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2022/04/28

2022.4.28 ELFコーパスVOICEワークショップに参加

Austrian Academy of ScienceとAustrian Centre for Digital Humanities and Cultural Heritageが主催する「ACDH-CH TOOL GALLERY 8.1」(Day 1プログラム)にオンラインで参加しました。 詳細



Day 1 (Thu, 28 April 2022)
14.00-14.10 Welcoming words
14.10-14.40 Spoken corpora and the challenge of long-term open access: The case of VOICE (Marie-Luise Pitzl, ACDH-CH)
14.40-15.00 Introducing VOICE: Corpus structure and text properties (Ruth Osimk-Teasdale, JKU; Stefanie Riegler, Uni Wien)
15.00-15.10 The VOICE CLARIAH project: Developing VOICE 3.0 Online (Marie-Luise Pitzl, ACDH-CH; Omar Siam, ACDH-CH)
15.10-15.30 Coffee break
15.30-16.00 Introducing VOICE 3.0 Online
16.00-17.00 Hands-on activities for using VOICE 3.0: Queries, sub-corpora, etc.
17.00-17.15 Closing discussion

VOICE3.0の新検索系の解説ビデオはこちら。検索画面の実例は下記。

XMLやPOSの検索に対応。フィラー記号などでの検索も可。

フィラーなどのタグセット

開催趣旨で主催者は下記のように言っています。

Open access (OA) is a gold standard for any language corpus. Yet, after a project’s completion, it is often challenging to keep open-access web applications ‘alive’ long-term, despite the fact that the compilation of (spoken) corpora is time- and cost-intensive. The Tool Gallery 8.1. addresses this challenge by sharing insights of the development and usability of the new web application for the Vienna-Oxford International Corpus of English (VOICE, first released in 2009), developed recently in the VOICE CLARIAH project (2020-2021). (コーパスのオープンアクセスは大事だが、プロジェクトが終了してしまうと資金も途絶え、検索サイトを以後も長く維持していくのは大変。2009完成のVOICEは新しい資金を得て新しい検索ウェブシステムを開発した。。。)


ICNALEを運用する当研究室にとってもこれは深刻な問題です。今のシステムの維持にはサーバー経費だけで年間6万円かかっています。研究費がなくなったら、退職したらどうしていけばよいのか、以前からの悩みの種ではあります。

なお、当日の講師のうち、Marie-Luise Pitzl氏は今年の英語コーパス学会で招聘予定です。オンラインではありますが彼女と簡単な挨拶を済ませておけてよかったです。

2022/04/27

2022.4.27 QSセミナーに参加

河合塾グループKEIアドバンス×QS社『2022年版分野別QS世界大学ランキングから見えてくるもの』(オンライン)に参加しました。

わたしは、今年からQSの推薦委員を務めており、どのような仕組みでランキングができているのか、どういう結果だったのか興味を持っての参加です。

日本の成績は相変わらず振るいません。また、神戸大の名前が何度か出てきたのですが、QSの分野別のランキングに入っている中で、その平均値に満たない大学としての登場であり、なんとも歯がゆい思いがしました。

そうなると、大学人としては、国の大学予算が足りないのだが悪いのだ!と言いたくなるわけですが、そこで講師は下記の資料を見せます。


出典:同セミナーの講演資料より

日本の高等教育への支出(対GDP比)は米国とほぼ変わらず、中国寄りははるかに多いということ(※資料の読み方を間違えていないといいのですが)。。。もちろん、単純な比較はできませんが、米国や中国の大学が自前で稼いだお金で研究を強力に進めていることは事実であり、日本の大学が今後どうやって行くべきなのか、考えさせられる時間でした。こんな講演会に参加している暇があるなら論文を書け、という声がどこかから聞こえてくるような。。。



2022/04/26

2022.4.26 兵庫県立神戸甲北高校探究講演会

これから探究を始める2年生を対象に、講演を行いました。本来、1年生の終わりに探究入門講演をするはずだったのですが、コロナのために対面講演が中止され(前回は、1年生の代表生徒の作品へのコメントに変更)、事実上今回が初の講演となります。





今回は2時間連続で、2時間目は、代表生徒さんに壇上に上がってもらい、現時点でのテーマ案をうかがいながら、それをどのように具体化・精緻化していけるかやりとりをしました。

たとえば、「ストレスが体に与える影響と効果的な発散方法」というテーマのグループには、(1)ストレスの計測がむつかしいこと、(2)アンケートで得られるストレス値は短期ストレスではなく長期ストレスであること、(3)ざっくり発散方法をさぐる、のではなく何か1つ発散方法を決め打ちして、その最適条件を決めるほうがうまくいきやすいことなどを話しました。

