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2020/11/06

2020.11.6 兵庫県立兵庫高校創造科学科で講演

表記で講演を行いました。

演題:課題を解決する作法


 探究などのリサーチでは,課題を発見し,課題の解決を提案することが求められますが,示される提案が,自身が冒頭で示した問題と実際には合致していないということがよくあります。これは論理的な齟齬で,問題に対する直接的な解決(当該の問題を確実に解消する個別的・固有的なアプローチ)と,疑似解決(もしかしたらそれで問題が解決するかもしれないが解決しないかもしれない抽象的・一般的なアイデア)を区別して考えることが重要だと言えるでしょう。

 高校生の探究については,その効果がはっきりしないという根強い批判もあり,探究をさせるぐらいなら教科学習をしっかりやるべきという意見も聞きますが,私見では,教科学習だけでは,前述したような論理的思考(というより「思考の作法」)をうまくはぐくむことは難しいのではないかと思われます。探究で得られた思考の作法は生涯残るものです。この意味において,仮に「偏差値アップ」といったわかりやすい成果がすぐに出ないのだとしても,高校生が一定の時間をかけて探究活動に取り組む意義はきわめて大きいと考えます。