このブログを検索

2021/06/24

2021.6.24 兵庫県立津名高等学校インスパイア―事業特別講義

兵庫県教育委員会の「県立高校特色づくり推進事業 ~インスパイア・ハイスクール~」(通称インスパイア―事業)により,表記を訪問し,指導を行いました。


講堂での指導風景(画像匿名化加工済み)

当日は,2年生の生徒さんが淡路の地域課題を解決する案を紹介する英語プレゼンをされ,それを受けて講話を行いました。津名高校の生徒さんはいつもながら立派な発表でした。

講演 「淡路の明日を英語で語る」


ワークショップ課題 「津名港ターミナル活性化」

 ワークショップでは,津名港ターミナルの活性化案を練り上げることを試みました。
 
 こちらの学校に限らず,「地域の問題を解決する」をテーマとして探究やプレゼンをさせる学校は非常に多いのですが,実際のところ,地域の問題の多くは構造的で複合的なもので,高校生の提案が真の意味で実効性になることはなかなかありません。また,調べれば調べるほど問題の根深さがわかり,張り切って提案を考えようと思ったのに,何も言えなくなってしまう,ということもあるかもしれません。さらには自分の住む町への誇りや郷土愛が微妙な形でゆがんでしまう危険性も考えないといけないでしょう。
 この意味で,個人的には,よく似た違うものとして「学校の問題を解決する」というテーマのほうが,高校生の探究/プレゼン課題として適切なのではないかと考えます。たとえば学食の混雑回避案や,教室の日差し問題など,身近な問題であれば,リアルな解決を考えることができますし,単なる頭の体操を超えてよいアイデアがあれば実際に変革につなげることもできます。また,学校の問題をあげてその解決をみなで探ることは,愛校心を毀損することにはならず,むしろそれを高めていくことにもなるでしょう。
 ただ,このテーマがなかなか広がらないのは,先生がたの中に,学校の文句を言わせるようなことになるのではないかという不安が消えないからではないかと思います。私がかかわる学校でいくつかやってもらった経験から言うと,決してそんなことはなかったのですが。