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2024/04/04

2024.4.4 ゼミの新入生歓迎会

大学院の新入生オリエンテーションがあり、国際文化学研究科外国語教育論講座石川ゼミでは、旧M2の2名が無事にD1に進学しました。また、新たに3名のM学生がやってきました。全体で、Dが3名、Mが3名、合計6名となります。

M1 魏婧云さん
M1 牟虹妮さん
M特別研究生 陈俊彬さん(北京外大大学院より交換留学)


大学での公式のオリエンテーション終了後は、神戸ハーバーランドに移動し、ゼミの歓迎会を実施しました。

神戸ハーバーランド「神天樓MINATO」にて

ようやく修復工事が終わりつつある神戸ポートタワーなど、メリケンパーク方面の美しい夜景と、おいしい料理を楽しみました。出ていく卒業生がいれば、入ってくる新入生がいる… 教師にとっても、春は、別れと出会いのシーズンです。


2024/04/01

2024.4.1 新年度開始

新年度が始まり、新たに下記の仕事を始めることになりました。

・文化庁文化審議会国語分科会臨時委員
・文部科学省日本語教師養成・研修推進拠点整備事業近畿ブロック事業責任者
・一般社団法人学びのイノベーション・プラットフォームSTEAM Curator

いずれも初めての仕事なので、自分に務まるのか不安もありますが、少しでも貢献できるよう、精一杯努力してまいりたいと思います。


京都東寺の桜

2024/03/26

2024.3.26 甲南女子中高スプリングセミナー(@神戸オルビスホール)で講演

甲南女子中高の新高1生の皆さんを対象に、探究学習の導入講演を行いました。

会場は神戸六甲アイランドのオルビスホール。

写真はホールのウェブサイトより http://www.rokko-island.com/convention/15


UFOのような建物として神戸では有名ですが、中に入ったのは初めてでした。こういう施設も貸出しておられるということなので、学会などで使ってもインパクトがあるかもしれません。

wikiで調べると完成は1997年3月。バブルはすでにはじけていた時期ですが、ちょっとバブルの名残を感じさせる、こういう尖ったデザインの建物はその後少なくなったような気がします。
 

2024/03/25

2024.3.25 ジャーナル2本を刊行

研究室がお世話をしているジャーナル2本が年度末ぎりぎりに公刊されました。

1)統計数理研究所共同研究リポート(ISM) No. 469

https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/cate_browse/?codeno=002&schemaid=30000&catecode=002089

2)Learner Corpus Studies in Asia and the World(LCSAW) No. 6

https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/cate_browse/?codeno=002&schemaid=30000&catecode=002007

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いずれも、神戸大の電子アーカイブkernelをプラットフォームとしての発刊です。電子アーカイブは、すでに出た論文のバックアップ置き場?というイメージがありますが、新規の学術出版の刊行媒体としても非常に有益です。出版経費が高騰する中、こうした形での論文公刊は、これから広がっていくかもしれません。

今回、図書館の方と相談し、それぞれのジャーナルを紹介する短い文章を載せていただきました。これで、ジャーナルの来歴や性質などが同時に示せることとなり感謝しています。

2024/03/24

2024.3.24 学習者コーパス研究会(@立川国語研)に出席

表記に参加しました。

■ 開催日時
時間:2024/3/24 15:00~17:00
場所:国立国語研究所

■ 発表内容
1)建石始先生 (神戸女学院大学)「話題は類義語分析に使える」
2)橋本直幸先生(福岡女子大学)「日本語教材と話題 ―読解教材データベースと教材コーパスの作成-」


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大変刺激的な発表で大いに勉強になりました。

国語研にはかつては頻繁にお伺いしていたのですが、コロナでイベントの大半が遠隔になり、コロナ収束後も遠隔のままのイベントが多いなかで、わたしにとっては、コロナ後初の立川訪問でした。研究会開始前に、参加者が各地のお菓子を持ち寄って談笑する姿など、対面ならではのひととき、久しぶりで懐かしく楽しみました。


コロナ前はなかった?ような気がする駅前の謎のオブジェ


 

