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2019/06/29

2019.6.29 宇佐美科研シンポで発表@国立国語研究所

下記の研究会で招待発表を行いました。

第1回 語用論コーパス科研成果発表会 「『語用論的分析のための1000人自然会話コーパス』構築の趣旨と活用法」



主催
科研費基盤 (A) 「語用論的分析のための日本語1000人自然会話コーパスの構築とその多角的研究」 (研究代表者 : 宇佐美まゆみ)
国立国語研究所 機関拠点型基幹研究プロジェクト 『日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明』

開催期日
2019年6月29日 (土) 10:30~17:30

開催場所
国立国語研究所 2F 講堂 (東京都立川市緑町10-2)

プログラム
10:30~10:40
開会挨拶
宇佐美 まゆみ (国立国語研究所)

10:40~11:20
「語用論的分析に適したコーパスとは?」
宇佐美 まゆみ (国立国語研究所)

11:20~12:00
「『BTSJ自然会話コーパス』の全体的な特徴と今後のデータ拡充について」
宇佐美 まゆみ (国立国語研究所),山崎 誠 (国立国語研究所)

13:00~13:40
「小学生と成人の会話の収集と今後の研究可能性」
大塚 容子 (岐阜聖徳学園大学),宇佐美 まゆみ (国立国語研究所)

13:40~14:20
「インドの観光コミュニケーション会話の収集とその活用法」
重光 由加 (東京工芸大学),宇佐美 まゆみ (国立国語研究所)

14:30~15:10
「『BTSJ自然会話コーパス』の形態素解析のための補助ツールの開発について」
山崎 誠 (国立国語研究所),宇佐美 まゆみ (国立国語研究所)

15:10~15:50
「『BTSJ自然会話コーパス』を用いた話者属性研究の方法について~男女大学生の文末詞使用を例に~」
石川 慎一郎 (神戸大学)
母語話者研究,学習者研究を問わず,従来のコーパス研究の多くは書き言葉を分析対象としていた。しかし,言語の振る舞いの本質を考える場合,話し言葉の分析の重要性は言を俟たない。一般に,書き言葉の分析では,巨大なデータが利用可能であるため,個体差は捨象され,匿名的・一括的な処理がなされる。しかし,より小規模なデータを扱うことの多い話し言葉研究では,個体差をどう扱うかが課題となる。本発表では,石川 (2018a,2018b,2019他) での議論をふまえ,『BTSJ日本語自然会話コーパス (トランスクリプト・音声) 2018年版』に含まれる母語話者大学生の会話データを素材として,個体と属性群のずれの位相について論じる。

当日の発表資料より:女性文末詞とされる「てよだわ言葉」の意味の変遷について

15:50~16:30
「『BTSJ自然会話コーパス』に基づいた対話システムの構築にむけて」
片上 大輔 (東京工芸大学),宮本 友樹 (東京工芸大学)

16:40~17:20
パネリスト間,フロアとの討論,質疑応答
コーディネーター : 宇佐美 まゆみ (国立国語研究所)

17:20~17:30
全体の総括

17:30
閉会挨拶

2019/06/28

2019.6.28 神戸大学国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コース集団指導

表記が実施されました。

<日時・場所>
2019年6月28日(金) 9:30-11:30
D615教室

ゼミ生の発表

09:30-09:50 中西淳(D2)「現代英語コーパスを用いた前置詞atの意味機能の解明―辞書記述との比較をふまえて―」


10:20-10:40 張晶鑫(D3)「中日対訳コーパスに見る日本語オノマトペの翻訳状況}


10:50:11:30 ポスター発表

王思閎(M2)「日本語学習者の発話におけるオノマトペ使用」
肖錦蓮(D1)「現代日本語における一人称単数代名詞の選択と書き手スタンスの表出」
鄧琪(D1)「コーパスに基づく外来語形状詞の後続要素 「ナ」・「ノ」についての調査」


