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2017/03/27

2017.3.27-28 統計数理研究所「言語研究と統計2017」発表

表記で発表を行いました。

石川慎一郎:「X々型畳語の構造・使用・意味特性」

概要:現代日本語書き言葉均衡コーパスの新聞・雑誌・白書・教科書データを用い,「人々」,「時々」,「我々」といった X々型畳語について,高頻度語形を特定した上で,構造(品詞成分,反復要素同一性,モーラ数,後接構造),使用(時代影響,ジャンル影響),意味の 3 点に関して調査を行った。その結果,高頻度語形としては「人々」「様々」「年々」等があり,それらに基づくと, X々型畳語は,構造的には名詞反復形が多く,完全畳語と部分畳語のトークン比率はほぼ同等で,モーラ数は 4 が基本で,主格名詞として機能するものより形容詞(句の一部)や副詞として機能するものが多いことがわかった。また,使用特性として,全体の頻度は過去 30 年間で増加傾向にあり,白書や教科書ではそれぞれ特有の畳語使用がなされていることがわかった。さらに,意味に関しては,「複数」が最も多く,「反復」,「個別」がそれに次ぐことが示された。また,先行研究で明示的に認定されていなかった用法として,レシピ等の中で語調を整えるための意味変化を伴わない畳語使用が確認された。





また,ゼミ生の中西淳さんが下記の内容で発表されました。

「日本人英語学習者による前置詞使用の計量的分析―学習者コーパス分析の結果をふまえて―」



「言語研究と統計」は,12年前から続けているイベントですが,今年は特に参加者が多く,2日間で160名以上の出席者がありました。