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2026/09/27

2026.9.27 学習者コーパス研究会出席

オンラインで開催された表記の研究会で、2本の発表を聴講しました。

1本目は、各種のモデル文や、用例集を示した場合に、日本語学習者のメール作文がどう変化するか、 2本目は、学習者の日本語発話におけるフィラーの研究で、いずれの研究からもいろいろと刺激をいただきました。


研究メモ

A meta-analytic review of behavior modeling training

Paul J Taylor 1, Darlene F Russ-Eft, Daniel W L Chan

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16060787/

117件の研究を対象としたメタ分析。モデルを見せた上での行動訓練(BMT)の効果は、学習成果で大きく、実際の職務行動では小さく、実務成果ではさらに小さかった。宣言的知識に対するBMTの効果は時間の経過とともに減衰したが、スキルや職務行動に対する学習効果は安定し、場合によって増加した。スキルの向上は、学習ポイントが「ルールコード」として提示された場合や、訓練期間が長い場合に大きかった。転移効果は、肯定的・否定的なモデルが混在して提示された場合、研修生自身が考案した訓練シナリオが含まれていた場合、研修生に目標設定が指示された場合、研修生の上司が一緒に訓練を受けた場合、および研修生の職場環境で報酬や制裁が導入された場合に大きかった。

☛ポイント:モデルを見せる際は、良いモデルだけでなく、良いモデルと良くないモデルを同時に見せることで望ましい行動パタンの習得が促進される。



2026/09/19

2026.9.19-20 中国語話者のための日本語教育研究会で講演・ゼミ学生の発表

中国語話者のための日本語教育研究会第60回大会(設立20周年記念大会)

開催日:2026年9月19日(土曜日)、20日(日曜日)

対面会場:東洋大学白山キャンパス(10号館)

後援:くろしお出版(日本)、日中言語文化出版(日本)、外语教学与研究出版社(中国)、浙江工商大学出版社(中国

プログラム こちら


・講演 石川慎一郎 「日本語習得研究における<個別語分析・テキスト分析・統計分析>の三次元アプローチ」



講演スライドより

 .....................................................

ゼミのM1学生 李宏宇さんが、研究発表を行いました。

李宏宇 「現代日本語の書き言葉・話し言葉における「は」と「が」の使用実態に関する基礎調査:中国人学習者に対する効果的な指導法を探る―「昭和・平成書き言葉コーパス」(SHC)と「日本語話し言葉コーパス」(CSJ)の分析に基づいて―」


 李宏宇さんの研究発表


2026/09/17

2026.9.14-17 神戸市外国語大学で集中講義

表記で「構文研究」(コーパス研究入門)の集中講義を行いました。

これまでは集中講義を8月に入れていましたが、今回ははじめて9月に実施し、猛暑をいくぶんしのぐことができました。

講義スライドより

外大の 学生さんは、毎年のことながら、まじめで優秀で、楽しく講義させていただきました。第二課程の社会人学生の中に非常に熱心な方がおられるというのも毎年のうれしい発見です。

今年に入り、外大をめぐっては、行政からのプレッシャーもかかっているように聞きます。外国語研究の価値や外国語ならではの社会貢献を、私たち分野の中の者がうまく外に発信していくことの必要性を改めて感じます。

・・・・

 外大に行くときは、いつも駅の構内にあるパン屋「穀物日和」さんの「ふじリングのクイニアマン」をお土産に買って帰ります。こちらのお店は神戸の老舗カスカードさんのプロデュースなのですが、なぜかこの商品は三宮店では見つからないんですよね。。。


2026/09/14

2026.9.14 兵庫県立尼崎稲園高校で講演

表記で、これから探究活動を始められる高1生のみなさんに講演を行いました。

演題: 「問いと向き合う」知的生活の始まり―探究入門講座―


50分講演で、残り50分がクラスビジット。

50分の間に8クラスを順番に訪問して、生徒さんの質問にその場でお答えしていくのは、面白い反面、相当に大変です。稲園でクラスビジットをするたびに、なぜか将棋の「多面指し」を思い出します。さしづめ「八面指し」といったところでしょうか。

稲園の先生型とのディスカッションでは、高校探究、とくに高1探究では、あまり背伸びせず、身近な問題を扱わせたほうが自分事化しやすいのではないか、グループと決めつけず、個人研究も認めたほうが多様な生徒実践が引き出せるのではないかといったことをお伝えさせていただきました。まじめで優秀な生徒さんの多い稲園探究の今後の展開、楽しみです!