たとえば、ストレス発散法として雨音を聞く(※当日はたまたま雨だった)ことを設定するとすると、「高校生の長期的ストレス解消法としての雨音:―ピッチ・リズムの最適パラメターの解明と教育的応用。新しいチャイムは甲北生の勉強へのやる気を高めるか?」のような感じになります。このように、タイトルを徹底的に細かく書き出すことが、探究テーマの精緻化に有効です。これは、学部生のレポートや大学院生の修士論文・博士論文にも当てはまる要諦です。


ところで、当日は荒天(暴風雨)でした。甲北高校がある鈴蘭台地区は霧で有名なのですが、今回、わたくしも、「鈴蘭台の霧」の洗礼を始めて受けました。


文字通り前が見えず、ちょっと幻想的な時間でした。


 



2022/04/22

2022.4.22 2022年度第1回集団指導

国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コースの第1回集団指導に参加しました。3年ぶり?の対面開催です。

開催要領


石川ゼミからはD1の陳迪さんが、初の集団指導での発表を行いました。

陳 迪:日本語コーパスを用いた漢語動名詞の用法解明と日本語教育への応用―研究 構想と第5-6章の紹介―




陳さんの研究では、漢語動名詞がテーマとなっており、今回は、分析対象にする基本的な漢語動名詞の抽出手法について報告がありました。



 

2022/04/16

2022.4.16 計量国語学会理事会

表記に参加しました。

計量国語学会は、今年度の大会を初のハイブリッド方式で開催予定です。そのためにどのような準備を行うべきかなどの議論がなされました。(学会HP

ただ、ハイブリッドというのは、よさそうでいてなかなかむつかしさもありそうです。私自身は、ハイブリッドの学会に参加した経験(※zoomで参加)は数度しかないのですが、そのときは、遠隔参加者がちょっと取り残されているような感じもしました。全員がzoomなら、それはそれである種の一体感が生まれ、全員が同じ時間間隔で動けるのですが、ハイブリッドの際の遠隔参加者というのは、どうしても、対面の場の空気感が共有できないので、なんというか行われているイベントを外からのぞき込んでいるような、隔靴掻痒感がありました。今回、それらをどううまく解決するか・・・研究会の在り方を考える機会にもなりました。


2022/04/14

2022.4.14 兵庫県立兵庫高等学校探究講演会

表記で、これから探究を始める高校2年生を対象に、入門講義を行いました。


4つのCと1つのE :探究に求められる要素

同校へ訪問する際はいつも上沢駅を使っていたのですが、今回、はじめて、高速長田駅からアクセスしました。高速長田駅からは想像以上に近く、驚きました。その昔、長田区にある長田高校が兵庫高校にプールを借りに行っていたという話を聞いたことがあるのですが、確かにこの距離ならさもありなん、と妙に納得した一日でした。


当日の様子


兵庫高校は、グローバルとローカルを結ぶという探究の基本方針を持っておられます。むつかしい課題ですが、マクロとミクロの視点を融合するのは重要なことで、兵庫高校の皆さんが面白い探究をしてくださるよう期待したいです。





 

2022/04/07

2022.4.7 科研2021年度実施報告送信

2021年度の進捗について報告を完了しました。ただ、会計データの反映に問題があるようで、再度修正が必要かと思われます。

1. 基盤B ICNALE GRA関連の業績の一部

<書籍>
(1) 2021/7/7/書籍(章執筆)/『ジャンルとしての工学英語ー理論と実践ー』/共/【編】石川有香/【著】石川 有香/Judy Noguchi/石川 慎一郎/松田 真希子/竹井 智子/福永 淳/小野 義正(全7名)/第5章:多次元分析法(MD法)による学術論文の言語特性分析―コンピュータ工学系論文とコンピュータ援用言語学習系論文の比較―(pp. 99-134)/大学教育出版/NA/全 244p

(2) 2021/12/27/書籍(章執筆)/Intercontinental Dialogue on Phraseology 4: Reproducible language units from an interdisciplinary perspective/共/【編】Joanna Szerszunowicz 【著】 Shin'ichiro Ishikawa/ Wolfgang Mieder/ Julia Miller 他全34名/Part 6 (Part VI. Linguo-cultural Approach, Sociolinguistic Studies, Language Teaching/Acquisition & Phraseology) 4: Asian Learners’ Knowledge and Use of L2 English Words and Phrases. A Corpus-based Study on Learners in China, Japan, Korea, and Taiwan(pp. 393-510)/University of Bialystok Publishing House)/全540p

<論文>

(1) 2021/8/31/論文《依頼・招待》/韓国学習者の日本語動詞獲得モデル:学習者総体モデルとの比較― 「多言語母語の日本語学習者横断コーパス」の絵描写作文を用いた検証 ―/単/石川 慎一郎/日本語敎育硏究(韓国日語教育学会)/56/37-54

