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2016/10/27

2016.10.27 兵庫県立長田高校人文数理探究類型講演会

表記で,高校生の皆さんに,リサーチ入門についてお話ししました。

演題: 高校生のためのリサーチリテラシ入門 「研究」と「研究っぽいもの」の違いは何か?

講演では,同校の先輩のリサーチなどを例に取り上げながら,リサーチの成立要件,良いリサーチのコツ,リサーチデザインの構築などについてお話しし,生徒さん同士でリサーチのタネを探していただくワークショップを実施しました。



これまで,類似の講演で,リサーチの要件をいろいろ説明していたのですが,今日の話では,先日(10/13)の日本経済新聞の交遊抄で知った「オハイオ」を使わせていただきました。

オ 面白くて
ハ 初めてで
イ 意味があり
オ 驚きがある

私の考える「良い研究」にジャストミートする便利な言葉です。



なお,これは,意外と多く引用されているようで,下記ではカシオ計算機の社風を表す言葉として使われています。

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20160315/ecn1603150830004-n1.htm

上記によると,出典は建築家の近澤可也氏のことです。

http://www.pandecon.com/chikasawa.html

良い建築,良い会社,良い研究,コアになるプリンシプルというのは,意外とシンプルでユニバーサルなものなのかもしれません。



ちなみに,アカデミックライティングでは,アブストラクトの書き方として,これまで一般に,CARSモデル(Swales)が推奨されてきました。


CARS(Creating A Research Space)モデル

Move 1 陣地づくり: XXXという分野は重要で多くの研究がなされているが,~という点でずれや不足があると主張

Move 2 ニッチづくり: 上記のずれや不足を示し,先行研究に反論するなどして,先行研究の中のニッチ(niche)を指摘

Move 3 ニッチ埋め: 自分の研究でどのようにしてニッチが埋まったかを示す。


要は先行研究を手際よくレビューしながら,まだなされていない「ニッチ」を探し,そこにうまく自分の研究をはめ込んでいくわけですが,オハイオはこの理念をも見事に言い尽くしています。