2024/03/22

2024.3.22 文化庁日本語連携拠点事業準備会に出席

2024年の2月ごろから、文化庁の日本語教師養成・研修推進拠点整備事業 の申請の責任者をやっていました。短期での申請で、いろいろと大変だったのですが、ご賛同くださる機関も多く、無事に申請にこぎつけ、先日採択をいただきました。

本日は顔合わせということで、皆さんとオンラインでお目にかかることができ、いよいよ始まるんだなという感慨を持ったところです。

他機関の専門家の皆様に教えを受けながら、地域の日本語教育の振興に少しでもお役に立てばと思っています。

2024/03/21

2024.3.21 出版打ち合わせに参加

ジャーナル特集号の執筆者の打ち合わせ会議に出席しました。

今回はこれから2年以上かけてということで、なんとも壮大なプロジェクトですが、 他の皆さんの足手まといにならぬよう、テーマ選定に取り組んでいきたいと思います。

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席上、面白かったのが、締め切りに関する意見交換で、同じ言語学者でも、分野によって、大げさに言うと、

(A)与えられた締め切りは死守する。締め切りとはまさしく"dead (or alive)" lineだ

(B)締め切りはただの目安。書き上がったときが自分にとっての締め切りだ

ぐらい、異なるとらえかたがありそうです。私見ですが、教育系の人は、(A)が多い気がしますし、わたしもたぶんその一人です。まあ、学生に遅刻したら10点引き、というようなことを毎日言っているからでしょうか。。。

2024/03/20

2024.3.20 語彙表自動作成ツールEJWFTGのリリース

科研で作っていた表記システムがリリースされました。


 このツールは

(1)英語テキスト&日本語テキストに対応
(2)オンラインで稼働するのでOSを問わない
(3)どのファイルにどの語が何回出ているかを一覧表示する「統合語彙頻度表」を作成できる
(4)表層形、表層形+品詞、語彙素、語彙素+品詞の4モードの出力に対応

といった特徴を持ちます。

単語ごとにレンジ(出現するファイル数)を比較したり、多変量解析のベースデータを作ったりする際に便利ではないかと存じます。開発版のため、お気づきの点があれば、ご教示いただけますと幸いです。

ツールへのアクセス

使い方(解説論文)


2024.3.20 英語コーパス学会ESP研究会(@京都キャンパスプラザ)で講演

表記で講演を行いました。

イベントの告知ページ


第2部 ワークショップ 14:50-15:50
「森を見ながら木を見る」コーパスデータ処理方法の提案―英語・日本語の複数テキストから形態素解析済み統合頻度表を自動作成するEJ-WFTGの開発―
(石川慎一郎 神戸大学教授)

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概要

【森から木へ】 ESP研究,史的言語研究,社会言語研究,習得研究など,言語変種間の差異の解明を目指す研究においては,集めたテキスト資料を特定の観点(ジャンル,時代,発話環境,母語・習熟度など)で群化してマージし,マージデータ間で計量的な比較を行って,特定変種の特徴語や特徴表現を抽出するアプローチが広くとられています。この場合,研究の関心は,変種というまとまり,たとえて言えば,1つの森に向けられていることになります。しかし,森の実態は雑多な樹木の集合であり,その中には,高い木もあれば低い木もあり,常緑樹もあれば落葉樹もあることでしょう。このことをふまえれば,言語変種研究においても,「森を見ながら木を見る」,つまりは,群の情報を保ったまま個体データを観察するというアプローチが重要になってきます。


【複数テキストデータからの統合頻度表の作成】 こうした立場に立つ場合,まず必要になるのは,数十種,時には,数百種におよぶ個別テキストごとに,そこに含まれるすべての語の頻度を調べ,それらを全テキスト間で相互比較できるようにした「統合語彙表」の作成です。しかし,個別テキストから作成した頻度表を,エクセル上で加工して1つの巨大な「統合頻度表」に仕上げていくのは,手作業では膨大な時間がかかります。また,語彙頻度を扱う場合は,出現形(表層形,書字形,表記形)と集約形(語彙素,レマ)といった単位の違い,さらには,個々の語の品詞にも着目する必要がありますが,これらの処理もきわめて煩瑣なものです。


