表記学会に参加しました。
CASTEL/Jは,日本語教育のための用例辞書等の開発を目指す研究プロジェクトを母体として開催される国際学会で,1995年以降,4~5年ごとに開催されています。今回は,早稲田大学を会場として行われました。
当日は以下の発表を聴講しました。
「日本語で何ができるか」を測る—パフォーマンスベースのオンライン到達度テストと採点システム—(Mayu Miyamoto, Atsushi Fukada)
日本語文法認知診断Webテストの開発(Megumi Shimada, Yuan Sun, Hiroko Yabe, Tetsuya Toyota)
日本語人材を目指すタイ人日本語学習者を対象とした非同期型eラーニングの提案(Kanako Yoshimine)
漢越語を活かした発音矯正・語彙習得のためのスマホアプリ開発に向けた日越音声コーパスの構築(Naomi Cross, Megumi Yamasaki, Dinh Thi Thu Trang, Tran Thanh Van)
気持ちを伝える音声のWeb教材(Naoko Kinoshita, Chieko Nakagawa)
共同構築型自然会話リソースバンクの教材作成支援機能(NCRB:Natural Conversation Resource Bank)、及び、作成した自然会話WEB教材の使い方(Mayumi Usami)
上記はMayu Miyamoto氏の発表風景
◎特に印象にのこったのは,「気持ちを伝える音声のweb教材」の発表でした。日本語では「ありがとう」1つでも,言い方によって,感謝にも批判にも逆ギレにもいろいろなニュアンスが出ますが,そうしたパラ言語的意味解釈は一般の教材では扱われません。これをビデオ教材等を使って指導するという提案でしたが,英語教育でこのレベルに達したものは知る限りほとんど存在しません。日本語教育のほうが進んでいる点がいろいろあり,非常に勉強になった1日でした。