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2023/07/20

2023.7.20 兵庫県立長田高等学校人文数理探究類型最終発表会での講演

表記に参加し、生徒さんの発表審査と、事後の講演を行いました。長田生の皆さんは、本格的な会場(神戸市新長田ピフレホール)を舞台として、all in Englishでの発表を見事に成し遂げられました。

発表会場(匿名処理済)
 

発表スライドより


発表スライドより(2)



高校探究で気を付けたいポイントはいくつかあるのですが、1つは、自分たちのやった研究の意義を冒頭でしっかりプレゼントする、ということです。研究をやっている生徒さんは、そのテーマで半年間ずっとやってきているわけで、それが大事だ、ということはわざわざ言わずとも自明なのですが、聴衆(論文ならば読み手)は、その場で初めてその話を聞かされるわけです。ゆえに、研究者側は、このテーマは「自分」だけでなく「あなた」にとっても大事ですよ、意義がありますよ、ということをうまく伝達する必要があるわけです。平たい言葉で言えば、「受け手を巻き込む」、そういうイントロダクションを磨くと、もっと研究の良さが伝わるだろうと思います。

とはいえ、長田の生徒さんの英語には、毎回、脱帽です。発音もきれいで、発表態度も堂々としたものです。数年前までは、発表部分はよくても、とっさの質疑では難渋する人もいたのですが、今年はどの班も、質疑を含めて、鮮やかな英語で乗り切りました。昔の教育と今の教育、良し悪しはいろいろあると思いますが、少なくとも、石川が高校生だったときとくらべると、今の高校生の英語の口頭発表力は10倍はあがっているな、という印象です。こうした能力は、彼らが、近い将来、世界で仕事をしていくうえで大きな力になるでしょう。

・・・・

7月は高校探究の成果発表会のシーズンで、今回の長田を含め、今年は3つの学校の発表会に参加しました。探究が教科になって一定の時間がたち、当初は大騒ぎだった高校現場も落ち着いてきて、探究指導もある種のルーチンとして定着してきた印象があります。それはそれでよいことなのですが、ここで終わるか、この壁を越えて先に行くか・・・ 生徒さんにも、高校の先生がたにも、また、それを外からサポートする我々にも、覚悟が問われているような気がします。