【EJWFTG】そこで,石川研究室では,一連の作業を自動化するEnglish/Japanese Word Frequency Table Generator(EJWFTG)を開発・公開しました。EJWFTGは,(1)日本語・英語の2言語に対応し、(2)OS環境を問わず稼働し、(3)基本形から集約形への変換、(4)品詞情報の付与、の一連の作業を自動処理する統合頻度表作成ツールです。EJWFTGは、Google Colaboratoryの機能を使って作成されており、Pythonで処理が行われます。EJWFTGは,ESP研究者はもちろん,史的言語研究者,社会言語研究者,SLAや学習者コーパスの研究者など,何らかの形で変種の問題を扱う幅広い研究者にとって有益なツールになると思います。なお、EJWFTGは今尾康裕氏のCasualConcの機能にインスパイアされて開発されました。


【ワークショップ】 ワークショップでは,まず,筆者自身の過去の研究(とくにコーパスを用いた性差研究)を振り返りつつ,「森を見ながら木を見る」アプローチの重要性についてお話します。続いて,EJWFTGの使用法をハンズオンで解説します。その後,ESP分野のサンプルデータ(当日配布)から実際に統合頻度表を作成してみます。余裕があれば,フリーの統計処理ツールを用い(当日配布),統合頻度表をベースとして,クラスター分析や対応分析を実行する方法も学びます。当日は各自にパソコンをご持参いただき,一連の作業をご自身で体験いただければと思います。おそらく1時間で,EJWFTGでの処理から多変量解析までの処理の流れを身につけていただけるのではと思います。受講にあたり,特段の前提知識は不要ですが,院生の方などで,こうした処理の経験がまったくない場合は,語彙論の基本的な枠組み,とくに,出現形と集約形の違い,単語の品詞判定の方式などについて,少しだけ学んでおいていただけると当日の理解が早まるかと思います(たとえば,石川2023『ベーシックコーパス言語学(2版)』の7.1.3~7.16などを参照)。また,3月末以降,復習用資料として,下記がオンラインで読めるようになる予定です。

石川慎一郎(in press)「『森を見ながら木を見る』学習者コーパス研究の意義―複数テキストから統合頻度表を自動作成するEJWFTG開発の狙い―」『統計数理研究所共同研究リポート』469, 1-22. https://x.gd/WoiEV

2024/03/19

2024.3.19 兵庫県立加古川東高等学校SSH探究英語発表会に参加

表記に参加し、講話を行いました。探究の指導では多くの高校に出かけていますが、今回の発表は研究水準が抜群に高く、非常に感銘を受けました。英語も立派で、SSHの掲げる理念を非常に良い形で体現された発表だったと思います。

特に印象に残ったのは、同校OB、OGの大学生(大学院生)が研究サポーターとして大きな役割を果たしていたことです。英語質疑における彼らの鋭い質問にも感心しました。

SSHのまさに先端を磨くような加古川東の先駆的な取り組みが、今後、さらに大きな実りをあげるよう大いに期待したいところです。

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加古川は、祖母の生地であり(記憶があいまいですが)、おそらくはそのために、幼児期に、何度か、加古川の鶴林寺(かくりんじ)を訪ねた記憶があります。

ということで、発表会の前に、40年以上?ぶりとなる鶴林寺訪問をしてきました。

境内

花の寺とも

40年前とあまり変わっていない気もしますが、唯一、大きな変化は、昔はなかった、立派な宝物館が出来ていたことです。



宝物館内の説明文を読んでいて、はじめて、鶴林寺で文化財の大規模な盗難事件があったこと、そのため、いまは宝物館に複製品を展示していること、などを知りました(参考)。この問題は、背景が深く、いろいろと考えさせられました。




2024/03/18

2024.3.18 国立国語研究所日常会話コーパスシンポに参加

表記(オンライン)に参加しました。

当日のプログラムはこちら

ポスター発表では、下記の2本が特に勉強になりました。


柏野和佳子(国語研究所)「「要するに」は何を要しているかーCEJCを用いてー」

丸山直子(東京女子大学)「話し言葉の副助詞・係助詞ーCSJ,CEJC,CEJC-childを用いてー」


会話コーパスの場合、物理的なデータ量の制約から、そもそも出てこない語彙や表現も少なくないため、研究テーマをうまく見つけることが一般のコーパス研究以上に大事になります。その意味で、つなぎことばや助詞に注目するアプローチは会話コーパスの良さを引き出す有効な切り口だと思われます。

