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2019/02/06

2019.2.6 兵庫県立伊丹高等学校SGH講演会

表記で講話を行いました。

当日は高校1年生(新年度からSGHの探究活動を継続して実施する生徒さん)を対象に,彼らが行った1年次研究の講評を行い,さらに良い探究とするための助言を行いました。

研究では,扱う問題が必然的で明確であり,その問題に適切なアプローチがなされ,提起した問題に対して解決(の方向性)が示されることが重要です。

ただ,この流れを常に意識していないと,やっているうちにだんだんと迷走してしまう研究になりがちです。

たとえば,伊丹の特徴である酒造産業の復興というテーマであれば,まずは,どういうゴールを設定するのか(販売高を3割増やす,県外での知名度を20%あげる,若者の日本酒離れの対策を示し,若者の日本酒摂取量を1割増やすす等)を明確にすることが重要でしょう。明確なゴールがあれば,明確なアプローチが見えてきて,やるべき調査や実験がクリアになります。



実際のところ,良い探究のコツはゴールから考えることで,これはカリキュラム開発におけるgoal-oriented approach等とも共通する発想です。

伊丹の生徒さんは,いつも皆さん優秀なので,来年度,探究の質はさらに向上することでしょう。

伊丹の校訓は「性質・克己・忠恕」だそうです。



「忠恕」(ちゅうじょ)というのは難しい言葉ですが,「自分に対しては忠実で、他人に対しては思いやりの気持に富むこと。」という意味だそうです(『新明解』)。SGHが掲げるグローバルの理念とも重なる理念だと感じました。