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2017/07/15

2017.7.15 大学英語教育学会東アジア英語教育研究会特別シンポジウム

大学英語教育学会(JACET)第 177 回東アジア英語教育研究会
日時:2017 年 7 月 15 日(土) 15:30~17:35
場所:西南学院大学(福岡)
特別シンポジウム:「学習者コーパスを用いた L2 産出の問題点の諸相:英語・ 日本語教育の視点から」

表記にゼミ生と参加し,発表をさせていただきました。

1530~ 趣旨説明(石川慎一郎)

1535~1600 第 1 発表 朱琳(神戸大学 国際文化学研究科研究生)
「日本語学習者の活用誤りをどう分類するか? ―主要な日本語学習者コーパスの比較調
査から―」
【概要】 本研究は,既存の日本語学習者コーパスにおいて活用誤りとされている学習者の
L2 日本語使用実例を収集し,その分類の枠組みを検証することを目指す。具体的には,「なたね」,「寺村データベース」,「日本語学習者作文コーパス」,「国際日本語学習者作文コーパス及び誤用辞典」の 4 つのコーパスから誤用例を取り上げ,(1)それぞれのコーパスにおいて活用誤りがどのように内部分類されているか,(2)各タイプの誤用の発生頻度はどの程度であるか,(3)頻度を考慮することで活用誤りの分類の枠組みをどのように整理できるか,の 3 点を検討する。



1600~1625 第 2 発表 鄧琪(神戸大学 国際文化学研究科学生)
「中国人日本語学習者による外来語使用パタンの変化:『日本語学習者の縦断的発話コーパス』に基づく分析と考察」
【概要】 外来語は日本語の語彙の重要な一部を占めるが,日本語学習者にとっては習得が
きわめて困難なものの1つである。本研究では,中国人日本語学習者の外来語使用パタンの時系列的な変化を捉えるために,「日本語学習者の縦断的発話コーパス」(C-JAS)を用いた縦断的分析を行う。具体的には,時間の経過につれて,使用される外来語の(1)全体頻度,(2)多様性,(3)レベル,(4)誤用にどのような変化が見られるかを調査する。あわせて,日本語母語話者の外来語使用状況を調査し,中国人日本語学習者の外来語使用が母語話者にどの程度近接していくかを考察する。


1630~1710 第 3 発表 石川慎一郎(神戸大学 大学教育推進機構/国際文化学研究科)
「1 分間発話量に見るアジア圏英語学習者の発話流暢性:ベンチマーキングの観点から」
【概要】 L2 指導,とくに,スピーキング指導において,学習者の流暢性を伸ばすことは
きわめて重要であるが,アジア圏の英語学習者の発話流暢性に関して,現状がどのようなもので/いつまでに/どのレベルまで/どのようにしてそれを伸ばすべきかを示す具体的な指針は存在していなかった。本発表では,アジア圏英語学習者の統制的モノローグを大規模に収集した ICNALE-Spoken(Monologue)モジュールの解析結果をふまえ,この点を計量的に明らかにし,今後のスピーキング指導の手がかりを示すこととしたい。

1710~ 総括ディスカッション




毎年,この会は石川ゼミの新入生の発表デビューの場になっています。また,石川自身にとっても,現在進めている研究をご紹介できる大切な場です。貴重な発表の機会を頂戴していること,同会代表の木下正義先生に深く御礼申し上げます。