(2) 2021/8/31/論文《依頼・招待》/英語学習者コーパス構築:ICNALEプロジェクトの展開-作文・発話の収集から学習者コーパス研究の「ネクストステップ」へ-/単/石川 慎一郎/国立国語研究所第6回学習者コーパスワークショップ&シンポジウム「コーパス研究の醍醐味」講演録/21-41

(4) 2021/11/18/論文《査読あり》/Vocabulary usage among Asian EFL learners during speech: a corpus-based quantitative analysis of the effects of L1 type, L2 proficiency and task type/単/Ishikawa Shin'ichiro/ PSU Research Review/ Vol. ahead-of-print No. ahead-of-print. https:/doi.org/10.1108/PRR-01-2021-0003/1-19(※British Library, EDS (EBSCO) & Primo/Summons (ProQuest)インデックス誌)

<講演>
(1) 2021/5/30/招待講演(学会・大学)/英語学習者コーパス構築:作文・発話収集のネクストステップ/単/第6回国立国語研究所学習者コーパスワークショップ ーコーパス研究の醍醐味ー/国立国語研究所

(3) 2021/7/25/招待講演(学会・大学)/学習者コーパスデータを用いた中間言語対照分析:可能性と課題/単/東京外国語大学川口裕司先生科研「言語変異に基づくフランス語、日本語、トルコ語の対照中間言語分析」2021年度第1回研究会/東京外国語大学川口研究室

(4) 2021/8/11/招待講演(学会・大学)/コーパスを用いた英語教育の新しい展開―指導から評価まで―/単/令和3年度大阪大学マルチリンガル教育センター公開講座「英語教育オンラインセミナー」/大阪大学

(5) 2021/8/29/招待講演(学会・大学)/I-JASから考える第二言語習得の計量的概観/単/中国湖南大学国際シンポジウム「学習者コーパスと第二言語習得:量的研究と質的研究の交差点」/中国・湖南大学

(6) 2021/10/22/招待講演(学会・大学)/コーパス言語データからの情報抽出/単/一般社団法人デジタルトランスフォーメーション研究機構連続セミナー/一般社団法人デジタルトランスフォーメーション研究機構

(7) 2021/11/4/招待講演(学会・大学)/Corpora and Word Lists: How to Choose Academic Words/単/The 24th Research Seminar of the Research Station for Innovative & Global Tertiary English Education (IGTEE), UEC Tokyo/電気通信大学

(8) 2022/3/2/招待講演(学会・大学)/English Corpora in TESOL: From Vocabulary Selection to Material Development/単/FD Workshop on Corpus Linguistics/長崎大学

(9) 2022/3/20/招待講演(学会・大学)/コーパス研究におけるジャンル・トピック・シチュエーション・タスク/単/シンポジウム「話題とコーパスと日本語教育」/京都教育大学中俣研究室

<口頭発表>

(1) 2021/5/21/研究発表/Re-examination of Learners’ L2 Speech Fluency: A Study Based on the Multimodal Learner Corpus Module/単/3rd New Trends in Foreign Language Teaching/スペイングラナダ大学

(2) 2021/8/8/研究発表/学習者コーパスと産出評価 ICNALE GRAプロジェクトの狙い/単/全国英語教育学会第46回長野研究大会/全国英語教育学会

(4) 2021/9/17/研究発表/Asian L2 English Learners’ Use of –ly Adverbials in Different Types of Speech Tasks/単/The 9th Brno Conference on Linguistics Studies in English/ Masaryk University

(6) 2021/12/4/研究発表/Linguistic Features of Good Essays and Not So Good Essays A Study Based on the Data from the ICNALE GRA Module/単/The 19th Asia TEFL Int’l Conference 2021/Asia TEFL

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2. 萌芽 6121JFIC関連の業績の一部

<論文>
(3) 2021/10/1/論文《査読なし》/「1961-2021日本語小説コーパス」の構築―日英小説対照研究の新しい可能性―/石川 慎一郎/英語コーパス学会大会予稿集/2021/7-12

(5) 2022/3/3/論文《査読なし》/時代変種と学習者変種の観点から考える日本語終助詞―時系列日本語小説コーパス「6121JFIC 」と国際日本語学習者コーパス「I JAS」を用いた統合分析の試み/単/石川 慎一郎/統計数理研究所共同研究リポート/456/73-88

<発表>

(5) 2021/10/2/研究発表/「1961-2021日本語小説コーパス」の構築―日英小説対照研究の新しい可能性―/単/英語コーパス学会第47回大会/英語コーパス学会

(7) 2022/2/20/研究発表/日本語学習者データと日本語時系列データが出会うとき:I-JASと6121JFICの統合分析の試みー終助詞をめぐって-/単/学習者コーパス研究会2022年2月例会/学習者コーパス研究会

(8) 2022/3/5/研究発表/経年的日本語小説コーパス「6121JFIC」の開発と公開-日本語時系列分析の新しいリソースとして-/単/計量的コーパス研究の展望2022/統計数理研究所