2026/09/12

2026.9.12 計量国語学会第70回記念大会(日大)に参加

表記に参加しました。会場は久しぶりの日大文理です。


記念大会として、今回の目玉は、学会顧問(前会長)の 荻野綱男先生による記念講演「計量国語学会の過去と未来」でした。計量国語学という学問分野の、さらにはそれを名に冠した本学会のある種のファジーさが実は激動の時代を生き抜く強みであるというご指摘、非常に心に残りました。

荻野先生の基調講演より



 

2026/09/11

2026.9.11 大阪府立東高校探究中間発表会講評

表記で生徒さんの英語による探究発表(中間発表)を聴講し、講話を行いました。


英語科の皆さんということで、堂々とした立派な英語での発表を感心しつつ聞かせていただきました。

東の皆さんには、これから本番までの時間を使って、英語だけでなく、内容についてもさらなる磨きをかけることに積極的にチャレンジしていただきたいと思います。

様々な高校生探究(さらには大学院生発表も同じ)を聞いていて思うのですが、プレゼンスキルと探究の内容を天秤にかけると、、後者のほうが圧倒的に重要です。実際、自分自身の研究の中身に自信を持っていれば、「自分たちの研究を紹介したい」「知ってもらいたい」「どうだっ!すごいだろっ!」という気持ちが自然に生まれてきて、発音もボディランゲージも自動的によくなっていきます。一方、自分の研究の中身に満足がいっていないと、自信がなくなり、どうしてもうつむき加減になってしまいます。

もっとも、英語プレゼンの練習と、探究リサーチは、どちらも非常にtime-consumingで、限られた時間の中で両者の指導のバランスをどうとるかは、教師にとっても、なかなか悩ましいことになりがちです。私見を述べれば、英語の基礎力がすでに備わっている生徒さんの場合、このバランスは、5:5ではなく、1:9、場合によっては0:10でもいいのではないかとも感じます。

ここから英語と中身をどこまで磨き上げてくださるか、本番の発表を伺うのが楽しみです。

 

2026/09/10

2026.9.9-10 アジア太平洋コーパス学会で発表

The 6th Asia Pacific Corpus Linguistics Conference (APCLC2026) が富山国際会議場で開催され、研究発表を行いました。


発表スライドより

O2-A4 COREWO4500: A New Corpus-based Word List for Japanese High School Students

Shin'ichiro Ishikawa

[Time] Day 1: 14:50 - 15:20

View Full Paper 


また、ゼミ生の廉沢奇(れん・たくき)さん(D3)がポスター発表を行いました。

P211 Embedding-Assisted Construction of a Japanese-Chinese Parallel Corpus of Contemporary Novels

Zeqi Lian

View Full Paper


富山といえば・・・

30分並んでようやく入れたエキナカのお寿司屋さん。




2026/09/05

2026.9.5 拠点会議出席

文部科学省 日本語教師養成・研修推進拠点整備事業(近畿ブロック)の合同部会および研修会に参加しました。

講演会風景


2026年度第4-5回公開研修会「『日本語教育の参照枠』の理念を教室につなげる ―カリキュラム設計と指導実践をめぐって― 」 詳細

日時 2026年9月5日(土) 13:00~15:30
会場 ヒルトンプラザウェストオフィスタワー8階会議室
参加費 無料(要事前申し込み、先着順) 


プログラム

13:00-14:00 第4回公開研修会

講演題目 「教育企画は何のため? 誰のため?」 (講演ハンドアウト)

講師 西口 光一氏(広島大学森戸国際高等教育学院 特命教授)

要旨 日本語教育機関認定を受けるためには、日本語教育の参照枠(2021 年、以下参照枠)を参照しながら、日本語教育課程編成のための指針(2024年、以下指針)で示された(1)から(9)までの事項を必須の事項として、立案されている教育企画を説明することが要請されている。つまり、そもそもの教育企画があってこそその説明ができることとなる。 本講演では、参照枠と指針で何を記述することが要請されているかを明らかにするとともに、申請書作成の前に、教育企画が必要なこと、教育内容の論理構造を明らかにすることが重要であることを指摘し、それらの価値を論じる。


14:10-15:10 第5回公開研修会

講演題目: 「『生活の日本語』から考える『参照枠』  ~理念を生かした教育実践と教師の学び~」 (講演ハンドアウト)

講師 嶋田 和子氏(アクラス日本語教育研究所 代表理事)

要旨  「参照枠」の考え方を生かした教育実践が広がる一方で、その理念が十分に共有されないまま、活動Can doに注目が集まったり、自律的な学びが表面的に理解されたりする場面も見られます。 そこで本研修会では、「生活の日本語」の実践を手がかりに、「参照枠」の理念を教育実践にどのように生かすのか、さらに、教師自身の学びと成長をどのように捉えればよいのかについて考えます。 

2026/09/03

2026.9.3 東洋大学ビジネス日本語講座で講演

表記でオンラインで講義を行いました。





内外から200名以上の参加があり、オンラインながら、熱気あふれる楽しい時間となりました。受講くださったみなさまに御礼申し上げます!