2024/03/16

2024.3.16 中国語話者のための日本語教育研究会(第55回、関西大学大阪梅田キャンパス)に参加

表記に参加しました。 久々の対面学会ということで、刺激的でした。Zoomでも質問はできるのですが、やはり、直接顔を見て、意見交換ができるのが対面学会の良さだと改めて感じました。

学会のサイト


当日の発表リスト

王凱男(岡山大学大学院)現代若者の自然会話における接続詞の使用実態―性差に着目して―

李欣然(中国・北京外国語大学大学院)学習者の気づき機能が日本語の会話習得に与える影響

浦井智司(早稲田大学大学院)非母語話者教師の考えるオンライン化できない日本語母語教師の役割―コロナ禍に始まったオンライン授業を中心に―

林燕燕(東京外国語大学大学院)中国の日本語教科書における漢語動作名詞を用いた機能動詞結合の提示状況に関する一考察―教科書間の比較を中心に―

劉藝寒(東京都立大学大学院)読解指導を受けた後に中国人日本語学習者による同一文章の要約文に現れた変化―残存内容と表現形式に着目して―

孫守乾(東京都立大学大学院)日本語卒業論文の最終章における構成要素とその指導の考察―指導教員に対する半構造化インタビューから―

目黒裕将(エイム奈良国際アカデミー) 中国の日本語専攻大学生による言語分野の卒業論文テーマ―X大学を対象としたテキストマイニングを用いた卒業論文題目分析―

邢修強(中国・上海外国語大学大学院)中国人日本語学習者の「~的」の誤用分析

劉志毅(早稲田大学大学院)日本語簿記の専門用語の特徴と授業導入の最適な時期について―日本語学の知見を援用した「日本語+α」人材の育成を目指して―

蔡苗苗(大阪大学大学院)ピア・レスポンス活動による学習者間の知識構築過程の分析―中国人日本語学習者に対する縦断的調査をもとに―

崔英才(中国・淮陰師範学院講師)オンラインの接触場面会話におけるスピーチスタイルシフト―中国国内の学習者の習得問題を中心に―

郭テイテイ(関西大学大学院)断り場面における中国語を母語とする日本語学習者の言いさし表現の使用実態―日本語母語話者と比較して

2024/03/14

2024.3.14 研究生の最終発表会と送別会

北京外大大学院からの研究生である蒋钰豪氏が、半年間の日本での研究生活を終えて帰国されることになりました。

コーパスを用いた批判的談話分析という意欲的な課題を遂行され、短期間でしたが、立派な成果を挙げられました。

最終ゼミ
 

蒋钰豪氏による研究プレゼン

送別会(神戸北野)

蒋氏の益々のご活躍と、北京外大と神戸大の研究の絆のさらなる深化を願います。

2024/03/09

2024.3.9 JACET関西支部大会に参加

表記に参加しました。

Chat GPTに関する基調講演(水本篤先生)は非常に啓発的で、いろいろと考えさせらえました。とくに、「Chat GPTは単純な語数計算に弱い」というのは気づかなかった盲点で、このあたり、Chat GPTのアルゴリズムの不思議を感じます。

学会ウェブサイトでの報告ページはこちら。 


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今回の学会ではもう1つ嬉しい出会いがありました。2007年ごろ、神戸大の修士で勉強され、私のゼミにも出てくれていた中国からの留学生が、その後、博士号をとって、日本の大学の教員になっておられました。17年ぶりの再会ですが、会った瞬間、17年前の楽しかったゼミ風景と直結しました。ますますのご活躍を祈ります。

2024/03/04

2023.3.4-5 The 1st Linguistics Studies Conference (LSBC 2024)において研究発表

クウェート大学(クウェートシティ)で開催された表記学会において、研究発表を行いました。

Shin Ishikawa (Kobe U)

Automated Assessment of Asian EFL Learners’ L2 English Speeches and Essays: A Comparison of Lexus-based and Lexicogrammar-based approaches



 GRA v2.1を用いた自動スコア推定の試みです。


Routledgeの本(2023.3)では、高頻度語で推定をやったのですが、高頻度語に代えて、語彙文法タグを使えばどうなるか、というのが今回の関心事だったのですが、やってみると推定精度は上がってきます。

