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2018/08/26

2018.8.25-26 全国英語教育学会京都大会で研究発表

表記で研究発表を行いました。

Shin Ishikawa (Kobe University)
Differences between Japanese Learners of English and English Native Speakers in the Oral Picture Description Tasks

開発中のICNALE Spoken Dialogueの中のpicture description taskのデータ解析をふまえ,日本人学習者の流暢性,語彙多様性,逸脱語彙使用,レベルの再区分と示唆特徴語彙の特定等の内容について報告しました。"speak as much as possible" (SAMAP)型タスクであるICNALE Spoken Monologueでは,日本人学習者の流暢性は母語話者の44%でしたが,同じ6枚絵を描写するタスクでは,やはり母語話者より少ないものの,母語話者の85%程度になり,不足度はSAMAP型タスクよりはるかに縮小することなどが示されました。また,日本人学習者の発話語彙の修得について,先行研究では触れられていなかったいくつかの知見を報告しました。





なお,最近の英語教育学分野のトレンドを俯瞰するため,学会予稿集(約600p)のテキスト分析を行ってみました。主要3品詞のトップ30です。

名詞 サ変名詞 形容動詞
英語 3396 学習 2327 自由 363
言語 918 研究 2008 必要 351
対象 677 授業 1577 高等 276
課題 624 指導 1276 可能 259
内容 586 教育 1066 有意 217
生徒 573 活動 995 明らか 164
大学 551 分析 721 重要 149
教師 527 調査 715 不安 100
効果 478 発表 636 十分 96
語彙 439 テスト 634 疑問 95
方法 430 理解 623 同様 95
外国 429 評価 613 困難 93
小学校 404 使用 606 正確 91
項目 403 実践 522 様々 90
学校 401 表現 416 適切 86
教科書 381 実施 412 79
単語 372 意味 396 有効 78
文法 363 関係 374 流暢 77
中学校 362 質問 336 複雑 69
日本語 360 読解 321 妥当 67
学生 337 影響 290 多様 63
能力 332 意識 289 個別 62
自分 308 作成 283 苦手 54
英文 303 参加 283 新た 54
教員 296 発音 274 簡単 51
動機 292 報告 274 質的 49
日本人 292 認知 259 明確 44
目標 292 変化 256 大切 40
音声 291 考察 251 39
目的 288 説明 251 有用 38

研究トピックでは,例年通り,語彙/単語,音声,動機,教師/教員,教科書などが多そうです。形容動詞には,流暢・複雑・正確のCAF3要素がそろい踏みしています。(統計的)有意という語は,有用よりも多くなっていますが(!),一方で質的もトップ30に入っており,全体として見ると研究手法もバランスが取れているように思われます。

共起ネットワーク分析(500回以上の語はカットしています)

小学校・中学校・高校の丸の大きさ(=頻度の高さ)がJASELEの特性をよく表しています。