2026/09/01

2026.9.1 英語コーパス学会参加

表記(初日)に参加しました。



いろいろな研究に触れることができ、学びの多い一日となりました。

ちなみに、北九州市(小倉駅)で降り立ったのは、(幼児期の記憶はないものの)おそらく生涯で初めてのような気がします。学者稼業で気に入っているのは、学会で、日本各地・世界各地に行けることで、これでまた一つ、降りたことがない新幹線の駅が減りました。



 

2026/08/28

2026.8.26-28 JACET国際大会で基調講演

立命館大学おおさか茨木キャンパスで開催された表記に参加し、基調講演を担当しました。


発表スライド

学習者コーパス研究の基本的なアプローチ(産出から学習者を見る)

L2習得だけでなくL1習得も、英語だけでなく諸言語を。



私の講演は、JACET国際大会と併催されたJAAL in JACETのイベントでもありました。講演では、JACETが今後「応用言語学会」として自らを再定義していくのであれば、<英語だけ、英語教育だけ、大学教育だけ>といった枠を戦略的に超えていく必要があるのではないか、といった長年の思いをお話させていただきました。日本に会員1万人の真の応用言語学会ができる日を夢見つつ。


2026/08/21

2026.8.21 国立国語研究所言語資源WS2026で教員とゼミ生が発表

「言語資源ワークショップ2026」で教員・学生が発表を行いました。


C3:BCCWJ および CEJC を用いた終助詞「ね」「よ」の全体頻度と機能別頻度の調査: 日本語教育への応用

発表者:原 里咲子(神戸大学 国際文化学研究科)

使用する言語資源:現代日本語書き言葉均衡コーパス (BCCWJ), 日本語日常会話コーパス (CEJC)

日本語では、聞き手や読み手への配慮を示す終助詞の「ね」や「よ」が幅広く多用される。日本語教科書にもこれらを含む用例は多数出現しているが、各々の出現傾向や、優先的に学ぶべき典型的用法についてはほとんど説明されていない。そこで本研究では、BCCWJとCEJCを用い、2語の出現頻度、および、主要な意味機能別頻度について調査を行った。分析の結果、全体として「ね」が頻出することや、書き言葉・話し言葉差に加え、「疑似的話し言葉」を特徴づける意味機能の存在も示唆された。得られた知見は、中上級の日本語学習者向けの教材開発などに活用が可能と考える。



C4:BCCWJ と CEJC を用いた「は」と「が」の出現状況調査: 外国人学習者のための日本語指導の指針を求めて

発表者:李 宏宇(神戸大学 大学院 国際文化学研究科)

使用する言語資源:現代日本語書き言葉均衡コーパス (BCCWJ), 日本語日常会話コーパス (CEJC)

日本語教育では「受容のための文法」から「発信のための文法」への転換の必要性がうたわれているが、発信の際には、文法的正確性に加え、書き言葉と話し言葉の差や、談話場面の差を加味した談話的適切性が求められる。「は」と「が」の使い分けについては膨大な先行研究が蓄積されているが、海外の日本語指導の現場ではそれらの成果が活かされることは極めて少ない。本発表では、海外教室学習者向けの「は」と「が」の指導指針を探るべく、BCCWJとCEJCを用い、両語の総体頻度と主要意味機能別の頻度調査を実施した。調査の結果、「は」は書き言葉において優勢となること、「は」の主題用法は話し言葉で増えること、「が」の機能別頻度は書き言葉・話し言葉の差の影響を受けにくいことなどが明らかになった。




D2:中間言語対照分析における話者背景情報の組み込み ―I-JAS for CIA Integrated Face Sheet および I-JAS for CIA V2.0 の開発―

発表者:石川 慎一郎(神戸大学)

使用する言語資源:多言語母語の日本語学習者横断コーパス (I-JAS)

統制的なタスクデザインに基づき、多様な参加者からデータを集めた「多言語母語の日本語学習者横断コーパス」(I-JAS)(迫田, 2020)は中間言語対照分析(CIA)に適した言語資源であるが、「中納言」上でもダウンロード版データを使っても、習熟度をそろえた対照研究は実施困難である。この点を解決するため、報告者は、I-JASに含まれる膨大な産出データを1枚のエクセルシート上に展開するとともに、習熟度・母語・タスクをキーとしたデータ抽出を可能にしたI-JAS for CIA V1.0(石川, 2024)をリリースした。ただ、I-JAS for CIAには学習者の詳細背景情報は内包されておらず、男女比較や、動機づけタイプ別比較などは依然として実施困難のままである。そこで、I-JASの「フェイスシート」データを精選・整理し、主要項目(動機づけ、使用教科書等)を0/1コード化したI-JAS for CIA V2.0を新規に開発した。本発表では、実施した作業の詳細と、新しいシートで可能になる研究実例について報告する。

