石川発表
Shin'ichiro ISHIKAWA
"Asian Learners’ L2 Oral Production In Monologues and Dialogues"
今回の発表では,開発中のICNALE Spoken Dialogueの特性を生かした研究の在り方を具体的に提言するという点も考慮に入れていました。この点に関して,Robinson (2005)のcognition hypothesisが本研究の良いきっかけとなりました。
Robinsonは発話タスクについては,双方向性(モノローグではなくダイアローグ)や,認知的な複雑性(単純なタスクではなく負荷の高い複雑なタスク)によって学習者の発話のCAF(複雑性・正確性・流暢性)が変化するという仮説を提唱しています。
(1) Task's complexity --> attention on language ---> CAF of outputs
If task’s complexity (i.e. num of elements, deixis, reasoning) increases,
C (syntax & lexis)(+), A(+), F(-)
(2) Task's interactiveness --> joint attention on language ---> CAF of outputs
If task becomes more interactive,
C(-) [due to interruption, asking for clarification, repetition], A(+), F (+)
また,Robinsonの検証研究も行われています。今回の発表では,こうしたSLA系の研究の流れを踏まえ,ICNALE Spoken Dialogueの各タスクを
Conversation(Dialogue/ Simple)
Role-play (Dialogue/ Simple)
Picture Description (Monologue/ Simple)
の3つに分割し,Robinsonの仮説の妥当性を再検証しました。
下記は得られた結果の一部です。
今後,ICNALEも,こうした理論的枠組みをふまえた研究に利用されるコーパスになってほしいと希望しています。