神戸大学 大学教育推進機構/大学院国際文化学研究科外国語教育論講座/数理・データサイエンスセンター 石川慎一郎研究室の活動報告サイトです。 研究室トップページ http://language.sakura.ne.jp/s/
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2018/10/15
2018.10.15 神戸大学附属中等教育学校「KUトライやる(インターンシップ)」受け入れ
附属学校生徒(4年生=高校1年生)7名を職場体験として研究室に受け入れました。
実施前の予定は以下のようなものでした。
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大学教員の仕事はA:研究,B:教育,C:管理運営業務の3つに分けられます。
今回のインターンシップでは,Aについては,受け入れ教員が主宰する大学院ゼミなどに参加し,院生とともに言語研究の一端を体験します。
Bについては,神戸大学の英語の授業を視察していただき,大学生と交流するほか,資料作成などの業務を行っていただきます。
Cについては,各種の書類作成業務などを体験していただきます。
インターンシップを通じて,外部からは見えにくい「大学教員」や「研究者」の仕事の概要を知っていただければと思います。
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ただ,来学された時期に石川の学外講演や学会ホスト等があったので,予定を変更し,具体的に以下の活動をしていただきました(画像はすべて匿名化加工済み)
10/15(月)神戸大学の学部生向け英語授業(3時間目)および大学院生向け言語統計の授業(4時間目)に参加
10/20(土)神戸大学で開催された日本文体論学会の会場準備・受付・発表聴講体験
10/22(月)神戸大学の英語小テストの採点体験
10/25(木)石川が兵庫県立長田高校で行った講演(探究活動入門)の聴講と長田生とのジョイントディスカッションへの参加
私自身を振り返ると,小学生のころから,なんとなく将来は教師になるものだと思っていました(必ずしも大学教員というわけではなかったですが)。参加した高校生に将来の夢を聞くと,まだほとんど白紙とのこと。今回の体験が彼らの職業選択に何らかの良い影響を与えたとすれば嬉しく思います。
2018/10/13
2018.10.13 JACET関西支部役員会(同志社大学)参加
表記に参加しました。
今回の役員会の審議により,2020年度の国際大会の会場校が正式に同志社大学に決定しました。関西支部がホストする国際大会は前々回が関西外大,前回が京大でしたので,2回続けての京都開催となります。地域の重なりはあるものの,海外ゲストには京都は喜ばれるでしょう。国際大会の成功に向けてこれから準備を加速させていく必要があります。
今回の役員会の審議により,2020年度の国際大会の会場校が正式に同志社大学に決定しました。関西支部がホストする国際大会は前々回が関西外大,前回が京大でしたので,2回続けての京都開催となります。地域の重なりはあるものの,海外ゲストには京都は喜ばれるでしょう。国際大会の成功に向けてこれから準備を加速させていく必要があります。
2018/10/05
2018.10.5-7 英語コーパス学会参加
英語コーパス学会の役員会および大会に参加しました。
特に印象的だった講演・発表等
ワークショップ 1【言語研究のための Word2Vec 入門】
講師:内田 諭(九州大学)
★Word2Vecの面白さを学ばせていただきました。ただ,講師もおっしゃっていたように,そのような結果が出てくる過程がブラックボックスという点をふまえると,学術研究の手法となりうるのかどうかは今後学界全体で考えていく必要がありそうです。
ワークショップ 2【コーパス研究の作法】
日時:10 月 6 日(土)11:00–12:00
講師:井上 永幸(広島大学)
特に印象的だった講演・発表等
ワークショップ 1【言語研究のための Word2Vec 入門】
講師:内田 諭(九州大学)
★Word2Vecの面白さを学ばせていただきました。ただ,講師もおっしゃっていたように,そのような結果が出てくる過程がブラックボックスという点をふまえると,学術研究の手法となりうるのかどうかは今後学界全体で考えていく必要がありそうです。
