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2021/08/10

2021.8.10-11 日本語教育システム支援研究会CASTEL-Jに参加

表記に参加し,発表を聴講しました。


完全オンラインでの開催でしたが,シンポ・発表・ポスターと内容も盛りだくさんで,運営もスムーズで勉強になりました。padletをプラットフォームにしたポスター発表では,多くの質疑コメントがついており,オンライン学会運営のお手本としても勉強になる点が多数ありました。


主なコーパス関係の発表メモ(文責:石川)

★ライティングの評価再考:機械と人間の役割と今後の教育支援
伊集院郁子(東京外国語大学)、小森和子(明治大学)、安高紀子(明治大学)、髙野愛子(大東文化大学)、李在鎬(早稲田大学)
・作文レベル自動判定システムj-writerの学習データにI-JASを使用(Lee&Hasebe 2020)。

★I-JAS コーパス「対話」タスクにおける接続表現の使用について-中国語・韓国語・英語母語話者と日本語母語話者を比較して-
長田涼子(テンプル大学ジャパンキャンパス)
・接続表現を学習者は過少使用するが,「そして」 「その後」 「それから」は多用

★自律型日本語学習のための単語分散表現モデルの構築
豊田哲也(東邦大学)
・日本語類語選択問題の自動生成を目指す
・分散表現(word2vec)でコーパスからベクトルを取り出す
・一般には大型コーパス利用が望ましいが,教育的目的では小さいデータを使う利点も
・wikiコーパスのデータをカテゴリ別で絞り込んだ結果,元データを5割程度削減したときに正解選択肢類似度(平均値)が最も高くなる


2021/08/08

2021.8.7-8 全国英語教育学会長野大会に参加・研究発表

表記に参加し,発表を行いました。

発表題目「学習者コーパスと産出評価:ICNALE GRAプロジェクトの狙い」



中級学習者に固定した場合,日本人作文の評価は相対的に高い。
高評価は文法面の強さが支える。弱みは読み手との関与性の構築と維持か?

開会式のお話では参加申し込み者が600名。zoomで見ていると,講演などでは,400名程度の参加がありました。これだけの人数にも関わらず運営はスムーズで,学会運営面でもいろいろと学ぶ機会が多かったです。

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コーパス関係の発表のメモ(文責:石川)

★新学習指導要領下における中学生のための語彙リストの開発
佐藤 剛氏(弘前大学)
・中学教科書をコーパス化して語彙を抽出
・頻度とレンジをかけたARF(average reduced frequency)指数で調整
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Brezina (2018 p.55)よりARFについての石川メモ
・提唱者はSavicky & Hlavacova 2002
・分布度と頻度を自動で評価
・レンジに比べ,サブコーパスに分かれていなくても計算可能という利点
・v値=コーパス総語数÷ターゲット語頻度
・ARF={(ラストと1語目間距離とvの小さいほう)+(1語目と2語目間距離とvの小さいほう)+・・・(n語目・n+1語目間距離とvの小さいほう)}÷v

(計算実例)
 ・100万語コーパスで頻度5の単語AとB

・Aは近傍にかたまって出現しており,出現位置は第1(冒頭から1語目),第2(5語目),第3(10語目),第4(15語目),第5(20語目)
・単語Aのvは100万÷5=20万
・ARFの各項目値の計算
(a) ラスト出現位置(100万語中の20語目)から第1出現位置(1語目)までの距離=999,981 vs 20万のちいさいほう ★このときだけプラス1になる
(b) 第1から第2までの距離=4 vs 20万の小さいほう
(c)  第2から第3までの距離=5 vs 20万の小さいほう
(d) 第3から第4までの距離=5 vs 20万の小さいほう
(e) 第4から第5までの距離=5 vs 20万の小さいほう
・単語AのARF=(20万+4+5+5+5)÷20万=1.000095