 

2026/08/20

2026.8.20 新刊書が出ました

2026/8/20

「ベーシック学習者コーパス研究:英語・日本語学習者コーパスを用いた研究実践」(ひつじ書房)

A5判並製カバー装 定価2,800円+税 312頁

ISBN978-4-8234-1349-0

写真はひつじ書房サイトより。

☛迷走をきわめた汗と涙の(?)刊行記録はこちら。


第 1 部 学習者コーパス研究入門―研究の背景を学ぶ—

第 1 章 学習者コーパス研究の概要

第 2 章 学習者コーパス研究の準備

第 3 章 学習者コーパス研究と統計


第 2 部 個別語分析―個別語の振る舞いを探る—

第 4 章 KWIC 検索―特定の語の出現文脈を調べる

第 5 章 単語結合形検索―特定の語を含む一定長のチャンクを調べる

第 6 章 共起語検索―特定の語の近傍に出現する語群を調べる

第 7 章 プロット検索―特定の語の散在状況を調べる


第 3 部 テキスト分析―テキストの言語特性を探る—

第 8 章 単語頻度検索―テキスト内のすべての語の頻度を調べる

第 9 章 単語連鎖(枠)検索―テキスト内の一定長のチャンクを網羅的に調べる

第 10 章 特徴語検索―テキスト内で顕著に多く使用される語を調べる


第 4 部 統計分析―頻度から言語の特性を探る—

第 11 章 仮説検定―頻度の差の有意性を調べる

第 12 章 回帰分析―説明変数と目的変数の関係をモデル化する

第 13 章 クラスタ分析―ケースまたは変数を分類する

第 14 章 対応分析―ケースと変数の対応関係を調べる

参考文献

索引

分析実例関連語索引


 

2026/08/11

研究メモ インドネシア応用言語学会(CONAPLIN19)におけるコーパス関連発表

研究メモ:インドネシア応用言語学会(CONAPLIN19)におけるコーパス関連発表

Agustina Lestary: Multilingual Questioning Practices in Indonesian EFL Higher Education: A Corpus‑Assisted Analysis of Teachers’ Language Choices 教師発話コーパス

Devi Ambarwati Puspitasari:  Laughter Expressions in Indonesian Digital Communication: An N-gram Based Corpus Linguistic Analysis デジタルコミュニケーションコーパス

Dewi Nastiti Lestariningsih:  Disability Representation in Children’s Storybooks: A Corpus-Assisted Discourse Study 子供用ストーリーブックコーパス

Shinichiro Ishikawa: Does AI replace a learner corpus?: A study on the reliability of AI-generated "learner essays AI生成エッセイコーパス

Dina Wulansari: Building Trust Through Language: A Corpus-Assisted Appraisal Analysis of Comparative Cushion Battle Discourse in Tasya Farasya’s YouTube Beauty Reviews YouTubeコーパス

Yuka Ishikawa: Lexico-Grammatical Variation in Tense, Aspect, and Voice across Academic Disciplines: A Corpus-Based Analysis of Research Article Abstracts 論文アブストコーパス

GABRIEL ADITYA VIRGINIO: English Jargon in Competitive First-Person Shooter Games: A Corpus-Based Register and Multimodal Analysis 射撃ゲームコーパス

Nayla Izzatul Laili: The Representation of Padel in the National Media: A Corpus-Based Verb Analysis 新聞コーパス


※複数発表者は代表者のみ記載。


2026/04/30

2026.4.30 兵庫県立兵庫高校講演会

兵庫県立兵庫高校で2年生の皆さんに探究の講演を行いました。実父と義父の母校でもあり、自分にとっても母校に来たような気がします。

スライドより:水平方向ではなく垂直方向で拡張を目指したい


同校では、研究テーマの壁打ちにAIの導入を考えておられるとのこと、面白い取り組みで、成果が楽しみです。

高校生がアイデアだしにAIを使う場合、

(A)~について案を出してください

とすることが多いのですが、高校探究の場合、そうなると、生徒さんは、「わ、すごい、そのまま採用!」となりがちなので、

(B)~について3案を出し、それぞれ長所・短所を3点ずつあげてください

のような指示とし、どれを取るかは、生徒さんの合議で決める、その合議の過程を記録に残す(場合によって学校に提出する)、といったプロセスが重要かなと思います。AI活用では全部委任にするのではなく「人間の最終判断(とそれに伴う責任)」を意識することが不可欠です。

私自身は、高校探究を、生成AI等によって未来の仕事が脅かされる中での基盤的知性の開発の場ととらえているのですが、その探究の活動自体にAIを入れていくというのは、チャレンジングですが避けて通れないプロセスになってくるように思われます。

 

