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2020/09/29

2020.9.29 国立国語研究所 NINJALサロン参加

下記に参加しました。

第214回NINJALサロン
日時:2020年9月29日(オンライン)

横山 詔一 (言語変化研究領域 教授),前田 忠彦 (統計数理研究所 准教授),野山 広 (日本語教育研究領域 准教授),福永 由佳 (日本語教育研究領域 研究員),高田 智和 (言語変化研究領域 准教授)
「国語研と統数研の連携起点「日本人の読み書き能力1948年調査」の現代的意義」


先般,計量国語学会で聞いた発表の続編的な内容で,前回同様,知的にスリリングなものでした。今回は,私のほうでも,予習をしていたため,いろいろな質問をさせていただくことができ,終了後,メールなどでご教示いただけたこともあって非常に有益でした。以下,2つの講演を聴講した際の個人の感想メモです。

1) 識字である(でない)というのはそもそもどういう状態を言うのだろう? 識字はwritten languageに限定した概念なのか? たとえば話せるが読めない,読めるが話せない,などはどう考えるべきか?

2) 識字かどうかを調べるとした場合,どのような問題が有効だろう?「あ」と見て,aと発音できること? aという発音を聞いて「あ」だと認識できること? 「あ」だと書けること? たとえば語義・文法・語用論などの知識はどこまでが識字の範囲内なのか?

3) 識字概念と,Chomskyのcompetenceの関係はどうだろうか?

4) テストの得点を考える場合,スコアに関わらず,常に,±方向をともいn加味した誤差という形でとらえるのがいいか,あるいは,スコアの低い人にはもっと良かった可能性を,高い人にはそれほどよくなかった可能性を措定するほうがよいか?

5) IRTモデルの4パラのうち,偶然であたってしまった確率(当て推量による正解)と,偶然で間違えてしまった確率(うっかりミスによる不正解)の重みの関係性はどうなのか?


※当日配布されたデータの確認検証(石川による作図)

横軸・得点(0-90)/縦軸:各年代層における人数比率(%)