ただ、発表後、あれこれ考えていると、高頻度語とBiberタグはorではなくandでも使えるなという気がしてきました。今後、andで組み込んだ分析をしてみたいと思います。


Laurence Anthony氏、Stephen Gries氏、Robbie Love氏、Tony Berber Sardinha氏ら、世界のコーパス研究の著名な研究者が集っており、はるばるクウェートまで出かけた苦労が報われる、非常に質の高い学会でした。

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お隣のドバイやアブダビには学会で行ったことがありましたが、クウェートは初めてでした。

SF的近未来すぎる? クウェート大学キャンパス


夜のクウェートタワー

2024.3.4 (研究メモ)NiniのMAT(Multidimensional Analysis Tagger)プログラムにおけるTTRの設定について

サンプルファイル

ICNALE_WE_CHN_PTJ0_001_B1_1 


1)Antconcでの語数確認

調整なしTTR=134/272=49.2%


2) MATでTTR基準272でやってみる

ぴったり272で処理


3) MATのカウント結果

トークン語数はおそらく句読点などの処理の関係で10語減っているが、
TTRは137のまま。
☛ MATのTTRは比率値ではなく、実際にはタイプ数

4) MATでTTR基準を思い切って10にしてみる(この場合、最初の10語だけを数えるのか?)

TTRは10となった。

ちなみに該当10語はこちら。Now many parents and teachers disagree that college students have。重複はないのでトークンもタイプも10。


5) MATでTTR基準を実際の272語より長い400語にしてみる。

137のまま。


結論
1)TTRは誤解のあるかきかたで、「別途指定したサンプル長におけるタイプ数」というのが正しい

2)MATが聞いている「TTR指定」というのは、タイプ(異なり語数)を数えるための、テキスト冒頭からの分析対象長の指定、と理解したほうがよい。

3)たとえば、100語、1000語、1万語のテキストを同時分析する場合であれば、最小の100語にそろえておくのが正解。もし1万語に設定すると、100語や1000語ファイルは基本条件で圧倒的に不利になってしまう。しかも基準値は出力のエクセルに記録されないので、分析者もチェックの手段がなくなる。ただし、100語に設定した場合、たとえば500人の作文をマージした群データなどを見ているのであれば、冒頭の1人目の作文(の一部)しか見ていないことになる。



2024/02/23

2024.2.23 英語コーパス学会「コーパスと言語変異SIG」研究会にオンライン参加

表記の研究会にオンラインで参加しました。

イベントURL

・研究発表1
「英語のポップカルチャーの中に見られる日本語借用語-2000年代の洋楽に注目して-」
河野 美月(関西学院大学教育学部学部生)

・研究発表2
「keywordとn-gramから見たマザーグースのphraseology」
谷 明信(関西学院大学)

・研究発表3
「生成AIの添削は英語エッセイの使用語彙のレベルをどう変えるのか?」
杉森 直樹(立命館大学) 


どれも興味深い発表でした。3つ目のご発表はとても啓発的なもので、お話を聞きながら、英語教育において添削をAIにさせるのはよいとしても、それだったら、そもそもAIに最初から英語で作文させたほうが早いじゃん・・・と生徒・学生が言い出さないかなあというような印象を持ちました。また、そう言い出した場合に、教師はどうこたえるべきなのか、これは悩ましい問いです。AI全部だめ、というのであれば(頑固で古臭いということは別にして)話は早いですが、一方で、添削には使っていいが作文には使っていけないよ、というのは、電卓を渡しておいて、足し算はしてよいが掛け算には使うな、と言っているようにも思え、このあたり、ややもやもや感も残るところです。結局は、不幸にしてこういう時代に教師をやっている我々の覚悟なり、知見というものが問われてくるのでしょう。

2024/02/19

2024.2.19 兵庫県立兵庫高校探究中間発表会を観覧

お招きをいただき、表記を観覧しました。

兵庫高校の探究の魅力は、生徒の自主性を最大限に生かしておられることで、多くのみなさんが、ご自身の関心を大切にして探究に取り組んでおられます。

開催前には、同校の先生方から取り組み概要についてご教示いただきました
(画像匿名加工済み)

