表記に出席し,講話を行いました。
プログラム
講話スライド
講話スライドより
今回は2名の大学教員が講評にあたり,私は文科系の生徒さんの発表を担当しました。文系というのは文献調査が主で,なかなか客観的なエビデンスに基づく一般科学のデザインを適用しにくいところがあります。
高校探究として考えた場合,どこまで生徒さんのやりたいことをそのままやらせるのか,あるいは,(とくにSSHの枠組みでの)高校探究は「科学的な研究手法のトレーニング」であると割り切って,研究の方向性(IMRAD:Introduction/ Method/ Results and Discussionなど)をある程度教師の側で縛ってしまうか,私も考えが決まらないところがあります。
たとえば,音楽が好きな生徒がいて,探究の卒業研究として,「作曲作品」を出してきたという場合(音大などでは普通のことです),それをそのまま受け止めるのか,あるいは,探究が目指すものはそうではないとして,より「普通」の研究(実験・調査etc)をさせるべきか・・・
いずれにせよ,中高6年間という長い時間をかけて行われる神大附属の探究は水準が高く,内部者の贔屓目かもしれませんが,おそらくは今の日本の高校探究の最高峰の1つと言ってよいものになっているように思われます。それだけに,今後このプロジェクトをどの方向でさらに発展させていくべきか,悩ましいところです。