このブログを検索

2019/06/15

2019.6.15 JACET東アジア英語教育研究会参加

第198回東アジア英語教育研究会

日時:2019年6月15日(土)15:30-17:35
場所:西南学院大学3号館402教室(旧図書館棟)

発表1:「Serious ENGLISH with Lego Bricks: Facilitating Communicative Competence in English Education」 Hisako, OHTSUBO (Showa Women’s University)

発表2:「小学校英語教員(JET)養成と小学校教材内容と使用語彙の分析」木下正義(元福岡国際大学)・柏木哲也(北九州市立大学) 
・「小学校英語教員(JET)養成の現状」木下正義(元福岡国際大学)
・「日本とフィンランドの小学校英語教科書に出てくる語彙比較」柏木哲也(北九州市立大学)

聴講の感想
・第1発表では,レゴブロックを使った教授法の紹介があった。講師がお題を出すと,学習者はそのお題に近いイメージをレゴで作る。その後,自分の作ったレゴの作品がなぜ当該のお題を表現しているのか英語で説明するといった内容。ice-breakingとしては一定の効果がありそうだが,質疑の際に「真に知りたいから聞く」という形でのやりとりが生じるかという点では難しさもあるのではと感じた。また学習者を選ぶ手法と言えそう。なお,こうした目的でのレゴの使用はsilent wayにおけるcolor rodを想起させた。

・第2発表では,フィンランドの小学校英語教科書語彙分析の結果が興味を引いた。日本の教科書は地名や色名が多いのに対し,フィンランドのほうはより社会的・政治的な語彙も多いとのこと。総語数は日本がwe can/ let's tryの計4冊で700語,フィンランドは小6用の1冊(※これには小3~小6で出てきた語をすべて含む。石川注)で約2400語。

※なお,この発表は甲南女子大学の米崎里先生の新聞記事がもとになっているということで,関連情報を整理したところ以下の論文を見つけた。


以下,閲読メモ
・小3から第1外国語,小5から第2外国語
・小学校では通例週2H
・小中校の標準授業時数は日本より短い(日本928H vs フィンランド684H)
・自律性を目指す
・教科書Wowの3~6年生用の読本+ワークブック8冊を分析(比較対象は中学校用のNew Crownの3冊)
・語彙数計量はテキストコーパス分析ではなく巻末語彙リストベース。
・英語見出しリストに基づくと各学年の新出語(概数)は小3で800,小4で500,小5で700,小6で900,4年間合計で2500。
・本文のセンテンス数を比較するとフィンランドは4年間で3500,日本は中学3年間で1400。
・文法はスパイラル配列。
・読本にはCDがついていて家庭学習でも音声に触れられる
・ワークブックでは文法・機能についてspecific なcan-doが学修目標として明示