2020年度の「教員活動評価報告」です。職場の書式に従っており,2021年4月に職場に提出されます。
※過去の報告:2016年度報告,2017年度報告, 2018年度報告,2019年度報告
【研究活動のふりかえり】
・2020年度は,新しい科研に2つ採択されました。基盤Bでは,これまで構築してきた世界最大級のアジア圏英語学習者コーパスに含まれる作文・対話データを取り出し,L1や職業などを異にする多数の評価者から評価データを体系的に収集します。1つの作文ないし発話を何十人で一斉に評価するというプロジェクトは国際的にもほとんど例がないもので,SLAの新たな展開に貢献することが期待されます。
・挑戦的萌芽では,同一の標本抽出枠組みにもとづく英語と日本語の対照研究用小説コーパスの構築を目指します。これにより,日米のマインドスケープの違いを描出することがプロジェクトの最終目標です。
・学会関係では,英語コーパス学会の第7代会長に就任しました。
【教育活動のふりかえり】
・2020年度は遠隔指導となりましたが,これまでの対面指導の経験をふまえ,予習・ビデオ講義・復習のプロセスをベースとする授業スタイルを考案し,実践に移しました。
・大学院教育については,6名のゼミ生を指導しました。年度末には,D3生とM2生がそれぞれ博士号・修士号を経て無事に終了しました。ゼミ出身の博士は5名,修士は17名になりました。
2020年度教員活動評価報告書
氏名:石川慎一郎(ISHIKAWA, Shin’ichiro)
職位:教授
学位:博士(文学)[岡山大],修士(文学)[神戸大]
専門分野:応用言語学
研究キーワード:コーパス,英語,日本語
2020年度
教育
(全学共通授業科目担当)
年間9コマ:Academic English Communication
(大学院授業担当)
年間7コマ担当(国際文化学研究科):
博士前期課程 外国語教育コンテンツ論特殊講義,同演習 研究指導演習Ⅰ~Ⅳ
博士後期課程 外国語教育コンテンツ論特別演習
(修士論文指導)
主査・主指導:4名(M1:3名,M2:1名)
(博士論文指導)
主査・主指導:3名(D2:2名,D3:1名)
(教育活動・教育支援活動)
・大学・附属英語教育推進連携会議およびピアレビューにおいて,自身の遠隔指導の実践を報告
・コンテンツ研究部門代表として遠隔指導に特化したピアレビューおよびFDを企画実施
・コンテンツ研究部門代表として部門ブログを管理・運営
・KALCSチュートリアルを管轄
(授業ピアレビュー,FD活動等)
・コンテンツ研究部門において2020年度遠隔授業ピアレビューを企画・実施
・上記のピアレビューで自身の遠隔指導の実践を報告
研究
◎業績の概要(全42件)
___________________
A 著書 4(単著1,共編著3)
B 論文 5(査読あり1,招待2,査読なし2)
C 総説 3(商業誌3)
D 招待学術講演 6
E 学術研究発表 4
F 小中高生徒対象講義 14
G 小中高教員対象講演 6
(以上合計 42)
___________________
記載凡例
日付/分類/書名または論文名/共著か否か/著者/共著の場合の本人担当部/出版社またはジャーナル名/ページ数
A 書籍 (4)
(1) 2020/4/1/書籍《章執筆》/Focus on Language: Challenging Language Learning and Language Teaching in Peace and Global Education/共/【編】Olivier Mentz & Kasia Papaja 【著】Ishikawa, Shin'ichiro, Jean-Marc Dewaele他全20名./Ch. 4 Influence of Learner Attributes on Complexity, Accuracy, and Fluency in L2 English Oral Outputs of Japanese Learners (pp. 43-68)/LIT Verlag(ドイツ)/全401p
(2) 2020/9/26/書籍《共著(3名以内)》/『コーパス研究の展望』/共/石川 慎一郎/長谷部 陽一郎/住吉 誠/全体企画・編集ならびに「はしがき」(v),「第1章 コーパス研究の展開」(1-44),「第4章 コーパスと英語教育研究」(p.193-244)/全273p