ワークショップ 2【コーパス研究の作法】
日時:10 月 6 日(土)11:00–12:00
講師:井上 永幸(広島大学)
★コーパスで高頻度ものを用例として辞書に取り込むべき,というのはよく聞くことですが,講師によれば,「アイスピック」の用例の大部分は殺人や傷害関係であるとのこと。単純な頻度万能主義の危険性に警鐘をならした素晴らしいご講演でした。
研究発表 3「英語学習者コーパス構築のためのタスク設計:特定の文法項目抽出に向けて」
発表者:工藤 洋路(玉川大学)・内田 諭(九州大学)
★単に**というテーマで作文しなさい,と言うと,こちらが分析したい文法項目が含まれないこともめずらしくありません。本発表では,いくつかのインストラクション(指示文のみ提示,詳細指示文のみ提示,指示文+モデル文提示)で作文を行わせた結果,指示文を詳しくしたり,モデル文を見せることで狙った文法項目が出現しやすくなるという実験結果が報告されました。できるだけ自然な自由作文を集めようとする,一般的な学習者コーパスの構築思想とは異なりますが,中高現場等で,文法指導の改善資料としての「コーパス」を作る上では貴重な知見と言えます。
2018/10/04
2018.10.4 鳥取県立倉吉東高校講演(英語科教育指導力向上事業)
表記で講演を行いました。同校への訪問は2回目になります。
講演では,新入試をめぐる現状を整理し,今後の高校英語指導に求められる要素についてお話させていただきました。
演題:新試験と新英語力観~高校現場への影響と望まれる対応~
また,公開授業を参観し,講話を行いました。EMI(英語を使った指導)の要素を組み込んだ,大変工夫された授業で,感銘を受けました。講話では,深い読み・正確な読みの実践についてお話させていただきました。
講演では,新入試をめぐる現状を整理し,今後の高校英語指導に求められる要素についてお話させていただきました。
演題:新試験と新英語力観~高校現場への影響と望まれる対応~
また,公開授業を参観し,講話を行いました。EMI(英語を使った指導)の要素を組み込んだ,大変工夫された授業で,感銘を受けました。講話では,深い読み・正確な読みの実践についてお話させていただきました。
2018/09/29
2018.9.29 計量国語学会出席
計量国語学会第61回大会に参加しました
計量国語学会第61回大会
2018年9月29日【土】10:30~ 17:40
京都教育大学
どの研究も示唆的でしたが,森氏の「コーパス分析における生態的誤謬」にはとくに考えさせられました。コーパスではジャンル単位で分析を行うことが多いですが,仮にテキスト単位で再分析をすると,ジャンルで見られた傾向が再現されないことがある点を発表者は指摘しておられました。「確かに」と納得するとともに,データの抽象化・匿名化・概括化を志向するコーパス研究と,個別的なテキスト分析をどう有機的に組み込むべきなのか,個別テキストの独自性の主張は,最終的にコーパス分析の価値の否定につながるのではないか,等,多くの考えるべき宿題をいただいた気分です。
「生態的誤謬」とは,ecological fallacyの訳語で,全体で当てはまることが個別的な部分に適合しない現象を言います。たとえば,地域比較をして言えたことが(例:関東人は・・・関西人は・・・),それぞれの地域に住む個人単位で見てみると再現されない,といった現象です。いわゆる「合成の誤謬」と似た概念と言えるかもしれません。研究では,「背景因子があまりにも違いすぎる集団を平均値で比べる時には、Ecological fallacy (生態学的誤謬)に陥ることがある為、注意が必要」とされます(阪大医学研究科サイトより)。
「生態的誤謬」はSimpson's paradoxとも呼ばれます。これについては進化生物学のOnigiritani (id:lambtani)氏による解説(サイト)が参考になります。サイトに掲載されている事例(大学の男女比)をごく単純化すると,以下のようなことになりそうです。
最近,医大が男子学生を優遇しているという話がありましたが,いま,ある総合大学の女子学生比率が23%だったとします。この大学もずいぶん男性優先的?女性差別的?大学に見えます。
しかし,大学の内訳が以下のようだったらどうでしょう?