2026/04/26

2026.4.26 大学英語教育学会特別委員会

表記に参加しました。

私が関与している特別委員会は、学術交流の 拡大を目指すものですが、日本の学会は、今後、海外・国内の両面で連携をさらに強化していく(「大同団結」に向かっていく)必要があるのではないかと思われます。

財務省が「2040年までに私立大学250校を削減すべき」という立場を示して話題になっていますが、学会関係者は、同じことが学会にもあてはまる、という意識を持つ必要があるでしょう。少子化の中で研究者の人口も相当な勢いで減っており、加えて若手研究者の海外学会志向の高まりもあって、小~中規模の専門学会には苦難の時代となりそうです。

多くの学会が将来構想委員会的なものを設置していますが、将来というのは5年先、ぐらいを指すことが多いようです。30年先ぐらいにどうなっていたいか、どうなっているか、そういうことを考えるマネジメントも必要だろうと感じます(これは大学も同じですが)。

2026/04/25

2026.4.25 計量国語学会理事会

表記に参加しました。

計量国語学会では、昨年度の財務体制の見直しを経て、新しい試みが芽吹きつつあります。論文賞、理事会内部の委員会制、合評会などなど。また、次年度をめざして、研究会制度の導入の議論も進んでいます。

少子化の時代、学会はどこも大変ですが、運営をスリム化し、それによって学術活動の中身を充実化しようとしているところは強いのではないかな、と感じています。逆に、運営面が肥大化し、会員のエフォートの大半が組織維持に消費され、肝心の学術活動の中身が細っているという場合は危ないのでは・・・という気もします。


おしらせ

計量国語学会第70 回大会(対面開催)

2026年9月12日(土) に日本大学文理学部で開催します。

 

2026/04/24

2026.4.24 外国語教育コンテンツ論コース第1回集団指導でゼミ生が発表

M1にとってはデビュー戦でしたが、各自、よく頑張ってくれました。


D3 飯島真之 高等学校英語教科書コーパスの構築とスタンス使用の予備調査

これまで既存の現代英語コーパスや学習者コーパスにおける英語スタンス表現に関する考察を実施してきたが、学習教材においても調査の余地がある。そこで、事前段階として、発表者が勤務校で使用している高等学校英語教科書をコーパス化し、その過程を報告する。

D3 廉沢奇 コーパス調査に基づく現代日本語におけるオノマトペの用法解明と日本語教育への応用

日本語のオノマトペが、実際のテキストにおいてどのように翻訳され、どのように対応づけられているのかを明らかにすることは、言語学的に興味深い課題である。本発表では、過去10年の直木賞受賞作を対象に、日本語原文と中国語訳によるパラレルコーパスを構築する計画と、その進捗について報告する。

M2 Fu Gang 母語話者コーパスにおける対比型連結副詞の使用傾向

COCAとBNSという両コーパスを用いて、12種の対比型連結副詞の使用頻度、英米の差や使用場面などの使用傾向を調査した発表です。


M1 原 里咲子 日本語日常会話コーパスに見る日本語終助詞「ね」の使用実態の解明-日本語指導の指針を探る-

日本語終助詞の「ね」は同感・共感・確認などの機能を有するが、日本語学習者にとってその習得は容易ではない。そこで本研究では、「ね」の効果的な指導法を探る前提として、日本語日常会話コーパスにおける「ね」の出現状況に関する基礎調査を実施する。

M1 李宏宇 現代日本語の書き言葉・話し言葉における「は」と「が」の使用実態に関する基礎調査ー中国人学習者に対する効果的な指導法を探るー

助詞を持たない中国語を母語とする日本語学習者にとって、日本語の助詞は習得が困難な学習項目の一つである。本発表では、このうち、とくに使い分けの指針があいまいな係助詞の「は」と格助詞の「が」に注目し、書き言葉コーパス(BCCWJ)と話し言葉コーパス(CEJC)を用いて両語の使用頻度・使用環境の差を調査する。

M1 古本杏奈 現代英語の多様なジャンルにおける動詞の位置づけに関する基礎調査-高等学校における効果的な英語動詞指導の在り方を探る-

高校における英語語彙指導においては、様々な構文の核となる動詞を適切に扱うことが重要となるが、動詞の位置づけがジャンル間でどのように変化するかについてはいまだはっきりしていない。そこで本研究では、指導要領が強調する「場面別」に対応できる英語力の涵養の方針に沿い、大規模コーパスを用いたジャンル別の動詞頻度調査を実施する


