ち現れている。
 まず,「骨太の行動力」について。最近,六甲の駅でここの生徒たちが東北のための募金活動をしている姿を見た。「言われてやったの?」と生徒に聞くと,自主的にやっているのだと言う。このような姿が実際に見られるようになっているのはとてもすばらしいことである。
 次に,「豊かな発想力」について。この萌芽は今日の授業の中でも見られた。水不足をテーマにした授業(3年生ESD)の中で,生徒たちは,世界の水不足をどのようにすれば解決できるのかという問いに対して様々なアイディアを出していた。その中に1つ私が度肝を抜かれたものがあった。それは,「DNAレベルで人類を改造して,水が少なくても生きていけるようにする」というアイディアである。実現可能性や倫理性はさておき,常識にとらわれない,こうしたユニークな視点こそがイノベーティブな発想につながっていくのだろうと思った。いろいろな可能性が見られる今日の附属での1日だった。


2017/02/01

2017.1.27 外国語教育コンテンツ論コース第5回集団指導

表記の行事があり,石川ゼミからは,1名が修論最終試問で,1名が集団指導で発表を行いました。

〇M2:最終口頭試験

前浜 知味
「日本人中高生のための新しい英語句動詞リストの開発 ―コーパス言語学の外国語教育への応用を目指して―」




〇M1:研究指導演習

中西 淳
「日本人英語学習者による前置詞使用の計量的分析 ―学習者コーパス分析の結果を踏まえて 」