(3) 2021/3/30/書籍《単著》/『ベーシックコーパス言語学(第2版)』/石川 慎一郎/ひつじ書房/全277p
(4) 2021/3/31(※印刷遅延中)/書籍《章執筆》/『ジャンルとしての工学英語ー理論と実践ー』/共/【編】石川有香/【著】石川 有香,Judy Noguchi,石川 慎一郎,松田 真希子,竹井 智子,福永 淳,小野 義正(全7名)/第5章:多次元分析法(MD法)による学術論文の言語特性分析―コンピュータ工学系論文とコンピュータ援用言語学習系論文の比較―(pp. 100-134)/大学教育出版/全 244p
B 論文 (5)
(1) 2020/6/20/論文《依頼・招待》/日本語・中国語・韓国語・英語母語話者の日本語発話における形容詞使用実態 ―I-JASに基づく調査―/石川 慎一郎/日本語学習者コーパス「I-JAS」完成記念シンポジウム予稿集/27-34
(2) 2020/12/20/論文《依頼・招待》/習得研究の資料としての学習者コーパスの可能性と課題:計量研究におけるコーパスデータの制約性をめぐって/石川 慎一郎 /第二言語としての日本語の習得研究(第二言語習得研究会/凡人社)23/138-144
(3) 2020/12/21/論文《査読なし》/Aim of the ICNALE GRA Project : Global Collaboration to Collect Ratings of Asian Learners' L2 English Essays and Speeches from an ELF Perspective /Ishikawa Shin'ichiro/Learner Corpus Studies in Asia and the World, 5/121-144
(4) 2021/3/6/論文《査読あり》/L2 English Learners' Performance in Persuasion Role-Plays: A Learner-Corpus-Based Study/Ishikawa Shin'ichiro/International Journal of Computer-Assisted Language Learning and Teaching (IJCALLT) 11(2)/66-83
(5) 2021/3/15/論文《査読なし》/絵描写作文課題におけるL2日本語学習者の動詞使用と習熟度の関係―I-JASの SW1課題データの計量的概観―/石川 慎一郎/統計数理研究所共同研究リポート444:第二言語の言語知識と言語産出の関係性の解明:統計的アプローチによる検討/1-22
C 記事・総説 (3)
(1) 2020/7/1/総説(記事・書評・報告)/海外論文紹介273:L1が流暢だとL2でも同じく流暢か?―絵描写タスクを用いた実験から―/石川 慎一郎/英語教育(大修館書店)69(4)/p.99
(2) 2021/1/10/総説(記事・書評・報告)/海外論文紹介279:2020年代のコーパス言語学の方向性は?ー内から外へー/石川 慎一郎/英語教育(大修館書店)69(11)/p.99
(3) 2021/2/15/総説(記事・書評・報告)/(講演録)計量的言語研究の現状と展望:検証型研究と探索型研究の界面/石川 慎一郎/看護研究54(1)/10-17
D 招待学術講演 (6)
(1) 2020/6/20/招待講演(学会・大学)/日本語・中国語・韓国語・英語母語話者の日本語発話における形容詞使用実態 ―I-JASに基づく調査―/単/国立国語研究所 「I-JAS」完成記念シンポジウム/第5回コーパスワークショップ/国立国語研究所
(2) 2020/8/21/招待講演(学会・大学)/習熟度+産出+産出評価=? ―学習者コーパス研究の新展開―/単/LCSAW (Learner Corpus Studies in Asia and the World) 2020/神戸大学石川慎一郎研究室
(3) 2020/10/24/招待講演(学会・大学)/MMRオープンフォーラム:計量的言語研究の現状と展望―検証型研究と探索型研究の界面―/単/第6回日本混合研究法学会年次大会(JSMMR2020)シンポジウム/日本混合研究法学会
(4) 2020/12/5/招待講演(学会・大学)/学習者コーパスを用いた発話研究の展望:L2英語学習者とL2日本語学習者を事例として/単/日本語OPI研究会第104回定例研究会/日本語OPI研究会