M研 蘇開勇 中国人学習者の有対自他動詞の使用実態の解明 ー横断・縦断コーパスの二元調査ー

横断的・縦断的コーパスを用いた二元的なアプローチにとって、中国語母語話者の日本語学習者による有対自他動詞の使用実態を探索してみる。 

2026/04/23

2026.4.23 兵庫県立長田高等学校探究講演会

表記で講演を行いました。

長田高校講堂


これまで、本格的な探究活動を開始する2年生の春に講演を行っていたのですが、今回からは入学したばかりの1年生の春に講演を入れることになりました。高校から始まった謎の科目、教科書もテストも正解もない、「探究」の意義と面白さを高校生のみなさんがつかんでくださったならうれしいです。

大昔、わたしがこの学校に入ったばかりの4月、同じ講堂で(改築されたので建物は違う)、生徒会の説明会があり、3年生の会長が、「新入生諸君、校内模擬試験の導入に反抗せよ、支配にあらがえ!」のような激烈なアジテーションを飛ばされ、私を含む1年生は、「なんかやばいところに来ちゃったな~、でも中学とはぜんぜん違うなあ~」という興奮がありました。40年たった今もなぜかそのシーンだけ覚えています。

かつての大先輩ほどアジテーターの才能はないのですが、「研究って、なんかおもろそう!」とおもってくださった後輩が1人でもいたなら、そしてこの280人の中から次世代の研究者(できれば言語学者 ^_^)がたくさん出てくれれば、こんなにうれしいことはありません。
 

2026/04/21

2026.4.21 大阪府立東高等学校探究講演会

表記におうがいしました。ここは英語科を設置しておられる高校で、英語での講演になります。

生徒さんは、地域の課題も意識しながら、テーマ探しをされておいでです。



講演スライドより

たとえば、コンポストをテーマにするのであれば、少し調べてみると、燻炭とピートモスの理想の混合比率について異なる記載があることに気づきます。このように見解にずれがあれば、そこが面白い研究の入り口となります。

10000人全員意見がそろっているものを研究にするのはけっこうむつかしいですが、意見が分かれているならそこに「何か」があるはずで、そこから研究が始まります。

このように考えてくると、研究マインドの基本は、差異に対する感受性、と言えるかもしれません。エコーチェンバー型社会で、差異と遭遇することが減っている時代、自分も含めて、小さな差異を敏感に感じ取れるセンスをしっかり磨きたいなと思います。

 

2026/04/15

2026.4.15 兵庫県立尼崎北高等学校探究講演会

仕事がら、いろいろな高校に出かけますが、尼崎北には初めてお伺いしました。

高校生のフレッシュな感覚をベースに、尼北から、 おもしろい探究がたくさん出てくることを期待しています。


同校ウェブサイトより
https://www2.hyogo-c.ed.jp/weblog2/amakita-hs/grade77-20260416/


2026/04/14

2026.4.14 兵庫県立豊岡高校講演会

表記で、2年生の方全員に、講演を行いました。


 熱心に聞いていただきました。豊高生のみなさんの探究の充実が大いに期待されます。

自宅から豊岡までの電車からは、春の美しい山の姿を楽しめました。



木々の種類ごとに異なる緑のグラデーションが美しいです。豊岡の校長先生から、こういう春の山を指して、俳句では「山笑う」と言うのだと教わりました。これを知ってしまうと、春の山を見るたびに笑っているようにしか見えなくなるのが面白いところです。



2026/04/01

2026.4.1 新年度がスタートしました

研究室から見えるキャンパスの桜。18歳の時に教養キャンパスで見た桜と(たぶん)同じ。

 


代悲白頭翁(劉廷芝)
洛陽城東桃李花/飛來飛去落誰家/洛陽女兒惜顔色/行逢落花長歎息/今年花落顔色改/明年花開復誰在/已見松柏摧爲薪/更聞桑田變成海/古人無復洛城東/今人還對落花風/年年歳歳花相似/歳歳年年人不同/寄言全盛紅顔子/應憐半死白頭翁/此翁白頭眞可憐/伊昔紅顔美少年/公子王孫芳樹下/淸歌妙舞落花前/光祿池臺開錦繡/將軍樓閣畫神仙/一朝臥病無相識/三春行樂在誰邊/宛轉蛾眉能幾時/須臾鶴髪亂如絲/但看古來歌舞地/惟有黄昏鳥雀悲


自由翻案訳(神大新入生のみなさんへVer.)

