表記大会に参加し、基調講演を行いました。
大会ポスター
講演スライドより
講演スライドより(2)
コーパスの本領の一つは、言語種別間の差異の同定と記述であり、その意味で、性差研究とは本質的に相性がよいと言えるでしょう。ただ、性差ー男 vs 女ーという分析の枠組みは非常に二元論的であり、結果として、性の多様性や流動性の可能性を抑圧しているという側面もあります。コーパスは切れ味が良いツールですが、それだけに、コーパスを使った性差研究には危うさもあると言えます。このあたり、分類を行いつつも、分類の枠組みそのものを解体していくようなコーパス研究の方法論が可能かどうか、自分でも、もう少し考えてみたいと感じます。若いころ、浅田彰氏の「逃走論」にはまりましたが、混沌とした事象を整理し、整然とした枠組み作りを目指すコーパス(に限らず各種言語)研究が、自らが作り出す枠組みからどう逃げていくか・・・そんなことをぼんやり考えます。