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2020/09/19

2020.9.19 計量国語学会大会参加・司会

 表記大会(リンク先)に参加し,座長を務めました。


座長をさせていただいたのは以下の発表です。

7. 求職場面で使われる日本語の特徴を捉えるための計量的アプローチ(亀井 信一)
8. 異文化間能力の育成を目指す計量テキスト分析:ドイツ・セルビア・日本の学生を対象に(村田 裕美子・トリチコヴィッチ ディブナ・李 在鎬)
9. I-JASを用いた習熟度と接続詞の使用に関する調査:論理的文章執筆の支援システムの構築に向けて(李 在鎬 ・ 伊集院 郁子・青木 優子 ・ 長谷部 陽一郎・村田 裕美子)
10. 1948年に実施された日本人の読み書き能力調査の得点分布をどう解釈するか(横山 詔一 ・ 前田 忠彦 ・野山 広 ・ 福永 由佳 ・高田 智和)

どの発表も興味深いものでしたが,とくに10番の発表は,忘れられていた資料を丁寧に調査することで,我が国における統計調査や識字調査の歴史を浮かび上がらせたもので,単なる計量国語学の枠を超え,知的興奮を覚えるすばらしいものでした。

なお,本学会ではゼミ生(D2鄧琪さん)も発表させていただきました。


この会は,完全オンラインの大会として設計されており,(1)参加費の徴収,(2)当日の学会,(3)懇親会,(4)slackでの質問対応含めて,すべてが合理的に電子化されていました。電子化された大会の場合,やりとりが行いにくいという欠点がしばしば指摘されますが,本会については,個々の発表課題について,Zoom上で,また,slack上で,中身の濃い討議が繰り広げられ,参加者として大いに満足しました。同時に,オンラインでここまでできるなら,「そもそも大会を対面でやる必要はあるのか」という疑問が浮かんできたことも事実です。たとえば,対面学会の参加者がざっと80名だとして,また,会場が仮に東京だとして,かつ,参加者の半数が地方から上京したと考えます。安く見積もっても,一人当たり,往復の交通費は平均で2万円程度。単純に40人分とすると,合計で80万円近くが浮いたことになります。こうなってくると,仮にコロナが収まったとしても,学会の大会を対面に戻す積極的な動機を見出すのは難しいかもしれません。。。各学会はこの問題に来年度以降どのように対応するのでしょうか。。。