どの学校に行っても感じるのですが、最近の高校生は昔に比べてはるかに忙しくなっています。そうしたなかで、探究を具体的に、かつ効果的に、日々の指導に落とし込んでいくためには、教師が使える時間、生徒が使える時間、探究の位置づけ、探究で目指すべき地点と水準などなど、多くのパラメタを組み合わせた難しい方程式を解くような作業が必要になってくるでしょう。地域を代表する兵庫高校の生徒さんのさらなる発展が期待されるところです。

2024/02/17

2024.2.17 兵庫県立姫路西高校SSH成果発表会に出席

表記に招待をいただき、来賓として出席しました。会場は姫路駅前の「アクリエ姫路」。立派なホールで、生徒さんはすばらしい発表をなさいました。


今回は、課題研究外部指導員としての参加です。
他にも京都大や兵庫県立大の教員が数多く指導員になっておられます。


駅から5分の立派な大規模施設でした。

ホール入り口

午前中はポスター発表を聴講(画像匿名化加工済み)

午後は代表生徒の発表を聞きます。1か月前に指導した3班も
英語で立派に発表をやり遂げました(画像匿名化加工済み)

 

2024/02/14

2024.2.14 東洋大学でオンライン講演

表記で、海外学生向けのオンライン講演を行いました。

《2024春季東洋大学ビジネス日本語ポイント講座》
1) 日時:2024年2月14日(水)13:00~14:30(90分、質疑応答を含む)
2)   テーマ:ビジネス日本語と翻訳・通訳-2つの言語を行き来する面白さ-
3)   担当講師:石川慎一郎
4) 所属:神戸大学・教授
5)   対象:N2以上
6)   受講料:無料   

昨年度に引き続き、2回目の登壇ですが、今年も参加者の方の熱意が高く、大変充実した時間になりました。


講義では翻訳理論を概観した後、Ai翻訳に触れるのですが、1年間の動きが激しく、毎年、スライドを大幅に作り直すことになります。今回は講演会の直前に、GoogleのBard-->Geminiへの変化がありました。

2024/02/11

2024.2.11 神戸大学附属中等教育学校2023年度「授業研究会」及び「SSH 報告会」で講話

表記で研究助言と講話を行いました。 


SSH指定のもとで、高度な探究活動を展開しておられる附属の先生方に敬意を表します。ただ、これだけ質があがってくると、探究というものは、何をどこまで目指すべきなのか、改めて感がる必要が出てくる気もします。その意味で、一緒に講話された山田先生が、高校生がいたずらにむつかしい統計手法を使うことに疑問を示されたことは大変心に残る指摘でした。大学(院)生の単なる先取りなのか、そうでないのか、そうでないなら何が究極の目的なのか、関係者は今後も議論を続けていく必要があると思われます。


2024/02/09

2024.2.9 G-Naviシンポジウム/第42回神戸大学グローバル教育センターコロッキアムに参加

本学グローバル教育センターが主催する表記のイベントに参加しました。大学関係者のご発表はもちろん、パソナの方の発表、神戸市役所の方の発表など、いろいろと勉強になることが多い一日となりました。




ちなみに、学内でよく聞くG-NaviがGlobal Nada Villageの略だと知ったのが今日一番の驚きです。

2024/02/03

2024.2.3 学習者コーパスシンポLCSAW6 実施

科研事業として表記を開催しました。

イベントのURL 


 当日は、石川のほか、ゼミ生3名もポスター発表で参加しました。

左から石川・飯島真之(M2)・廉沢奇(M2)・陳迪(D2)

冒頭のあいさつでも述べたのですが、まがりなりにも6回このイベントを続けてこられたのは、この分野に関心をもってくださる方が多くいてくださるおかげだと思います。学習者コーパス研究(LCR)は、すそ野の広い研究分野であり、ICNALEやI-JASが普及する中で、LCRの研究がさらに活発になっていくことを期待します。