工学部(定員800人,女子10%)
文学部(定員100人,女子70%)
家政学部(定員50人,女子80%)
看護学部(定員50人,女子80%)
たしかに,大学全体の女子比率は(80+70+40+40)/1000≒23%となりますが,実は,定員の多い工学部に男子が多いというだけで,ほかの3つの学部ではむしろ女子に極端に偏っています。大学が全体として女性差別をしているとは言うのは不適切でしょう。このとき,大学全体で見れば「女性差別」ですが,学部単位で見れば「女性優遇」であるという矛盾した結果になり,これも生態的誤謬の亜種と言えます。
コーパス言語学者もこうした問題を考える必要があると,認識を新たにした1日でした。
計量国語学会第61回大会
2018年9月29日【土】10:30~ 17:40
京都教育大学
どの研究も示唆的でしたが,森氏の「コーパス分析における生態的誤謬」にはとくに考えさせられました。コーパスではジャンル単位で分析を行うことが多いですが,仮にテキスト単位で再分析をすると,ジャンルで見られた傾向が再現されないことがある点を発表者は指摘しておられました。「確かに」と納得するとともに,データの抽象化・匿名化・概括化を志向するコーパス研究と,個別的なテキスト分析をどう有機的に組み込むべきなのか,個別テキストの独自性の主張は,最終的にコーパス分析の価値の否定につながるのではないか,等,多くの考えるべき宿題をいただいた気分です。
「生態的誤謬」とは,ecological fallacyの訳語で,全体で当てはまることが個別的な部分に適合しない現象を言います。たとえば,地域比較をして言えたことが(例:関東人は・・・関西人は・・・),それぞれの地域に住む個人単位で見てみると再現されない,といった現象です。いわゆる「合成の誤謬」と似た概念と言えるかもしれません。研究では,「背景因子があまりにも違いすぎる集団を平均値で比べる時には、Ecological fallacy (生態学的誤謬)に陥ることがある為、注意が必要」とされます(阪大医学研究科サイトより)。
最近,医大が男子学生を優遇しているという話がありましたが,いま,ある総合大学の女子学生比率が23%だったとします。この大学もずいぶん男性優先的?女性差別的?大学に見えます。
しかし,大学の内訳が以下のようだったらどうでしょう?
工学部(定員800人,女子10%)
文学部(定員100人,女子70%)
家政学部(定員50人,女子80%)
看護学部(定員50人,女子80%)
たしかに,大学全体の女子比率は(80+70+40+40)/1000≒23%となりますが,実は,定員の多い工学部に男子が多いというだけで,ほかの3つの学部ではむしろ女子に極端に偏っています。大学が全体として女性差別をしているとは言うのは不適切でしょう。このとき,大学全体で見れば「女性差別」ですが,学部単位で見れば「女性優遇」であるという矛盾した結果になり,これも生態的誤謬の亜種と言えます。
コーパス言語学者もこうした問題を考える必要があると,認識を新たにした1日でした。
会場風景
2018/09/21
2018.9.21 尼崎市立日新中学校アクティブラーニング教員研修会での講話
9月は尼崎の中学校での講演が3件ありましたが,日新が3校目となります。
講師:石川慎一郎
演題:DALで変わる授業と変わらない授業
今回は,美術(色のイメージを考えて作品を作る),家庭科(健康的な夕食メニューを考える),保体科(50メートル走のタイムを向上させる)という3つの実技系科目を視察し,それぞれにアクティブラーニングの観点からの講話を行いました。
講演では,とくに実技系科目でのアクティブラーニングの導入の必要性について主張を行いました。
実技系科目では,教師は,授業時間の中でできるだけ生徒に運動させたい(歌わせたい,絵をかかせたい,調理実習させたい,実験させたい・・・)という気持ちを持ちます。これはこれで大切なことです。しかし,そこだけに偏ってしまうと,体は動いているが頭は動いていない,ということが起こりがちです。体を動かす授業と,頭を動かす授業,このベストミックスが,子どもの思考力の深化と学力向上に不可欠であると言えるでしょう。