六甲に今年も桜が咲いた。花は咲いて、やがて散っていく。若者は「年はとりたくないね~」などと宣うが、まさにおっしゃる通り。来年はこの世にいない人だって多い。今は青々と茂っている樹木だって来年は切り倒されて粗大ごみで処分され、畑だって地球温暖化に伴う海面上昇で海になるかもしれない。春先になると桜が咲くのは今も昔も同じだが、昔の桜を見ていた人は、あたりまえだが、もうこの世にはいない。春が来ればいつもいつも花は咲くが、それを見る人はそのつど変わっていく。18歳、青春真っ盛りの神大新入生諸君、入学おめでとう。教室で教授を見て「おじ(い?)ちゃんだな~」とお思いかもしれないが、わたしだって、ほんの40年前は君らと同じ紅顔の神大新入生だったんだよ。新歓コンパで意識を失って先輩に介抱され(笑)、貴公子のような若さ溢れる友人たちといろいろ遊びもした。でも若き日なんてあっという間。六甲の少し先にある新開地を考えてみよう。かつては浅草と並ぶ日本最大の歓楽街で、東洋一の「神戸タワー」がそびえていたのだけれど、今では、夕方になると、静かにカラスが鳴いている。

※昔、高校の漢文の授業で読んだときはえらく辛気臭い詩だなあと思いましたが、今読んでみると、なんだか染み入りすぎて怖い気がします。あと数回、研究室から桜と新入生を見るたびに、この詩を思い出しそうな予感がします。




 

2026/03/07

2026.3.7 ゼミ学生がJACET関西支部大会で学生優秀発表賞を受賞

大学英語教育学会(JACET)関西支部

2025年度学生優秀発表賞

受賞者:付 罡 氏(Fu Gang / 神戸大学大学院 国際文化学研究科 博士前期課程・修士課程)

受賞:2025年度 大学英語教育学会 関西支部 学生優秀発表賞

発表題目:「日本語・中国語母語の英語学習者および英語母語話者による英作文の対比型連結副詞類の使用実態 ―学習者コーパスに基づく量的研究」


 

授賞式

受賞スピーチ

2026/01/31

2026.1.31 兵庫県立姫路西高等学校発表視察

 表記にお招きをいただき、生徒さんの学習成果発表を視察させていただきました。


高校探究が何を目指すべきか、議論はさまざまですが、姫路西の探究は地に足のついた大変好感の持てるものとなっています。

電波望遠鏡を自分で作ってみた!

電波望遠鏡を自作したグループは、針金が思うように曲がらず、何度もやり直した体験を話してくれました。確実に彼らにとって「残る」体験になったことと思います。ここから次代の科学者が多数輩出される日が楽しみです。


2026/01/30

2026.1.30 外国語教育コンテンツ論コース修論試問・集団指導でゼミ生が発表

〇日時 2026年1月30日(金) 1000~1200

〇会場 神戸大学鶴甲第1キャンパスD510

〇形態 対面・プレゼンテーション発表形式


本日修了のM2の3名。お疲れ様。益々のご活躍を!

プログラム

(修論最終試問)
M2牟虹妮   10:00-10:20
「コーパス調査に基づく中国人日本語学習者のための「と+動詞」用法の指導法の検討」
 日本語には、「~と言う」「~と思う」など、多くの「と+動詞」型表現が存在する。CLJによる「と+動詞」の習得も問題を抱えている。本研究はコーパス調査を通して、CLJ向けの「と+動詞」表現の指導に対して示唆を提供する。



M2魏婧云   10:40-11:00

「中国語を母語とする日本語学習者による「A っ B り」型オノマトペの使用実態の解明と日本語指導への示唆:コーパス調査をふまえて」
 本研究は、中国語を母語とする日本語学習者による「AっBり」型オノマトペの使用実態を明らかにするため、日本語コーパスを用いて「AっBり」型オノマトペの使用傾向を分析するとともに、学習者コーパス、アンケート調査および教科書調査を通して、学習者の使用状況および教科書における扱い状況を検討した。その結果を踏まえ、日本語教育におけるオノマトペの指導の一助とすることを目指している。

(M1)

M1Fu Gang  11:15-11:30 
「日本語・中国語母語の英語学習者および英語母語話者による英作文中での対比型連結副詞類の使用実態ー学習者コーパスに基づく量的研究ー」
 日本語・中国語母語の英語学習者による英作文での「対比型連結副詞」(Biber et al., 1991)の使用傾向をアジア圏学習者コーパスICNALEに基づき、計量的に調査した発表である。


M1 益田拓実 (別途スライド提出)

「英語・日本語母語話者による英作文における動詞のテンス・アスペクトの多様性の実証的研究―新たな枠組みを用いて―」
 前回の研究では、助動詞なども参考的に調査していたが、伝統的なテンス・アスペクトの枠組みを用いていたため、テンス・アスペクトのシステムにうまく組み込めていなかった。そこで、田川(2020)の新しい枠組みを用い、全体を整合的に組み込む再調査を行う。

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終了後、ゼミの送別会(お食事会)を実施。

芦屋モノリス

魏婧云さん、牟虹妮さん、これからもお元気でご活躍を!