2024/02/02

2024.2.2 国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コース修士最終試験

表記が開催され、石川ゼミからは2名の学生が最終発表・最終審査に臨みました。

1040-1110
M2 廉沢奇「日本語日常会話におけるABAB型オノマトペ―母語話者・学習者コーパス調査に基づいて―」
本研究は習得が難しいとされるABAB型オノマトペについて、コーパス言語学の手法を用い、日常会話に絞って、(1)まず学ぶべき重要語、(2)音と意味の関係性、(3)学習者の使用実態、(4)教材のあり方について調査を行い、今後のオノマトペ教育に提案した。



1110-1140
M2 飯島真之「現代英語における確信度副詞―コーパス研究結果の教育的応用を目指して―」
英語における確信度副詞(ADC)(certainly、definitely、probably、maybe等)の概要や研究課題を概観し、コーパス言語学の手法を用いて、(1)現代英語、及び(2)教育的視点の2観点から、ADC使用を考察する。また、研究から得られた教育的示唆についても議論する。


2年間(廉沢奇君は研究生含めて2年半)、お疲れさまでした! 

2024/02/01

2024.2.1 兵庫県立伊川谷北高校で講演

表記で1年生向けに、2年次以降の本格的な探究の導入講演を行いました。 同校では、1年次は身近な学校の問題を取り上げてミニ探究をなさっておられます。導入としては取り組みやすく良いテーマだと思われます。


なかなかユニークな提案も。

ただ、限られた時間で、どの程度までやらせるのかは、どの学校においても悩ましい判断だと思われます。探究というのはしっかりやろとすると時間がどんどん溶けていくものなので…。まじめで意欲的な伊川谷北の生徒さんのさらなる発展が期待されます。


2024/01/24

2024.1.24-28 Thai TESOL Int'l Conferenceで発表

タイ、チェンマイで開催された表記学会で研究発表を行いました。当日は、科研でやっているL2評価データセットについて報告しました。


発表パワポ

発表風景

ICNALE立ち上げ時にお世話になったSonthida先生との10年+ぶりの再会!


珍しく閉会式まで出席したら、景品(Tシャツ)があたった…





 

2024.1.24 東京外大川口先生科研シンポに出席

下記にオンラインで参加しました(一部のみ)。王先生の発表では、拙研究にも触れていただき、うれしく思った次第です。

イベントの記録
https://www.tufs.ac.jp/ts/personal/ykawa/index.php?id=458

2023年度 国際ワークショップ 国立台湾政治大学との共同研究に向けて
場所:2024年1月24日(水)
形式:ZOOMハイブリッド会議
場所:青山学院大学 17503教室

言語研究と学習者言語研究 (日本語・フランス語 通訳なし)

14:00-14:20 はじめに
 司会 川口 裕司(東京外国語大学名誉教授)
14:20-14:40
政治大学外国語学部(院)の紹介
 王 淑琴(国立台湾政治大学教授)

14:40-15:30
日本語の動詞と構文との関係
 王 淑琴(国立台湾政治大学教授)

15:30-16:20 Application de la Grammaire d‘arbres adjoints à l’enseignement  de la syntaxe française
  李 允安(国立台湾政治大学副教授)
16:30-17:10
La prononciation danes les manuels de FLE :  le cas de la liaison
 近藤 野里(青山学院大学)

17:15-17:55
L2日本語発話に対する母語話者評価に影響を与える韻律素性
   布村猛(山梨大学専任助教)

18:00-18:40
産出活動におけるLLM-GAIをもたらした効果についての一考察
 王 睿琪(東京外国語大学特別研究員)   林 俊成(東京外国語大学教授)


2024/01/23

2024.1.23 兵庫県立姫路西高校で講演

西高校の国際理学科の生徒さん向けに講演を行いました。前半は全生徒さんに向けて、一般的な探究の方法論についてお話しし、 後半は選抜学生さんの個別の探究発表の改善について助言を行いました。優秀な生徒さんたちで研究の質も高く、今後の展開が楽しみです。


講義用資料(講義は英語で行いました)


改修後初めての姫路城(外観を見ただけですが)





2024/01/22

2024.1.22 作業メモ:kindleに購入済みのデータがダウンロード&登録できない問題

サポートと1時間以上苦戦してようやく原因を特定できました。


◎症状:購入済みの本をkindleにダウンロードしようとすると、保留→ダウンロードと出てプログレスバーが表示されるが、右端の「縦書き・・・」で<本を開く>を押そうとしてもグレーアウトされて押せない。さらに右端下にはDL登録成功するとと出るはずの「✓」マークが出ず、「!」のまま。「!」を押すとボタンが「X」になって再度DLを試みるが同じ状態。