・Bはコーパス全体にまんべんなく出現しており,出現位置は第1(1語目),第2(20万語目),第3(40万語目),第4(60万語目),第5(80万語目)
(a) ラスト出現位置(100万語中の80語目)から1語目出現位置(1語目)までの距離=200,001 vs 20万のちいさいほう
(b) 第1から第2までの距離=199,999  vs 20万の小さいほう
(c) 第2から第3までの距離=20万 vs 20万の小さいほう
(d) 第3から第4までの距離=20万 vs 20万の小さいほう
(e) 第4から第5までの距離=20万 vs 20万の小さいほう
・単語BのARF=(20万+199,999+20万+20万+20万)÷20万=4.99995

※Lancaster Stats Tools Onlineで自動計算可(使ってみたが,位置は自分で調べる必要あり。数値は整数値まで)
上の例Aを計算させたところ

上の例Bを計算させたところ

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★日本人英語学習者の英作文における後置修飾を含む名詞句構造の産出―学習者コーパスを用いた研究―
田中 広宣氏(東京大学大学院生)
・NICER1.3.2のEducationテーマの作文53本(1.6万語)をタグ付け
・to不定詞・分詞・関係代名詞が含まれるものを抽出し目視で後置修飾を探す
・A2,B1,B2にかけて,正確な産出を行った学生比率
 不定詞は23から72%へ,分詞は8%から17%へ,関係節whoは46%から72%へ,関係節whichは46%から39%へ,関係節thatは8%から11%へ
・総使用量,正確使用量ともに増加

★英語の定冠詞選択における「一般・特定」の役割分析
高橋 俊章氏(山口大学)
・NICE/NICERで質的用例検証

★発信語彙の定着を促すICT 教材―EasyConc for FlashCard.fmp12 とBingoSheet for FlashCard.xlsm の開発と活用―
日臺 滋之氏(玉川大学)
・パフォーマンス課題実施後に英語で言いたかったが言えなかった語を書いてもらう
・EasyConc(日本語表現と英語表現が対応する日英パラレル・コーパス)
・EasyConc for FlashCard.fmp12(iOS 仕様)
・BingoSheet for FlashCard.xlsm(Windows 仕様)
・言えなかった語は「行く」「好き」など基本語だがほかの語と結合してむつかしくなる

★英検難易度に基づく多義前置詞in, on, at の語義分布と出現頻度
南部 匡彦氏(国際短期大学)
・英検コーパスを自主構築
・in/on/atの語彙区分をコーディング
・in/atは似るがonは独自(抽象・句動詞多い)

★小学校英語における読むこと・書くことへの接続―検定教科書に基づく頻度分析を通して―
星野 由子氏(千葉大学)・清水 遥氏(東北学院大学)
・小学校英語教科書コーパス+リスニングスクリプトコーパスを構築
・見る頻度,聞く頻度を計量




2021/08/04

2021.8.4 Q2最終試験・評定決定

水曜クラスの試験が終了し,16週間の前期が終わりました。下記,担当する一般教養の4クラスの成績分布です。(A)Sは上位10%以内,(B)S+Aは上位40%以内というルールに抵触しないよう最終評定が決定されています。これで一山超えました。

成績分布概況(%)



2021/08/03

2021.8.3 学内科研費説明会メモ

 配布資料により,(自分関係の)ポイントを整理。

1)B/Cの場合,8/2開始,10/6締め切り(望ましい1稿完成は9月上旬ごろか?)
2)「研究目的方法(5p)」と「着想経緯(1p)」は合体
3)「挑戦」の審査観点:挑戦性・妥当性・適切性の3観点総合から,「挑戦性」「妥当・適切性」の2観点へ。(挑戦性のウェイトがあがる)
4)萌芽の審査は,1段階・2段階で同じ審査員がやることに
5)H29/3/24文科省告知「大学などにおける過度のローカルルールの改善」事務連絡


