下記のシンポジウムに参加しました。
JSPS科研費19H00627 「基礎教育を保障する社会の基盤となる日本語リテラシー調査の開発に向けた学際的研究」 キックオフ国際シンポジウム (オンライン)
開催期日 2021年3月27日 (土) 13:00~18:00 (予定) (受付 : 12:30~)
開催場所 Web開催
主催 科研費 基盤研究(A)「基礎教育を保障する社会の基盤となる日本語リテラシー調査の開発に向けた学際的研究」研究代表者 : 野山 広 (国立国語研究所 日本語教育研究領域 准教授)
共催 基礎教育保障学会
プロジェクト名,リーダー名 日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明 石黒 圭 (国立国語研究所 日本語教育研究領域 教授)
様々な発表・講演から多くを学びましたが,とくに,下記の基調講演はinformativeで興味深いものでした。
Jonas Nicolas (ユネスコ生涯学習研究所) “Sharpening our tools for the assessment of adult skills. What a national-scale survey offers that a large-scale cannot?”
講演を聞いての自分メモ
・国際成人力調査:Programme for the International Assessment of Adult Competencies
・OECD加盟国対象に2011年に調査
・読解力(例:Lev 1 候補者と得票数のリストが掲載されたウェブ画面から「得票数が最小」の者を選ぶ/Lev 2 ウェブ画面を見て,「開催者の電話番号を調べる」ために押すべきボタンを選ぶ(答え「問い合わせ先」/Lev 4 図書館サイトにある各種の本の概要から「遺伝子組み換え食品に賛成の主張と反対の主張のいずれも信頼できないと主張している」本を探す)
・ほかに数的思考力とIT活用問題解決能力
・日本は読解,数的思考がともに世界で1位,IT活用問題解決能力は10位
・読解力レベル1未満の被験者の比率は日本(4.9%)>・・・>フランス(21.5%)>イタリア(27.7%)>スペイン(27.5%)
・「人口の3割がほとんど文が読めない」というのは信じがたいが,移民などはどうなっているのか?(Nicolas氏は住民登録されていれば母集団に入る,と回答されていたが,なお疑問は残る)
最終討議での石川の発言メモ
・日本語リテラシー調査を実施する場合,テストだけでなく,簡易な発話課題(絵描写など。ICレコーダで録音,1分程度)を実施し,コーパスデータとして収集するのがよいのではないか?