2019/06/21

2019.06.21 神戸大学附属中等教育学校 SGH特別指導

附属中等教育学校では生徒全員が卒業までに各自の個人研究に基づき,18,000字の卒業研究を執筆します。

今般,6年生(=高3生)の論文提出が終わり,最終発表のための準備指導の講演を行いました。

演題:How to present your research:伝わるように伝えないと伝わらない


「伝わるように伝えないと伝わらない」という副題は,私自身が,大学院生の指導などでいつも感じていることです。そもそも論文執筆と研究発表は違います。様々な背景を持った聴衆を対象とする研究発表では,自分のやった実験や調査の全部を伝えることを優先するのではなく(生徒さんや院生さんはそうしがち),内容を絞り,論理的なストーリーがうまく伝わるよう,また聴衆がそこから何かをつかみ取れるように,感じ取れるようにするのが鉄則であるといったお話をいたしました。「"プレゼンターファースト"から"リスナーファースト"へ」というのが良い研究発表のコツと言えそうです。

2019/06/18

2019.6.18 兵庫県立津名高等学校インスパイア―事業特別講義

表記で特別講演を行いました。

(津名高校ウェブサイトより)


演題:社会の問題に向き合う―英語プレゼンテーションを通した思考力の開発―



講演では,問題をどう発見し(問題発見力),その解決をどう模索し(問題解決提案力),そのアイデアをどう伝えるか(意見伝達力),といった点についてお話をさせていただきました。





津名の生徒さんは優秀で,みなさん,英語はお上手なのですが,肝心の「提案内容」という点ではさらに工夫の余地もあるように感じました。次回の指導での彼らのさらなる成長が楽しみです。

津名に行くたびに,淡路側から,あるいは舞子側から,絶景が楽しめます。


人の思考というのは,もしかすると,日々見ている景色によっても育まれるのかもしれません。




2019/06/16

2019.6.16 大学英語教育学会理事会・総会参加

大学英語教育学会(JACET)理事会
日時:6/16(日) 1030-1400 
場所:JACET事務所(旺文社/英検ビル)

表記に参加しました。

この理事会をもって,2年間の理事の任期が終わり,無事に解職となりました。JACET本部のある英検ビルに通うのもこれにてひとまず終了です。

いくつか雑感
1)学会の本部を関連する出版社や教材業者の社内に置くのは伝統的に広く行われてきたが,今日,利益相反などの誤解を与えないよう,見直しが必要かもしれない
2)学会の業務が膨大になり,研究や交流といった学会の本質的な目的ではなく,「会の維持・運営」そのものの作業量がふくれあがっている状況をどう整理するかが今後問われるだろう
3)たとえば「日本応用言語学会」等,大きなアンブレラ学会を1つ作って事務作業はそこに集約し,その下に現在の各学会をSIG的に吊り下げるような方向に移行できないものだろうか。今の学会の乱立状況が持続可能だとは思えない。
4)若い会員が,国内の学会を通り越して,直接,海外学会に参加したり海外ジャーナルに投稿したりするようになっている現在,「国内学会」の意義を再度確認する時期に来ているかもしれない。

※所属する他の学会でのうごき(参考)
日本語学会運営方針大綱(2019.5)

◆趣旨
昨今の会員減少を主たる要因として学会の運営財源が縮小する中,今後とも学会としての責務を十全に果たしつつ,安定した学会運営を持続していくために,以下のような運営方針の大綱を定める。2019年度~2020年度の間は,特別な事情のない限り,この大綱に沿って日本語学会を運営していくこととする。

◆1. 事務体制の変更について
事務室を中心に行ってきた主要な学会運営業務を,事務代行業者への業務委託に切り替えていく。業務委託のできない業務については整理して委員等に割り振るか,または業務自体を廃止する。具体的には,下記のような業務である。
1 会員管理(入退会の処理,会員データベースの維持管理等)
2 会計管理(会費収受,各種経費の支出,帳簿管理等)
3 事務局機能(各種手続きの起案・実施,各種問い合わせへの対応,文書管理等)
4 機関誌編集業務(投稿受付・管理,著者・出版社・印刷所とのやりとり等)
5 大会業務(大会発表応募受付,大会発表予稿集の編集,大会参加費・懇親会費の収受等)
以上の移行に伴い,事務室および事務室員制度は廃止する。



2019/06/15

2019.6.15 JACET東アジア英語教育研究会参加

第198回東アジア英語教育研究会

日時:2019年6月15日(土)15:30-17:35
場所:西南学院大学3号館402教室(旧図書館棟)

発表1:「Serious ENGLISH with Lego Bricks: Facilitating Communicative Competence in English Education」 Hisako, OHTSUBO (Showa Women’s University)