 

2026/01/29

2026.1.29 兵庫県立津名高校で講演

表記で2年生の方の最終発表を伺い、講話を行いました。


探究の意義、英語で伝える意義についてお話しました。


冬もきれいな津名港の風景(ここに船が来ないのが残念で仕方ない)

 

2026/01/28

2026.1.28 日本語教師養成サブコース:コミュニカ学院見学

大学院で担当している「応用言語学入門」授業の一環として、地元神戸にある日本語学校「コミュニカ学院」の授業を見学に伺いました。

担当教員は、神戸大の拠点事業コーディネーターでもある中村氏

受講学生さんにとっては、日本語教師という職業の魅力が伝わった 1日になったのではないかと思います。裁量の大きさ、海外の方の日本での生活の最初の一歩に寄り添えるという意味で、なかなか他の仕事にはない面白さがあると感じます。

コミュニカ学院様には、昨年度に引き続き学生による見学をお認め頂き深く感謝しております。

2026/01/27

2026.1.27 文化審議会国語分科会第11回言語資源小委員会に出席

表記に出席しました。


第11回ヒアリング(言語資源としての地方方言) 

・消滅機器方言の記録作成及び啓発事業の意義―日本語の多様性のためにできることー(大野眞男先生))

・方言を活かしたブランディングの取り組みについて(畑中悠樹氏御提出資料)(325KB)


当日の審議の詳細はこちら。


2026/01/23

2026.1.23 外国語教育論講座コロキアムⅡでゼミ生が発表

D2→D3への進級試験にあたる「コロキアムⅡ」で、ゼミ生2名が報告を行いました。


飯島真之さん

「コーパス言語学の手法を援用した現代英語のスタンス表出実態の解明と英語教育への応用:日本人英語学習者に向けた教材開発への示唆」



廉沢奇さん

「コーパス調査に基づく現代日本語におけるオノマトペの用法解明と日本語教育への応用」



 

2026/01/19

2026.1.19 兵庫県立尼崎稲園高等学校探究中間発表会講話

表記で生徒さんの発表を聴講し、コメントを行いました。

同校のHP。「セイカイよりセカイ」、いいですねえ。

探究や研究の肝は、聞き手の論理的な説得だと思います。たとえば、何らかの校則があるとして、アンケートで生徒の8割が変えてほしいと思っていることを示すだけでは、校則改正提案はなかなか大人には響かないでしょう。

なぜその校則があるのか、どんな理由と経緯があるのか、生徒だけでなく教師や保護者の意向はどうなのか、実際に廃止している他校の例はあるのか、廃止したことでどのようなメリット・デメリットがあったのか、メリットは十分に大きいのか、すべての生徒がそれで満足しているのか、デメリットを最小化する方法はあるのか、などなど、さまざまな証拠や事実を積み木のように1つ1つ積み上げていくプロセスが探究なのだろうと思います。

多くの高校を拝見して感じることですが、高校生の探究がなかなか深まらない背景には、Google Formの影響もありそうです。簡単にデータが取れてしまうので、ついつい、「とりあえずまず取ってしまおう」となりがちです。しかし、アンケートというのは実はとてもむつかしく、何をどのように聞くのか、その設問セットで真に知りたいことを聞けているのか、本調査に入る前に予備調査をすることも大事でしょう。

稲園探究は3月に向けてさらにパワーアップしていくとのことで、楽しみです!


 

2026/01/14

2026.1.14 文科省登録日本語教員養成機関・実践研修機関実査

表記の実地検査に本学が選ばれ、審査員と文科省の担当官が来学されました。

 

視察授業の教室

実査を受け入れる準備を行う中で、過去の資料の発掘や整理が進み、本学にとってもこれまでを振り返るありがたい機会となりました。

当日の説明資料


2026/01/10

2026.1.10 計量国語学会理事会に出席

表記の理事会(オンライン)に出席しました。

学会の執行部をどのように動かしていくかについては様々なやり方があります。計量国語学会の場合、新たな試みとして、理事会の中に業務委員会方式を導入してもうすぐ1年になりますが、これまでのどころ、うまく活動の活性化につながっているようです。

もっとも、学会のみならず、大学運営や部局運営も同じだと思うのですが、業務を切ることには、メリットがあると同時にデメリットもあり、この塩梅が難しいところだなと思います。

研究科で言えば、神戸大は、昔は自然系で一つ、人文系で一つだったのが、その後、専門ごとに小さく切り分けるようになって今に至っています。ただ、最近、他の有力大学では、細分化されすぎた諸研究科をふたたび大きく一つにまとめる方向に動いているところが多いようです。

この話は、組織の運営において、切るべきかまとめるべきか、結局正解はないのだということを示していそうです。


2026/01/07

2026.1.7 神戸大日本語教師養成サブコースランチョンセミナーに出席

表記に出席しました。詳細はこちら。

当日はコミュニカ学院の内田校長先生の講話の後、ゼミ生の廉沢奇さんが11月に受験・合格された登録日本語教員応用試験 について報告してくれました。

セミナーで報告するD2廉沢奇さん