(5) 2020/12/12/招待講演(学会・大学)/言語研究における有意性検定の今後の動向を考える /単/学習者コーパス研究会第7回例会/国立国語研究所
(6) 2021/3/21/招待講演(学会・大学)/多次元分析法(MD法)による学術論文の言語特性分析―コンピュータ工学系論文とコンピュータ援用言語学習系論文の比較―/単/ESPシンポジウム2021「ジャンルとしての工学英語―理論と実践-」/英語コーパス学会ESP研究会/名古屋工業大学石川有香研究室
E 学術研究発表 (4)
(1) 2020/7/3/研究発表/Language and Body Language in L2 English Speech: A Study Based on the Learners’ Interview Corpus/単/2020 KATE International Conference/Korea Association of Teachers of English (KATE)
(2) 2020/8/22/研究発表/日本語絵描写作文課題における使用動詞を手掛かりとした発達の段階性および習熟度推定の可能性―I-JASのSW1課題データを使った検証―/単/統計数理研究所言語系共同研究グループ合同発表会「言語と統計2020」/統計数理研究所
(3) 2020/11/7/研究発表/Influence of L1, L2 Proficiency, and Task Types on Lexical Features of L2 Speeches by English Learners in Asia ― A Study Based on the ICNALE Spoken Dialogue ―/単/1st International Symposium on Applied Linguistics Research Language Studies: Practical Implications for the Society/サウジアラビア Prince Sultan University
(4) 2021/3/20/研究発表/絵描写作文課題におけるL2日本語学習者の動詞使用と習熟度の関係―I-JASのSW1課題データの計量的概観―/単/統計数理研究所「言語と統計2021」(セミナーシリーズ Vol. 16)/統計数理研究所
F 小中高生徒対象講義 (14)
(1) 2020/5/22/招待講義(生徒・学生対象)/高校生のための探究入門:私と社会をつなぐ切り口(※オンライン実施)/単/兵庫県立伊丹高等学校1年次探究講演会
(2) 2020/6/9/招待講義(生徒・学生対象)/自分の「探究」をどう発展させるか:好奇心にロジックを与える(※オンライン実施)/単/兵庫県立神戸甲北高等学校2年次探究講演会
(3) 2020/7/7/招待講義(生徒・学生対象)/英語でつなぐ世界と私:ロジカルプレゼンテーション入門/単/兵庫県立津名高等学校インスパイアーハイスクール事業特別講演会
(4) 2020/7/17/招待講義(生徒・学生対象)/終わりから始まるー長田高校探究発表会講評ー/単/兵庫県立長田高等学校人文数理探究類型研究発表会
(5) 2020/7/30/招待講義(生徒・学生対象)/はじめての探究:世界と地域と私の接点/単/兵庫県立兵庫高等学校「総合的な探究の時間」特別講演会
(6) 2020/9/10/招待講義(生徒・学生対象)/探究への招待~世界と私をつなぐ~/単/兵庫県立長田高等学校人文・数理探究類型講演会
(7) 2020/10/6/招待講義(生徒・学生対象)/探究活動を加速しよう:リサーチをデザインする/単/兵庫県立神戸甲北高等学校 探究講演会
(8) 2020/11/6/招待講義(生徒・学生対象)/課題を解決する作法ーロジックを通して物を語ろうー/単/兵庫県立兵庫高等学校「創造科学科」講演会
(9) 2020/12/1/招待講義(生徒・学生対象)/新しい淡路の創造:地域の問題を解決するアイデア/単/兵庫県立津名高等学校 特別講義
(10) 2021/1/14/招待講義(生徒・学生対象)/はじめての探究:世界と地域と私を結ぶ/単/兵庫県立兵庫高等学校 探究講演会
(11) 2021/1/28/招待講義(生徒・学生対象)/神戸甲北生のための「楽しむ探究」入門/単/兵庫県立神戸甲北高等学校 探究講演会