講師:石川慎一郎
演題:DALで変わる授業と変わらない授業
今回は,美術(色のイメージを考えて作品を作る),家庭科(健康的な夕食メニューを考える),保体科(50メートル走のタイムを向上させる)という3つの実技系科目を視察し,それぞれにアクティブラーニングの観点からの講話を行いました。
講演では,とくに実技系科目でのアクティブラーニングの導入の必要性について主張を行いました。
実技系科目では,教師は,授業時間の中でできるだけ生徒に運動させたい(歌わせたい,絵をかかせたい,調理実習させたい,実験させたい・・・)という気持ちを持ちます。これはこれで大切なことです。しかし,そこだけに偏ってしまうと,体は動いているが頭は動いていない,ということが起こりがちです。体を動かす授業と,頭を動かす授業,このベストミックスが,子どもの思考力の深化と学力向上に不可欠であると言えるでしょう。
2018/09/20
2018.9.20 尼崎市立小田北中学校アクティブラーニング教員研修会での講話
表記で理科の授業視察と講話を行いました。
講師 石川慎一郎(神戸大教授)
演題 「思考を活性化するDAL型授業―実験より大事なこと―」
過去の指導の記録
(1) 2017/6/30 AL入門。キーコンピタンシー。 MARCH。+数学(さっさ立て)授業講話
(2) 2017/11/14 新井(2017)調査。ALの原則。+国語(故事成語),保体(サッカー)授業講話
(3) 2018/2/13 ALによる道徳授業。ALと科目の相性。思考のふり幅。+学年別授業(認知症のおばあちゃん,19から大事なもの選ぶ,スピード違反を定期発されて臨終に立ち会えず)への講話
(4) 2018/7/31 ALを導入する必然性。+数学(平方根),理科(水源)授業講話
講師 石川慎一郎(神戸大教授)
演題 「思考を活性化するDAL型授業―実験より大事なこと―」
中学校や高校を回っていると,「体育や理科の授業は,アクティブラーニングをやりやすくていいね」とおっしゃる先生がいますが,実際のところ,これらの科目は,表層的なアクティブ(体のアクティブ,見かけのアクティブ)にはなっていても,深層的なアクティブ(対話的で深い思考と学び)になっていない場合が少なくありません。
そうした中で,今回の理科の授業は,実験ではなく,あえて実験の前の授業を取り上げて,自分自身で実験手法をシミュレートさせるというきわめて意欲的なものでした。生徒さんの討議も盛り上がり,深いアクティブラーニングへの確かな近接が認められました。尼崎の学校に入り始めて3年目になりますが,このような授業が増えてきたことを嬉しくも頼もしく感じました。
過去の指導の記録
(1) 2017/6/30 AL入門。キーコンピタンシー。 MARCH。+数学(さっさ立て)授業講話
(2) 2017/11/14 新井(2017)調査。ALの原則。+国語(故事成語),保体(サッカー)授業講話
(3) 2018/2/13 ALによる道徳授業。ALと科目の相性。思考のふり幅。+学年別授業(認知症のおばあちゃん,19から大事なもの選ぶ,スピード違反を定期発されて臨終に立ち会えず)への講話
(4) 2018/7/31 ALを導入する必然性。+数学(平方根),理科(水源)授業講話
(5) 2018/9/20 ALとDAL +理科(気体同定)授業講話
講話では,生徒に与える問いをさらにピンポイントに絞ることで,思考を深化させる可能性について提案を行いました。
たとえば,気体の同定実験の場合,あまり制約を設けず,どんな手法の組み合わせがよいでしょう,とやると,範囲が広すぎてなかなか思考が深まりません。一方,主な同定手法を比較させ,ベストなものを選ぶ,というようなタスクであれば,思考の方向性は1つにまとまり,班での議論を深めてくことが容易になります。
アクティブの授業では,生徒の自立性を大事にしつつも,学習の実をあげるために,教師による介入・援助をどの程度入れていくか,その微妙な匙加減が悩ましいポイントです。
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