下記をオンラインで聴講
Incorporating Corpora in Teaching” Symposium
Friday 23 October 2020 from 9.30 to 15.0
Organised by Professor Terry Walker and Associate Professor Rachel Allan
聴講メモ
★Spreading the net: Empirical studies in data-driven learning
Alex Boulton (University of Lorraine)
・DDL研究論文489本を集めて250万語コーパスを作成,コーディング付き。
・DDL研究は経年的に増加,有名雑誌にも掲載増える
★Redefining DDL for the 21st century digital learner
Fanny Meunier (UC Louvain)
・DDLは普及しているが,書き言葉のコンコーダンスライン分析に留まっている
・話し言葉などより幅広いデータを含めたDDLの再定義が必要
★Developing a critical agenda for learning-driven DDL
Pascual Pérez-Paredes (Universidad de Murcia / Cambridge Language Sciences)
・DDLの使用は大学では増えるものの,その実践範囲はまだ限界的。5つの課題。
・(1)学習者の役割は受け身的で,学習成果や目的はは曖昧
・(2)エラー分析が中心のため,学習者の能力の不足や欠損を強調することになるが,この方向はSLAの潮流(nonnativenessの再定義)と対立
・(3)コーパスデータ以外の利用の可能性。
・(4)気づき(noticing)に関する研究の不足
・(5)より幅広い言語学習理論との接合の不足。
★Uses of a learner corpus for student teachers
Christer Geisler and Christine Johansson (Uppsala University)
・Uppsala Learner English Corpus (ULEC):スウェーデンの中学生・高校生の英作文
・30万語(中学生7.1万語,高校生21.4万語)
・ウェブにテーマ(課題)が提出され,その下のボックスに作文を執筆(※スペルチェック機能などはなし)
・大学教員養成課程でのSLA/教授法/誤用分析での指導や,卒研データとしても使用
・分析事例
・スペルミスが多い(becouse/becuseなど)。STTRで職業校・学問校の10歳作文・11歳作文を比較すると,職業校のほうが値が高い(??)。中高生作文の名詞句の質的比較など(同じghostがテーマでも名詞句がだんだん長くなる)。
・USE (Uppsala Student English) やICLEを加えて卒論を書く学生も。
★Bringing a focus to the importance of patterning in language acquisition through corpus use
Anne O’Keeffe (Mary Immaculate College, University of Limerick, Ireland)
・SLAでは実例に触れることが重要。Usage-Basedの習得モデル。
・高頻度の形と意味の結合に注目すべき
・COCA,Michigan Corpus of Upper-level Student Papers (MICUSP)による実例。
★Using very large corpora to teach Modern English (1500–1900)
Erik Smitterberg (Uppsala University)
・大学院の初期英語・中英語のクラスで,評点の45%をコーパスミニ研究に充当
・COHA使用
・学生が取り上げた英語史研究テーマは,doの助動詞使用(do a look:DO-periphrasis), not縮約,its/his選択,GET受け身,許可のcanなど。
★#LancsBox in language teaching
Vaclav Brezina (Lancaster University)
・LancsBox 5.1.2のデモ的紹介。教室利用の可能性。
・Treetagger (Schmitt 1995)による自動POS付け。
・統計処理結果のビジュアル表示。
★Data-driven learning from a text editor
Ana Frankenberg-Garcia (University of Surrey)
・DDLは普及しつつあるが,使っているのはDDLに関心のある研究者=教師のみ。
・DDLの使い方は,学習者がエラーを探して自己修正するだけに留まる。
・DDLをエディタに組み込んだ,コロケーション自動サジェスチョン型英作文プラットフォームColloCaidの紹介(Frankenberg-Garcia et al. 2019)
・学術文に多い600語を選び,それらと共起しやすいコロケーション3万例のデータを実装。
・エディタ上で,英文を書いていくと,単語には波線が表示され,それを押すとコロケーション候補が一覧表示される
★Introducing the book Academic writing with corpora: A resource book for data driven learning
Tatyana Karpenko-Seccombe (University of Huddersfield)
・オンラインコーパス(Lextutor Concordancer, BNC-English corpora, SkELL(Sketch Engine for Language Learning) and MICUSP)をアカデミックライティングに活用する方法を述べた新著の内容紹介
・IMRD(Introduction, Methods, Results, Discussion) の解説も
★Using corpora to inform instruction: Three practical approaches
Randi Reppen (Northern Arizona University)
・コーパスの教育活用の3つの方法。
(1)既存のコーパス言語学の知見を指導する。高頻度語リストから,高頻度lexical bundleへ(談話のサインポスト,テキストのオーガナイザとして機能)
(2)BYUの"word and phrase.info"などのオンラインリソース使用。レジスターの差を意識付けすることも可能。
(3) Antconcなどを使って学習者自身がコーパス検索
★Reserved for research? Normalising corpus use for teachers
Rachel Allan (Mid-Sweden University)
・DDLは長く広まらなかったが,教師教育にコーパスが組み込まれるようになり,状況変化の可能性も。
・勤務先の教職学生は卒論でコーパス使用するが,彼らはコーパスを研究ツールとみなしがち
・新たにオンラインツールで小規模コーパスを使う実践を行わせ,教案に反映させる
★Teaching about spoken English with the British National Corpus 2014: Introducing BNClab
Dana Gablasova (Lancaster University)
・新旧のBNC Spokenをオンライン検索できるBNClabの紹介
・英語発話の時代変化だけんでなく,年齢・性別・社会階層・地域などのパラメタ比較も・新旧BNCデータを用いた学習者向け教材も公開。データから「発見」させることを重視。