発表2:「小学校英語教員(JET)養成と小学校教材内容と使用語彙の分析」木下正義(元福岡国際大学)・柏木哲也(北九州市立大学) 
・「小学校英語教員(JET)養成の現状」木下正義(元福岡国際大学)
・「日本とフィンランドの小学校英語教科書に出てくる語彙比較」柏木哲也(北九州市立大学)

聴講の感想
・第1発表では,レゴブロックを使った教授法の紹介があった。講師がお題を出すと,学習者はそのお題に近いイメージをレゴで作る。その後,自分の作ったレゴの作品がなぜ当該のお題を表現しているのか英語で説明するといった内容。ice-breakingとしては一定の効果がありそうだが,質疑の際に「真に知りたいから聞く」という形でのやりとりが生じるかという点では難しさもあるのではと感じた。また学習者を選ぶ手法と言えそう。なお,こうした目的でのレゴの使用はsilent wayにおけるcolor rodを想起させた。

・第2発表では,フィンランドの小学校英語教科書語彙分析の結果が興味を引いた。日本の教科書は地名や色名が多いのに対し,フィンランドのほうはより社会的・政治的な語彙も多いとのこと。総語数は日本がwe can/ let's tryの計4冊で700語,フィンランドは小6用の1冊(※これには小3~小6で出てきた語をすべて含む。石川注)で約2400語。

※なお,この発表は甲南女子大学の米崎里先生の新聞記事がもとになっているということで,関連情報を整理したところ以下の論文を見つけた。


以下,閲読メモ
・小3から第1外国語,小5から第2外国語
・小学校では通例週2H
・小中校の標準授業時数は日本より短い(日本928H vs フィンランド684H)
・自律性を目指す
・教科書Wowの3~6年生用の読本+ワークブック8冊を分析(比較対象は中学校用のNew Crownの3冊)
・語彙数計量はテキストコーパス分析ではなく巻末語彙リストベース。
・英語見出しリストに基づくと各学年の新出語(概数)は小3で800,小4で500,小5で700,小6で900,4年間合計で2500。
・本文のセンテンス数を比較するとフィンランドは4年間で3500,日本は中学3年間で1400。
・文法はスパイラル配列。
・読本にはCDがついていて家庭学習でも音声に触れられる
・ワークブックでは文法・機能についてspecific なcan-doが学修目標として明示

2019/06/10

2019.6.10 尼崎市中学校教員による授業見学

尼崎市の中学校の先生がた,教育委員の指導主事の先生が,大学での「アクティブラーニング」の実践視察の目的で,当研究室が実施している学部生向けの英語授業を見学されました。

当日の授業の流れ

1. Dictation (世界の「幸福度」について報告したCNNニュースを聞く)
2. Prepared Speech(上記と関連して事前準備のスクリプトを用い,「大学生の幸福度を向上させる提案」を英語でプレゼンする)
3. Impromptu Speech(当日与えられた課題について1分間の即興スピーチを行い,語数をその場でチェックする)
4. Lecture on Phonetics(ターゲット子音の音声的特徴やその出しかたについての講義)
5. Pronunciation Test(上記子音についての産出の確認テスト)
6. Song Listening (グループワークでの聞き取り)
7. Passage Reading(グループワークでの読解)

授業を支える4つの基盤理念
ELF(English as a Lingua Franca):英語を「非母語話者間交渉手段」として位置付ける
CLIL(Content Language Integrated Learning):指導においては言語よりも内容を前景化し,内容指導と言語指導の融合を目指す
DAL(Deep Active Learning):価値の葛藤をふまえた意見の選択や,複雑な現状分析をふまえた建設的なアイデアメイキングなど,深い認知的なレベルでの思考を促す。
CL(Cooperative Learning):集団の学びの効果を理解し,単なる依存と救済ではない,目的遂行のための合理的手段としての集団作業の意義を経験的に学ぶ。

(参考)
・石川慎一郎(2014)「批判思考トレーニングとしての大学英語教育―「英語オーラル」の授業実践―」神戸大学FD講演会発表資料 Here
・Ishikawa, S.  (2017) From Principle to Practice: Integration of the Principles of English as a Lingua Franca, Content and Language Integrated Learning, Deep Active Learning, and Cooperative Language Learning in the Design of Communicative English Language Teaching for Japanese College Students. JACET Chubu Journal, 15, 11-27.  Here