11/19に引き続き,京都光華にお邪魔し,3つの授業を拝見して,講話を行いました。
DALの授業の成功のコツはいくつかありますが,全体活動(教師による説明)と個人活動(班活動)の量的比率をうまくコントロールすることは大事なポイントの1つです。
たとえば,資料解析系の社会授業であれば,授業の冒頭で資料を渡し,その後,いきなり班任せにしてしまうと,教師がさせたい「深い思考」に入る前の段階でひっかかってしまう生徒も出てきます。
生徒に深く考えさせることを重視するDeep Active Learningの授業といえども,思考には準備(前提の理解,立場の理解,ミッションの理解)が必要です。この部分は,教師主導の説明でしっかりと入れていくべきでしょう。
スキーで言えば,生徒に雪山を滑降させようとするなら,教師が「滑ってこい」というだけでは不十分です。個々の生徒のウェアやシューズの状態を点検し,手を引いて,リフト乗り場まで連れて行き,リフトチェアまで全員を確実に座らせる,ここまで確認してはじめて「楽しんで滑ってこい」と言えるわけです。授業設計の際に,タスク導入についてこうした方針をとっておけば,生徒の理解度は向上し,タスクにもより主体的に関与できるでしょう。
資料解析系の社会科授業の設計例(試案)