◎原因:kindleのデータのダウンロード保管場所がなぜかMSのone driveになっていた

◎解決方法:

1)kindle開く

2) ツール<オプション<コンテンツ<DL先を変更(Cドライブなどに)

3)ツール<登録<登録解除<(警告でるが問題ないので)<解除

4)再度kindleたちあげ

5)ツール<登録<アカウント入れて再度登録しなおす

6)kindleに本の表紙が一覧表示

7)ダブルクリック→無事にダウンロード&登録が完了


自分メモとして。



2024/01/19

2024.1.19 大学院「コロキアムⅡ」でゼミ生が発表

D2学生の進級試験となる表記の会(オンライン)でゼミ生が発表しました


陳 迪(D2)日本語コーパスを用いた漢語動名詞の用法解明と日本語教育への応用 


発表、おつかれさまでした。

2024/01/12

2024.1.12 関西学院大学門田修平教授最終講義に出席

表記に出席しました。


最終講義は、人生をふりかえって・・・的なものが多いのですが、門田先生には専門分野の最新の知見と自身の近刊書の内容をご講義いただき、大変勉強になりました。また、心理言語学の研究を発展させていく中で、社会(社会脳インタラクション)へと関心が広がってきたというお話も大変心に残るものでした。先生の柔軟な研究姿勢と変わらぬ生産性、大いに刺激を受けた西宮での一日でした。門田先生、お疲れ様でございました&益々のご活躍を!



2024.1.12 関西学院大学門田修平教授最終講義に出席

表記に出席しました。

大学院のゼミの卒業生の方々が中心に運営された会で、先生のお人柄が伝わる楽しい最終講義でした。

門田先生は、長いキャリアの中で、精力的に研究分野を広げてきておられ、最新刊では、従来の心理言語学ではそれほど注目されてこなかった「社会脳インタラクション」 へのご関心を見せておられます。わたしはこの分野の専門ではないですが、心理言語の枠組みに社会を組み込むという発想は、とてもエキサイティングだと思います。コーパスの世界では、語用論のほうからコーパスに接近した事例はありますが(宇佐美先生のBTSJなど)、逆にコーパスを基盤として語用論や社会コミュニケーションに接近するアプローチがあってもいいのでは、などと夢想しながらご講義を聞いておりました。とても刺激的な1日でした。門田先生、長年のご公務、まことにおつかれさまでございます!


2024/01/11

2024.1.11 兵庫県立鳴尾高校で講演

表記で1年生の皆さんに講演を行いました。

講師 石川慎一郎
演題 English for Academic Purposes


最近の高校では、探究活動や調査研究活動と英語を結びつける動きが盛んで、その際、EAPというのは大事な概念になると思われます。EAPは、ふつう、論文の書き方とか、論文のムーブ(意味単位)の構成といった話を指すのですが、EAPの概念を口頭発表に拡張すると、英語でどう内容をまとめ、どんな英語で、どう効果的にプレゼンテーションするか、という話になってきます。こうなると、英語の指導と中身の指導は事実上一体であり、そうした教育的アプローチに最近関心を持っています。要は英語を徹底的に手段化することでのみ、はじめて、英語を自分事として真摯に学べるようになる、というような・・・

鳴尾高校、初めて伺いましたが、最寄りのバス停のローソンのデザインに驚きました。ここから甲子園はすぐ、のようです。


阪神ファンの人にはささる店舗ですね。。。


2024/01/06

2024.1.6 計量国語学会理事会に参加

表記に参加しました(オンライン)。毎回、学会運営について、いろいろ学びがあります。

様々な学会の役員会に出させてもらって思うのは、大きいところも、小さいところも、運営の大変さは基本的に同じだなあということです。また、全国的に専任研究者の数が減っている(が学会は増えている)状況の中で、個々の学会の運営をどう安定的に持続させるか、というのもなかなか悩ましい課題です。もっとも、後者については、次の世代の人たちにお任せ、という気分ではいますが…