(12) 2021/2/4/招待講義(生徒・学生対象)/神戸甲北高校総合学科発表会 講話/単/兵庫県立神戸甲北高等学校 総合学科発表会
(13) 2021/2/8/招待講義(生徒・学生対象)/ここから始まる探究生活/単/兵庫県立伊丹高等学校2年生探究発表会講話
(14) 2021/3/18/招待講義(生徒・学生対象)/「考える」ことを学ぶ意味―伊丹の探究の目指す地平―/単/兵庫県立伊丹高等学校 1・2年合同校外成果発表会
G 小中高教員対象講演 (6)
(1) 2020/4/2/招待講演(学校・教委)/探究指導入門:教えるのか引き出すのか/単/兵庫県立神戸甲北高等学校教員研修会
(2) 2020/8/25/招待講演(学校・教委)/DAL を核にした新しい中高授業の創出/単/京都光華中学校高等学校教員対象講演会
(3) 2020/8/25/招待講演(学校・教委)/DAL 授業を磨くヒント:~授業実践をふまえて~/単/京都光華中学校高等学校教員対象講演会
(4) 2020/10/30/招待講演(学校・教委)/中学校における新しい学習評価―変わることと変わらないこと―/単/尼崎市立武庫東中学校学習評価法講演会
(5) 2020/11/26/招待講演(学校・教委)/中学校における新しい学習評価―変わることと変わらないこと―/単/尼崎市立日新中学校 学習評価論講演会
(6) 2021/2/15/招待講演(学校・教委)/新しい学力と新しい評価~光華のDAL~/単/京都光華中学校高等学校公開授業講話
(外部資金等)
代表・個人
・2020~2022年度 科研(基盤研究B)「アジア圏英語学習者の作文・発話に対する世界最大級公開型評価データセット開発と分析」(20H01282) 1,300万円
・2020~2022年度 科研(挑戦的萌芽)「言語から見た日米マインドスケープ比較:データサイエンス志向型小説研究の試行」(20K20699)598万
・2020年度統計数理研究所共同利用研究「第二言語の言語知識と言語産出の関係性の解明:統計的アプローチによる検討」,約50万円
受け入れ
・2020~2022年度 特別研究員奨励費 張晶鑫「外国語としての日本語・中国語教育の連携強化の為のプラットフォーム整備に関わる研究」(20F20999)140万円(140万円)【張氏の大学就職に伴い,2021年1月で早期終了】
科研分担者
・2019~2022年度 国際加速B 迫田久美子「日本語学習者コーパスによる教育と研究のグローバルネットワークの構築」(19KK0055)1,703万円(1,310万円)
・2019~2021年度 基盤A 野山広「基礎教育を保障する社会の基盤となる日本語リテラシー調査の開発に向けた学際的研究」(19H00627)4.498万円(3,460万円)
・2018~2021年度 基盤A 宇佐美まゆみ「語用論的分析のための日本語1000人自然会話コーパスの構築とその多角的研究」(18H03581)4,381万円(3,370万円)
・2020~2023年度 基盤B 川口裕司「言語変異に基づくフランス語、日本語、トルコ語の対照中間言語分析」(20H01279)1,729万円(1,330万円)
・2020~2023年度 基盤B 望月圭子 「国際連携・高大連携による英語・中国語・日本語「作文/対話」学習者コーパスの研究」(20H01278)1,755万円(1,350万円)
(研究活動(大学・機構等の委託研究・調査等)
・国際コミュニケーション協会委託研究 「スピーキング力とインタラクション力の関係性の解明」
社会貢献
(社会貢献,地域貢献等)
【学会】英語コーパス学会会長,計量国語学会理事,日本文体論学会理事,学術英語学会学術アドバイザー,大学英語教育学会法人社員ほか
【地域】兵庫県立伊丹高等学校学校評議員・同ひょうごスーパーハイスクール運営指導委員,神戸大学附属中等教育学校SSH指導委員,京都光華女子中学校・高等学校アドバイザーほか
管理運営
(管理・運営業務)
・大学教育推進機構国際コミュニケーションセンターコンテンツ研究部門代表として,部門事業の企画・実施を担った
・大学教育推進機構国際コミュニケーションセンター紀要編集委員として,刊行実務を担った
・全学図書館研究開発室教育部会委員として,図書館の教育サービス拡充について提言を行った
(資格の取得状況,有資格者としての貢献等)
・該当なし
以上