2021/07/30

2021.7.30 外国語教育コンテンツ論コース第3回集団指導でゼミ生が発表

 外国語教育コンテンツ論コース第3回集団指導

2021年7月30日(金)1040~ Zoom


D3 鄧 琪

現代日本語における漢語の諸相ー語用論的特性:産出モード・産出環境の影響ー 



D3 肖 锦 莲

中国語を母語とする日本語学習者の文末詞使用



M2 安 美 彦

中国の日本語教科書における条件節の扱いに関する考察-「総合日本語」を例として- 



M2 堀 家 利 沙

高校英語指導における句動詞の扱い―教科書とセンター試験の分析から― 



M2 佐々木 恭子

ICNALEにみる日本人学習者の理由表現使用



2021/07/20

2021.7.20 兵庫県立長田高校人文数理探究類型最終発表会

表記に出席し,講話を行いました。



8つの提言というのは生徒さんの発表を聞いていて感じたことです。

1 言うべきことは全部言う   Say all of what you should say
★実験の前提,実験のやり方,質問紙調査なら具体的な質問文などを省略せず詳しく報告する。発表だけでやったことの全体像がきちんと伝わるようにする。

2 問題をクリアに示す   Clarify the problem
★解決すべき問題・課題を明確に示し,その解決への道筋を明確に示す。

3 客観的に議論できる問いを   Have good RQs
★客観的なデータに基づいて反論が可能な(Karl Popper)問いをたて,それを議論する。

4 AimとRQを前面に   More focus on Aim & RQ
★実験が先ではなく,Aim/RQを先に立て,その手段として実験を位置づける

5 「狭く深い」実験を   Depth rather than width
★たくさんのことを浅く調べるのではなく,絞り込まれた1つの観点を徹底的に詳しく調べる。

6 調査対象の選定根拠を  Show reasons for your choice
★なぜそれに注目したのか,なぜそれを観点としたのか,その根拠を示す。

7 分割して議論する  Analyze only one parameter at one time
★対象を塊で議論せず,構成要素に分解してからリサーチデザインを組む。

8 指標を疑う   Doubt on your indices
★使用している指標が真に測りたいものを測っているのか,内省的・批判的に考える。(たとえば,blinks---瞬目/まばたき数は,指標として何を計っているのか究極的には不明)

こうやって書き出してみると,毎週やっている大学院のゼミ指導(修士・博士)とまったく同じ内容であることに気づきます。高校生探究であれ,博士論文であれ,研究には一定の普遍的な道筋や作法があるのだと言えるでしょう。



2021/07/15

2021.7.15 神戸大学附属中等教育学校KP最終発表会

 表記に出席し,講話を行いました。

プログラム


講話スライド

講話スライドより

 
 今回は2名の大学教員が講評にあたり,私は文科系の生徒さんの発表を担当しました。文系というのは文献調査が主で,なかなか客観的なエビデンスに基づく一般科学のデザインを適用しにくいところがあります。

 高校探究として考えた場合,どこまで生徒さんのやりたいことをそのままやらせるのか,あるいは,(とくにSSHの枠組みでの)高校探究は「科学的な研究手法のトレーニング」であると割り切って,研究の方向性(IMRAD:Introduction/ Method/ Results and Discussionなど)をある程度教師の側で縛ってしまうか,私も考えが決まらないところがあります。

 たとえば,音楽が好きな生徒がいて,探究の卒業研究として,「作曲作品」を出してきたという場合(音大などでは普通のことです),それをそのまま受け止めるのか,あるいは,探究が目指すものはそうではないとして,より「普通」の研究(実験・調査etc)をさせるべきか・・・

 いずれにせよ,中高6年間という長い時間をかけて行われる神大附属の探究は水準が高く,内部者の贔屓目かもしれませんが,おそらくは今の日本の高校探究の最高峰の1つと言ってよいものになっているように思われます。それだけに,今後このプロジェクトをどの方向でさらに発展させていくべきか,悩ましいところです。